【 豪雨乃刻〜壱 】


                                 
『 濡鼠 』



 確かに天気予報では、午後から大雨になると言っていたが、家を出る時に見上げた空は、雲一つない綺麗な青空だった。
 だから母さんが、傘を持って行きなさいと言うのを、背中で聞いて家を出て行った…いや〜面倒くさかったからね!
 そして、自分が帰宅する時刻を計ったように振り出した大雨…少し小降りになったのを見計らって、駆け出した結果は、途中から豪雨へと変った雨により、ものの見事に私は濡鼠状態となって、家に駆け込むことになった。


             


「お母さーん!タオル持ってきてー!!!」
 ずぶ濡れで帰ってきた私が、家の中にいる筈の母に向かって玄関口で叫ぶ…濡れて顔やオデコに張り付く髪の毛、友人達が男前だと褒めてくれた太い眉(クソッ!)もぺたりとしているし、制服もピッチリと身体に張り付いおり、下着の線や身体の線をクッキリと浮き上がらせている、もっとも友人の美也子に言わせれば…
『綾子!なかなかにセクシーだよ!』
 だそうだが、かなり恥かしいし、濡れて重くなったスカートも足に纏わり付いてきて、気持ちが悪かったする、とにかく乾いたタオルで、濡れている身体を拭取りたかのだ。
 だけども、家にいる筈の母からの返答は無かった。
「買物にでも、行ってるんかな?」
 そんな事を考えながら、ずぶ濡れのまま家の中へと入って行く、廊下に点々とつけられる濡れた足跡、その濡れた足跡があまりにもハッキリとした形で着けられ、目を引いたからなのかも知れない、廊下に薄っすらと残されている土足の靴跡に、私は気がつかなかった…

 居間へと入って目に付いたのは、少し乱雑な感じの居間の風景、綺麗好きの母さんにしては少し珍しいなと思いながら、取り敢えずはびしょ濡れの身体をバスルームへと向かわせた。
 バスルームの前に辿り着く、備え付けのタオルを手に取って頭を拭きながら、少し考える…このまま二階の自分部屋に行って着替えをするか、それとも…目線の先にはバスルーム…考えはすぐに決まった。
 私は、濡れて身体に張り付いている制服を気前よく脱ぎ捨てる、もちろん雨が染み込んだいる下着も同じだ、そして裸になるとバスルームへ入りシャワーの栓を捻った。
 着替えは用意して無いが、備え付けのバスタオルがあるので、それを身体を撒いて二階にある自分の部屋に行き、改めてキチンと着替えをすれば良い、とにかくべチョべチョした制服と身体を何とかしたかったのである。


                              
『 凌辱者 』 


「ふ〜…」
 暖かいシャワーの温もり、雨で少し冷えた身体が暖まって行く…頭から身体へと流れ落ちて行くお湯の温かい感覚が、家を目指して必死になって走っていた先程までの事を忘れさせてくれる。
「んっ?」
 そして、ようやくに身体が温まり、心身ともに一息ついた時、バスルームの外…ドアを隔てた先の台所に人の気配を感じた。
「お母さん?」
 出かけていた母親が帰ってきたのかと思い、外の気配に声をかけるが返事が無い、気のせいだろうか?
 シャワーを止め、バスタオルを身体に纏って、覗くようにしてバスルームのドアを開き、外を覗き見る…開いた先、そのドアの影には見知らぬ男が立っていた…
「ひっ!」
 驚きの声を上げようとした瞬間、私は男に殴り倒される…薄れ行く意識の中、抵抗をする事も出来ずに、男に引きずられ家の奥の方にある和室へと連れこまれた。

