【 豪雨乃刻〜参 】


                          
『 降り止まぬ豪雨… 』


                              「 呼び出し 」


 その日も朝から雨…それも豪雨と呼べるほどの激しい雨だった。
 電話で呼び出されたの先日、そしてその電話で指示された場所へと雨の中を私は向かう。
 普段の日曜なら、遊んでいる子供と保護者で賑わっているだろう公園も、雨の日だと人気の無い寂しい場所へと変っている、その公園で私は男が来るのを待った。
 待ちだして数分した頃だろうか、雨の中を一人の男が現れる。
「お待たせ、元気だったかい?」
 まるで、恋人でも待たしていたような口調で話し掛けて来る男、だが顔に浮かべている表情は、醜悪な笑みを浮べながら私を値踏みするかのように見ている、何か言い返そうとするが事がで来ない…
 無言のまま立ち尽くす私の手を取った男が、公園の近くに止められていた車へと私を連れて行き、その車へ乗るように指示したのは、すぐの事であった。

走り出した車、その助手席に座る私…
「きょうで最後なんですね…」
ようやくに搾り出した私の言葉に男は、先ほど見せた醜悪な笑みを浮べながら言う。
「ああ、今日で最後だ…俺は、嘘は言わないよさ、このあいだだって約束どおりにちゃんとゴムを付けてしてやっただろ?」
 唇を噛締める私を横目に見ながら男は車を走らせる、そして1時間も経った頃に車は止まり、わたしは車から降ろされた。
 降ろされた場所は、比較的大きなビルの地下駐車場、そこからエレベーターを使い、私はそのビルの中の一室へと連れて行かれた。


                                 「 撮影 」


 連れて行かれた場所はビルの中の一室、無愛想なドアの前に立たされ私の前で、ドアの上部にある除き窓が開く、そして私と男の姿を確認した後ドアが開かれ、私と男を室内へと招きいれた。
 二重になっている内部のドア、その内部のドアを開けた瞬間に、私に向けて浴びせられる強烈な光、その眩しさに立ち眩みを起こして立ち尽くす私に向かって、光の向こうから誰かが言った。
「おっ主演女優の登場か?」
 浴びせられる光の眩しさに眼を閉じている私にかけられる声
「おまたせ、それじゃチャチャッと始めるぞ」
 入口で立ち止まっていた私の身体が、ドンと部屋の中へと突き押される、そしてドアが締まる音…押された拍子の倒れた私は、ようやくに光のまぶささに慣れた眼で周囲を見渡す。
 そこは広い部屋の中、強烈な光を発しているライトが数台と何か大きなカメラのようなものを抱えた人、その他にも何人かの人影が見える、そしてドン設置されているダブルバッドが見えた。。
「なっ、何なの!ここは、いったい何をする気なんです!」
 叫ぶように言う私に向かって、ここへ私を連れてきた男が、顔を近づけ息を吹き付けるようにして喋り出す。
「な〜に、簡単の事さ、いまから自主映画を撮影するだけだ、主役のヒロインは当然の事ながら綾子ちゃん、そして他の登場人物は俺を含めた五人、そして撮影する映画の内容は、ぶっつけ本番の輪姦凌辱ビデオだ」
 そして男は笑う、何度も浮べてきた薄く酷薄な笑みを…
「いやぁぁーー!」
 立ち上がってその場から逃げ出そうとするが、それを予期していた男は背後から、私の髪を髪を掴んで強引に引き戻す。
「あうっ!」
「安心しな、これでも一回は一回だ、これが終ったら解放してやるよ…何せ俺は、律儀な性格だからな」
 そして、髪を掴んだまま、私を向こうに見えていたベッドへと引きずって行く、掴まれている髪がブチブチと切れるのが判る、だけど必死になり叫び足掻く私…
「いやっ!そんなのいやぁぁーー、やめてぇ!たすけてぇぇーー」
 泣き叫び足掻く私…だが、逃げ道は一つも無い、誰かがが助けにきてくれるはずも無い…抱え上げられた私が、ベッドへと放り出される。
「よーし!撮影開始だ!」
 その声を合図にして、撮影が始まる…そして私は、男達に犯された。