 ドン!と、乱暴に部屋の中に放り出され、そのショックで逆に薄れていた意識が元に戻って行く、そして部屋の中を見回した私の眼に、服を脱がされ縛り上げられている母さんの姿がうつった。
「お母さん!」
 私の声に気がついたのか母は、私のほうを見る、そして何事かを喋ろうとしたが口に張られているガムテープのせいで、呻くような声しか出せないでいる。
「へへへ…ババァだったんで、少々ガッカリしてたが…美味しそうなのが飛び込んできやがったな…」
 ハッとして、男と縛られている母の姿を交互に見る…私に視線を感じ、一瞬だけ顔を背ける母…だが、次の瞬間には、私を庇おうとするかのように男へ飛び掛ろうとした。
 だが、縛り上げられた身体は自由が利かない、傍目には少しだけ身体を浮かび上がらせ、跳ねているようにしか見えない…
「お母さんに一体何したのよ!」
 母の方へと身体を寄せながら男を睨みつけ、私は叫ぶように言う。
「な〜に…少々、性欲の解消に付き合ってもらっただけさ…でも、やっぱり年増は好みじゃないな、俺はお嬢ちゃんくらいの方が好みなんだよ…」
 そう言いながら、男は私のほうへと近寄ってくる…逃げ出そうにも、唯一のドアは男の後ろにしかない…身体に纏っているバスタオル…それを、男の方へと被せる様にして放り投げ、その隙にドアから飛び出そうとしたが、あっさりそれは見破られ、後から髪を掴まれて引き倒される。
「あうっ!」
 ブチブチという髪が引き千切られる音がする、その音を聞きながら引き倒された私は、強かに後頭部を下へとぶつけてしまい、一瞬意識が跳ぶ…その隙をつくかのように男が身体の上に覆い被さってきた。
「いやぁぁーー!」
 出せる限りの悲鳴を上げる、この悲鳴を聞いて誰かが助けに来てくれる事を願って、だが男は笑いながら言った。
「無駄だよ、あのババァも散々に叫んだが、誰も来やしなかったよ…早いとこ観念しな!」
 普段なら悲鳴は外に聞こえたかも知れない、だがいまだに降り注ぐ豪雨は、全ての音を掻き消してしまっていた。
 男の手が胸と伸び、剥き出しとなっている乳房の上を擦るように触れ、乳首を指先で摘み弾力を確かめるかの様に嬲る。
「ぐぅっ!」
「へへへっ…硬くなって来やがる、あんたのおっかさんも、乳だけはでかかったが、弾力がぜんぜん違うな…あんたの方が倍は、柔らかくて揉み応えがありそうだぜ!」
「いやっ!やめて、助けて!お母さん、助けてぇぇーー!!」
 男の下卑た笑い、母の呻くような声、そして私の悲鳴…それが重なり合う中で、私は既にひかれていた蒲団へと押し付けられ、自由を奪われる…
「多少小便臭いかもしれないが我慢しろよ、さっきおっかさんを犯っている最中に、だらしなく漏らしやがってよ…」
 男は、さも面白そうに押し倒した私を見ながら言う、恐怖だけが身体を支配して行く…男が私の身体に覆い被さろうとした瞬間に、横から縛られたままの母が、男へ向かって体当たりをしようとしたが、逆に男に髪を掴まれ壁へと投げ飛ばされる。
 ガシーン!と言う激しい音、崩れ落ちるように横たわる母の姿が見えた。
「いやっ!お母さん!おかあぁぁーーさん!いやぁぁ―――!!」
 身体は恐怖で動かないが、声だけは辛うじて出せる、投げ飛ばされ壁にぶつかった母の姿、その母に向けて叫ぶ…母の安否を気遣い、母が大丈夫かと心配し…
「チッ!幾ら外にゃ、聞えないといっても…俺が、うるせいぇんだよ!!」
 男の手が、それも握りこまれた拳が少女の顔面へと叩き込まれる。
「ぐぅぎゅっ!」
 鼻血が溢れ出し、流れ出したその血が少女の肌を染める、痺れるような衝撃と口中に広がって行く錆びの味…さらに頬へと二回、男の拳が振り下ろされる。
「あっ…あう…」
「こんど騒いだら…婆と一緒に…殺すぞ!」
 暴力と脅迫…それにより大人しくなった少女の身体に、男は本格的に凌辱を開始する…鼻血が飛んでいるその乳房へと、腕が伸ばされ揉みあげられる…ネチョリとした血の肌触りが広く伸ばされ、少女の乳房を薄く染めていった。
「ひぃ…ぐぅっ!」
 初めて乳房へと触れられる異性の掌の感触、それなりに夢見た事とはまるで違う汚辱の感触、握り潰す事を目的としたような激しく乱暴な愛撫、柔らかな乳房…その白い肌へと食い込む男の伸びた爪、肌を突き破り血が滲み出して行く…
「あうっ!ひぃぃ…いあっ…いあぁぁ…」
 顔に刻まれた痛みの記憶が、悲鳴を上げる事を許さない…呻くような哀願と、微かな抗いの声だけが、震える唇から漏れ出す。
 乳房を乱暴にしつこく揉みあげる手の動き、その手が下半身へと降りて行き、黒く手入れにされている茂みへと触れる。
「あっ!…ひいやっ!いやっ!」
 茂みへと伸びた手が、更に深く分け入り割目へと伸びて行き、それぞれの穴に触れ、位置を確認するかのように蠢く、やや大きな声を出し、抗いを見せる少女であったが、凶悪な男の顔に睨まれ、それ以上の声を出せなくなる…仮に喉が潰れるほどの悲鳴を出したとしても、降り続く雨音がそれを掻き消すだけであろうが…
「へへへ…それなりに濡れてるじゃねえか、結構好きもんなんだな…お嬢ちゃんは」
 無論、男の行為によって濡れたわけではない、帰って来てすぐ浴びたシャワーの滴が恥毛に乾いてないだけである、男の手が茂みをかき回し穴の位置を確かめる…そして…
「あひぃっっ!」
 男が少女の両足を持ち上げるようにしながら、その両足の間に身体を置く…大きく押し広げられた少女の股間、その秘密の部分が男の眼前へと曝け出される。
「いやっ…見ないで、みないでぇよぉぉ…いやぁぁ…」
 微かに身体を動かす抵抗の意思は見せるものの、圧倒的な暴力と脅迫の前に、少女は身も心も押し潰され凌辱されて行く、伸ばされた手が股間の茂みを嬲りながら、その位置を確認し、そこへと大きく膨らみ硬直している男根が挿入されて行った。
「あぎっ!いぎぃぃーーひぃっうぁ!」
 奇妙な…苦痛に喘ぐような、その苦痛を飲み込むような、音が少女の口から吐き出される、その音を聞きながら男は、挿入させた男根を更に深く沈めて行く、挿入された男根により大きく押し広げられた女陰が裂け、血が滲み出す…それに構わずに男は更に男根を深く、少女の胎内へと螺旋込み、快感を貪ろうと考え、実際に男根を激しく締め付ける快感と、挿入に抵抗する圧迫感を捻じ伏せる喜びを貪った。
「あっ!ああぁぁーーぃいぃいいぃっ!」
 苦痛の音が少女の喉から溢れ出し続ける、息を吸い込む余裕すらなく吐き出す続ける音の羅列…肺にあった空気の全てを吐き出し切り、少女が出していた音はようやくにとまる…
「ひっ!ひぃぅぅ…ひゅぅ―――…」
 息を吸う音…それが、悲鳴のように鳴る、そのような状況でも男は少女の肉体を犯し続ける、付きこんだい男根を捻じ込んでは、半分抜きそれを勢いをつけ、さらに深くへ突き立てる…激しく!リズミカルに!焦らすように!壊すように!腰を抱え!腰を押し付け!男根から得られる快感を、貪欲に貪り続ける…そして…
「はっ!ははっ!出すぞ!出してやるから、ちゃんと受け止めろよぉ!」
 射精の瞬間が近づきて来たのを、感極まった声で叫びぶ!
「ひっ!ひぃやぁ!やめっ、だめ!だめぇぇーーー!」
 妊娠…少女にとって、それは恐怖意外に何物でもなかった。
 自分の胎内へと男の精液が出されたら、妊娠してしまうかも知れないと言う、絶望にも似た恐怖…それだけは嫌だった。
「やめぇ!御願い、おねがいぃぃ――!やだぁぁ―――!!」
 ようやくに吸った息を、再び全て吐き出すかのような悲鳴の中、男はその欲望の全てを少女の胎内へと吐き出した…
 広がると言うよりも、何かおぞましい物が身体に染み込んでくる感覚…それを感じながら少女は、この感覚が…たぶん一生消える事がないだろうと思った…

「あっ!うっ…いやっ!」
 胸の上を蠢き続ける手の感触、股間を引き裂いた痛みは消えずに、いまだにズキズキと痛みを身体に伝え続ける…いや、この痛みは心に刻み込まれ、永遠に痛み続けるだろう…そう思うってしまう…
「いぎっ、あぅつ!」
 乳房を噛まれる痛みも加わる…歯型を刻みこまれて行く私の乳房、乳首を吸われ下で嬲られ、乳房同様に噛まれる…
「ひひひ…あんたのおっぱい、おっかさんの倍は揉み応えがありそうだと言ったのは、間違いだったよ…3倍は揉み応えのある、立派なおっぱいだ…」
 嬲られ続ける乳房、確かに男が言ったとおりの乳房であった…揉めば揉むだけ指が減り込み、その力を緩めれば元に戻ろうとする反発感は極上であった。
 だがその乳房には歯型が刻まれ、血が滲み…痣が刻み込まれ、内出血の痕が残される、男の欲望を満たすためだけの存在と乳房は化していた・・・
「ああ…やだ…ううぅぅ…」
 今を否定する言葉も、硬く閉じ合わせた瞳も…身体に刻み込まれて行く、おぞましい感触を否定することは出来ずに、それを現実として受け入れて行く屈辱…ただ、硬く閉じ合わせた筈の瞳から、涙が零れ出すだけであった。