 最初は単なる自慢話であった。
 普通の店ではない、その手の極悪人が集まる場所での、酒の肴としての会話…取り出した写真を見せながら自慢げに何事かを語る男と、その写真を見ながら欲望に満ちた声を上げる男達…
 男が見せている写真には、裸の女が映し出されている、だが普通のヌード写真と言う代物ではなく、卑猥で陰惨な姿を映し出している写真、それは男に散々に嬲り犯された姿を、写真と言う空間に刻み込まれた哀れな被害者の写真…
 その写真を指差しながら、男は自慢する…如何にして自分が、この女達をモノにしたのかを、そして犯した女の具合が良かったかを、身振り手振りや声色すら使って説明する。
 その写真を見ていた男の一人が呟くように言う。
「この女が主役だったら、売れるだろうな…」
 それは酒の上での戯言だったかも知れない、だが男達はその言葉に敏感に反応を示し始める、そして話はどんどんと具体的になって行き計画が立てられて行く、この写真に写し出されている女達を、どの様にすれば男達が考えている事に引きずり込めるかと言う事を…
 そして、その計画は実行に移される。
 撮影をする場所の用意と撮影に使用する機材や人数は、そう簡単に準備出来ると言う物ではない、準備が出来ました、だけど女を用意できませんでした…と言う事になったら全てが無駄骨となり、損だけが残る事になってしまう。
 だから前もって男達は試した、はたして写真の女が脅迫に大人しく従うかと…結果、女は脅迫に従い、脅迫者の男に再び犯されると事を選んだ。
 予め考えていた手はずどおりに男は言う…あと一回だけ付き合えば、全て無かった事として解放してやると、そして女はそれを受け入れた。
 後は簡単であった、撮影する場所を借り、機材と人員を揃える…そして、女をその場所へと連れ込んだのであった。


「誰か!誰でもいいから、助けてぇぇ――!!」
 その叫びに応じて登場する正義の味方は、この部屋の中に存在しない、存在するのは欲望のままに綾子の肉体を喰らうだけの男達だけであった。
 虚しい悲鳴が部屋の中に響く、抗い抵抗する綾子の身体を押さえつける男達の姿、押さえつけられた手足は動かせず、ただ引き裂かれて行く服を見る事しか出来ない、そして最初に引き剥がされたのは下半身だった。
 少しでも早く見たいと言う欲望の現われだろうか、それとも単なる偶然だろうか、引き剥がされ投げ捨てられるスカートとスキャンティ、そして剥き出しとなる下半身…
「いやぁぁ――!!」
 一瞬の空白のあとに響く綾子の抗いの悲鳴、それに後押しされるように男達は上半身へとその手を伸ばし、下半身同様に着ている服を引き裂くように脱がして行く、跳ね飛んだブラウスのボタンが散らばり、乳房を包み込んでいたブラジャーが引き千切られる、そして押し倒された状態でも形が崩れない乳房がむき出しとなり、男達の目に晒される。
 男達は自然と二組へと別れ綾子の肉体を犯し始める、上半身…乳房を中心として犯す連中、下半身…股間を中心に犯す連中に…
 上と下を何人もの男達の手によって、同時に犯され嬲られる一つの肉体…両の乳房へ何本もの手が伸ばされ乱暴に揉みあげ、その乳房を崩しながら傷つけて行く、下半身へと伸ばされた手は、恥毛を引き千切りながら、先を争うようにその恥毛に隠された部位へと伸ばされ、穴を探り出そうと蠢きあう、小さな突起が抓まれ皮を剥かれる、クパリと押し広げられ晒された孔へ指先が差し込まれる、皺を押し広げられた孔へも指が捻じ込まれて行く…
「ひっ!痛いぃ!ひぐぅんぁっ!」
 そして悲鳴を上げようとした口も、塞がれて嬲られて行く…男達の手が、綾子の肉体を散々に嬲り続けて行くが、それも何時しか止む、そしてグッタリとしている綾子の上に男が覆い被さってきた。
 順番は既に決めていたのであろう、争いも無く最初の男が綾子の上に覆い被さり、その肉体を犯し始める…一番手の男は、あの豪雨の時に綾子を犯した男だった。
「いやっ!お前なんか、いやぁぁ―――!!」
 叫ぶ綾子を、他の男にその手足を押さえつけさせながら、その男は綾子の肉体を丹念に犯し始める、散々に揉み解された乳房を再び揉みながら、乳首を吸い乳房へ歯を立てる、数日前に刻まれていた歯型の上に、新しい歯型が再度刻み込まれる、その傷痕から滲み出す血を舐めながら、下半身へと顔を動かし身体を舐めあげて行く
「ぐぅ!いやぁっ!やだっ…あぁぁ…やあぁぁ―――!!」
 押さえ込まれた身体は動かない、ただ男の蹂躙にその身体を任せるだけ…そして、その姿の全ては記録され続けている。
 身体を舐めあげる舌が、下半身へと降りて行き、荒らされた恥毛を掻き分け嬲られた場所へと伸ばされる…そこは、すでに湿り気をおび濡れていた。
 濡れていたと言っても、綾子が快感を感じたと言う訳ではない、事実はその逆である…鼻を擽られればくしゃみを出す、寒くなれば鳥肌が立つ、眩しければ眼を瞑る…およそ人が、その身を守る為に反射的に示す行動、綾子の股間が濡れたのもそれと同様の、自分の身を守るための反射的な身体の反応であった。
 乱暴に弄られ蹂躙される大切な部分、少しでもその乱暴な動きから身を守る為にと、身体から滲み出る体液…快感や快楽とは、一番遠い位置にある感情と反応から滲み出した液体と言えた。
 押し広げた指先に絡みつく濡れた感触、それを味わいながら男は自分の男根を、その濡れた場所へと添える。
「今日はコンドームなしだ、せいぜい孕まないように気をつけるんだな、もっとも俺の後にも順番待ちしてる奴が沢山いるから、いくら気をつけても無駄かもしれないがな」
 添えられた男根が、肉を割りながら差し込まれていく…ずぶずぶと言う感じで捻じ込まれて行く男根、その男根を受け入れて行く綾子の孔…
「いやっ!入れないで、入れちゃやだぁ!だめぇぇ――!!」
 自分の身体へと侵入してくる異物、それをどうしようもなく受け入れている自分の肉体、無理やりに濡れた状態へとされたせいで痛みこそ少ないが、逆それは激しい嫌悪を感じさせる。
「ほら、半分以上入ったぞ…やけにスムーズに入って行きやがる、ククク…そうだよな、三度目だもんな…ほら、もう少しで全部だ…」
「うっ!うぅっ!やだぁ――!!」
 綾子の孔へと男根の全てが飲み込まれる、そして男は突き込んだ男根を激しく動かし始める…激しく腰を振り押し付けながら、乳房を捏ねるように揉みあげ乳首を指先で嬲る、呻くような声を漏らし抗う綾子を身体の下に見下ろしながら、その肉体を存分に嬲り犯し欲望を満足させて行く
「ひっ!ひぃぃっ!ぐぅぎぃぃ!」
 突かれ蠢く囚われの肉体、その肉体を人としてではなく、欲望を処理するための肉人形として犯し続ける男の動き…揺れ動くベッドの軋みとひたすら耐え続ける綾子の悲痛な呻き声、そして低く欲望を満たす喜びを漏らす男の呻くような声…両の乳房を潰すように握り締め、密着させた股間から欲望を言って着も漏らすまいとするかの様にしながら、男はその欲望の全てを綾子の肉体へと放出した。
「あっ…やだ…もうやだぁぁ……」
 欲望の全てを放出した男は、それでも未練がましく乳房へとおいた手を揉み動かし、綾子に呻き声を出させ続けるが、やがて綾子を押さえつけている他の男達に向かって言う。
「おい、次の奴…いいぞ」
 そう言って、綾子の肉体からその身体をどける、そしてそれを待ちかねたように、今まで綾子の身体を押さえつけていた男の一人が、入れ代わりに綾子の身体の上へと覆い被さった。
 二人目の男は、そのまま一気に綾子の肉体を貫く、ヌプリとつきこまれた男根が、意外なほどスムーズに沈み込む
「あうっ!…やぁぁ…」
 激しい抵抗は無くなっている、それでも男根を突き込まれた瞬間に呻くような、抗いの声を出す綾子…その身体が二人目の男に蹂躙され犯されて行く、突き込まれ激しく突き上げられる肉体、再び揉まれる乳房…何時の間にか身体をさえつけていた他の男達も、凌辱に参加し始める。
「いやぁ…やめ、んぶっあっ!」
 繋がったままの状態で身体を持ち上げられる、そして別の孔へと男根が挿入される、抗いの声を出そうとした口も同様に突き込まれた男根で塞がれる、三つの孔に三本の男根が捻じ込まれ、一つの肉体を同時に三箇所から責め立て犯す。
 孔にあぶれた他の男達は、綾子の手を自分の男根へと触れさせて扱かせたり、髪の毛で男根を包み自慰に及ぶ奴もいる。
 一つの美しい身体に群がる欲望に満ちた男達の醜悪な姿、その醜悪な男達に犯され続ける綾子の姿が、余す事無く記録され続けていた。
 綾子の身体の内へ、そしてその外側へと、男達の欲望が次々に吐き出され、その身体を汚して行く…それでも、男達の欲望は止まる事を知らない…
 犬のように四つん這いにされたその尻が貫かれる、逆さにされながら口で奉仕をさせられ眼の孔を無知で嬲られる、その身体を紐で縛り上げられ吊るされた上で、性器に蝋燭を捻じ込まれ火を点けられる…常に複数の男が、綾子の身体を嬲り続け犯し続けた。