「本当なら、しゃぶってもらって終わりにしたいんだが、そんな事をしたら…お前、噛み切るだろうな…」
 男が眼前に、男根を見せつけながら、さも残念そうに言う、そして見せつけている男根を少女のオデコへとするつけ始める、自分の精液と少女の破瓜の血で、ぬるぬるになり汚れている男根、それが少女のオデコから太い眉毛へ擦り付けられ、さらに顔面へと押し付けられ、擦り付けられる、。
「あっ…あぁぁ…やだぁぁ…いやあぁぁ…」
 呻くような喘ぎ声…擦り付けられて行く男根が、顔中に擦り付けられて行く…唇へ…鼻の穴へ…頬へ…耳の穴へ…柔らかな顔へ押し付けられる男根…
「たまんねぇ…うっ!うぅぅ…!」
 男の呻き声…そして少女の顔面へと吐き出された生臭い濁液が、顔を汚し皮膚へと染みこみながら、垂れて行き髪痕のある乳房へと滴り、傷痕に染み入って行った…


                              
『 止まない雨 』


「いや〜親子丼てのも、なかなか美味いもんだったぜ…」 
 そう言った男が、手持ちのデジカメで、私と母さんの姿を写しながら言う。
 大きく押し広げられたままの私の両足…歯型の刻まれた乳房…精液を翔けられ汚れ切った顔…全裸で縛り上げられたままのお母さん…それらの姿が、男のデジカメに記録されて行く…
「これは、保険だ…この事を誰にも言わなけりゃ、俺だけの楽しみにしといてやるよ、警察なんかにゃ、タレこむなよ!」
 そう言って男は部屋を出て行った…後には、散々に凌辱された私とは母だけが残される…

「あっ…あぁぁ…おかあ…さん…」
 呻くような私の声…縛られ倒れたままの母へと、身体を引きずって行き、戒められている母の身体の紐を何とか解く…
「おか…ぁ…さん…あっ…あぁぁ…」
 意識を取り戻した母は、私の身体を抱き締める…
「ごめん…ごめんね…綾子…ごめんね…」
 そして、ぽたぽたと眼から涙を溢れ出せる…流れ出た涙が私の身体へと落ちて行く…
…なんで…かあさんはあやまるんだろう…悪いのはかあさんでも…わたしでもないのに……
「かあ…さん…」
 母を呼びながら、私の眼からも涙が止め処も無く流れ出す…
 そして、その涙は尽きる事が無いかのように、延々と二人の身体から搾り出され、互いの身体と心を悲しみの底へと沈めて行く…家を震わすような豪雨は、まだ降り止む兆しを見せなかった…



                                             『 豪雨乃刻〜弐 』 へつづく


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