                             「 壊れた人形 」


 ベッドの上に人形が置かれている、それは壊れた…いや、壊された人形であった。
 表情は無く、虚ろなっている視線の先は何も見ていない、半開きになっている口から垂れている液、それと同じものが顔面にも付着している、そして身体…乳房を中心にしてつけられている傷痕…歯形、蒼痣、内出血の痕、爪により掻き傷…腕や身体に残されている縛り上げられたような痕、大きく押し広げられたままの両足と、その付け根の股間からは顔や口に付着しているのと同様に液体が付着し、あふれ出し続けている。
そして、その姿を丹念に、執拗なほど丁寧に写し撮って行くカメラ……
「よ〜し、撮影終了!」
 その言葉を合図にして、男達は動き始める、ベッドの上にいる綾子へと浴びせられていた照明が消される、カメラも手際良く仕舞われて行く、先程まで綾子を犯し続けていた男達は、笑いながら雑談をし始めベッドで横たわったままの綾子を指差し笑い合う。
 ただ一人、綾子だけが残される…そして、ベッドの上に横たわったままの綾子の唇が微かに蠢き、何かを言う。
「…お…かあ…さ…ん…」
 その言葉を聞いた者は、この場所に誰もいなかった…


 綾子が輪姦され凌辱されて行く姿を撮影した物は、すぐに裏DVDとして密かに売り出され、男達の予想した通りに大いに受けて大ヒットを記録する事になった。
 だが、それが致命傷となる、言うならば男達が予想したよりも遥かに人気が出て、売れ過ぎてしまったのである、多く売れればそれだけ多くの人間の眼に触れる事になり、その結果として警察などの公的な機関に目を点けられる確率は多くなる、それなりに考えて工夫したつもりであったのだろうが、結局は警察に男達は捕まってしまう。
 その結果として綾子が男達に輪姦されたと言う事実、そして過去に家に押し入られて母親もろとも強姦されたと言う事も、広く世間に知られてしまう事となった。
 しかも男達が脅迫し裏DVDとして売り出していたのは、綾子の輪姦凌辱DVDだけでなく、ほとんど同時に綾子の母親の輪姦凌辱DVDも売り出している事が判明する、その仕組みは簡単な事であった。
 母親の犯されている写真を見せられて、男の言うがままに従ってしまった綾子…同じ事が綾子の母にも行われたのである、綾子が犯されている写真を見せられ、同様に脅迫された末に男達のいのままに従った母…娘は母を大切に思い、母は娘を大切に思う…互いの相手を思いやる感情、それに男達の点け込んだ結果と言えた。

 そして綾子達の一家は、別の土地へと逃げ出すように引越しをせざる得なくなってしまった…


                             「 豪雨は止まず 」


 この町へ引っ越してきて半年以上の月日が経っている、誰も自分の事を知らない街での新しい生活…それにもようやくに慣れ始めたある日…朝方から降り始めた雨が強くなって来た放課後、家に帰ろうとしていた綾子は、クラスメートの男子生徒に呼び止められる、そして…
「これ、お前なんだろ?」
 その男子生徒が差し出したのは、数枚のプリンアウトされた画像…背後から男に貫かれて女性の姿、それは紛れも無く自分の姿であった。
 何も言わず、強張った表情でその画像を見詰める綾子に男子生徒は言う。
「ちょっと、俺に付き合ってくれないかな?先輩達が呼んでいるんだ、君に会いたいって…」
 男子生徒の手が綾子の肩に置かれる、すでに置かれた手を払いのける気力は無くなっていた…綾子はそのまま男子生徒に連れられて歩く…

 男子生徒に連れて行かれる途中で見えた外の景色、豪雨の如く降り続ける雨が綾子の眼の映る…そして、綾子の心の中にも、降り止む事のない豪雨が、延々と降り続く…何時果てるとも無く……



                                其の参〜「降り止まぬ豪雨…」 終わり



                                   【 豪雨乃刻 】・・・終く



                                              成人向け書庫へ戻る