僕と私と自分
『 僕 』
気がつけば、彼女の方へと僕の視線は、何時のまにか向けられていた。
長い髪をきっちりと三つ網にし、大きく丸いガリ勉メガネをかけ、そのメガネの下から少しきつそうな、だけどちょっと垂れ気味な大きな瞳で、まっすぐな視線で周りの人達を見ている。
髪には垂れてくる髪を押さえるピン止めをつけ、小柄な身体つきに対して大きめな制服を身にまとい、膝まである長めのスカートでパタパタと走り回っている姿……
(これは後で知った事なのだが、親は成長してもいい様にと大きめな制服を買ってきたそうだが、意に反して彼女は入学してからこっち、ほとんど背も伸びていなければ身体も発育せず、結果としてダフダフの制服を着続ける事になったと言う)
その姿が妙に気になり、僕は彼女の方へと視線を向け、何かもやもやとした事を考える時間が多かった。
果たして、この感情が何なのかと考え思案した結果、ようやくに感情の意味を理解する事が出来たのは、冬休みがあけた時分の事であった。
自分が彼女に対して抱いていた感情の正体は、どうやら肉欲に基く欲望であったらしい、最初は恋愛感情かとも思っていたが、それとは微妙に違っていた。
僕は、どうやら彼女の肉体を犯してみたいらしい、それは恋愛感情の延長線上に置いての感情ではなく、単なる肉欲の処理として欲求のようであり、彼女を自分の妄想の中で凌辱した後には、罪悪感よりは満足感のみが満ちている事からも確実であろう。
そう納得した時に、僕は学級写真から切り取った彼女の姿を見ながら、オナニーに耽るようになった。僕の妄想の中で、彼女を延々と犯し続け凌辱しまくる、学校の中で犯した事もある、教室…体育用具室…男子便所…学校の帰り道…公園の中…僕の部屋…そして、見た事も無いはずの彼女の部屋を想像しながら、その場所で彼女を犯す妄想をしながら、日に何度もオナニーに耽り自分の欲望を満足させた。
その妄想の中では、彼女は何時も必死になって抵抗を繰り返している、僕はそんな彼女の顔を殴りつけ、服を引き裂き剥き出しにした乳房(勿論それは、想像の産物なのだが)を揉んで、乳首に食いつき白い肌を傷つけながら凌辱する。
引き裂いて行く服の下から現れる彼女の裸体、それを想像しながらその裸体を繰り返し嬲る、そして両足を押し開き怒張した自分のペニスを、彼女の胎内へと突き込む、口の中に咥えさせた事もあれば、尻の穴へと捻じ込んだ事もある。
悲鳴をあげながら、僕に犯され続ける妄想の中の彼女……それだけで、僕は満足する事が出来た。
実際に彼女を襲い、本当に凌辱すると言う事も考えではなかったが、さすがにそこまでするだけの度胸……と言うよりは、冷静な損得勘定の末に止めて置く事にする。実際に彼女を襲って凌辱した結果、その事が世間にばれた場合を考えれば、恐ろしい結果しか思い浮かばない、それに現実に、その様な事をしたら彼女が、あまりのかわいそうに思えたからだ。
(彼女に対する感情は、肉欲のみだと思っていたが、実際には多少の恋愛感情があったのかもしれない……)
そんな妄想の中の彼女を凌辱する日々を贈っていた僕の元に、現実の彼女から手作りのチョコと〜「好きです……」のメッセージが書かれたカードが、下駄箱に置かれたのは、今年のバンレンタインデーの事であった。
そして、僕と彼女は付き合うようになる……進級、ゴールデンウィーク、夏休み、明けて二学期……僕と彼女は、ごく普通のカップルとして交際を続ける。
彼女に対して抱いていた肉欲が消滅したわけではない、しかし彼女と一緒に共有する時間の心地良さの方が、彼女に対して抱いていた肉欲よりも強くなってき始めており、現状で満足していたのだ……多少の不満を感じながらも……
すでに一部では、バカップルと僕と彼女は言われているらしいが、それを特に僕も彼女も気にはしていなかった。
だからクラス委員会の会議に出席する為(彼女はクラス委員をしていたりする)に遅くなる、彼女を放課後の教室で一人待っていたとしても、僕や彼女の友人たちが悪意の無い、ニヤニヤとして生暖かい笑顔を向けるのを平然と受け流しながら、彼女が来るのをひたすら待つ事に対して、苦痛も焦りも感じる事無く、もう少ししたら訪れるであろう彼女との一時を、楽しみにして待っていた。
時計を見る、会議は遅くとも四時頃には終了すると彼女は言っていたが、僕の時計は四時半を指し示している。会議が長引いているのだろうと思っていた僕だが、さすがに遅いなと思い、手持ちの携帯で彼女の携帯へと連絡を入れるが、数回の呼び出し音が鳴っただけで、彼女は携帯に出ることは無かった。
やはりまだ会議が続いているのであろうか?僕は会議が行われている会議室へと向かう事にする。その会議室は少し遠いと言うか、すでに使用しなくなっている旧校舎の一角に、臨時と言う形で置かれている。彼女の話では来年早々には新校舎へと移転するそうだが、何とも不便だと彼女が不平を漏らしていたのを思い出す。壊れそうなと言うよりは、半分位は壊れている渡り廊下を通り、旧校舎に置かれている会議室へと辿り着いたのは、すでに五時近くになっていた。
閉じあわされている会議室のドア、だが外側の方に鍵が掛けられていないという事は、まだクラス委員の会議は続いているのだろうか?
閉じられたままのドアに耳をあてて、内部の様子を探ってみるが、多数の人間がいる様なけはいは感じない、会議室のドアに手をかけて、ドアを開けようとした時に、不意に思い出す。
僕が以前に、彼女に対して繰り返し行なっていた妄想の一つを、それは彼女を凌辱する手段の想像、勿論それは想像であり妄想だったのだが、僕の性格が成せる業なのか、綿密な計画を立てた上で、彼女を襲う事をパターンを変えながら妄想していた。
そんな中での妄想の一つに、クラス委員会で遅くなった彼女を、この会議室で凌辱すると言うのがあり、それを急に思い出してしまったのだ。
それはあくまで想像であり妄想であったが、実際に脳内シミュレーションを繰り返した事であり、彼女を想像の中で犯した会議室が実際に目の前にあるいま、まさかと否定しながらも、完全に否定し切れない不安が胸の中に広がり始める。
人のけはいがしない会議室、ドアを開ける事が、何だか恐ろしくなって来る。迷った末にドアの隙間から中を覗き込む事にした僕が見る事になった光景、それは最悪の光景であった。
それは奇妙な光景であった……会議室の中で、彼女は僕が想像したのと、同じ様な感じで強姦されていた。
彼女を犯している人数は一人、誰なのか僕には分からないが、そいつは裸にされている彼女の上に覆いかぶさり、大きく押し広げた両足の間に身体を置き、腰を激しく動かしながら彼女を犯している。
それは、かつては僕が想像の中で彼女を犯していたの同じ様な構図であり、彼女の上に覆いかぶさりながら犯している男の姿……それは、まるで僕自身であり、僕が彼女を犯しているような錯覚すら覚えた。
よくよく耳を澄ませて内部の声を聞き取れば、半分泣いているような彼女の声と、荒い男の息が聞こえてくる。
『…やめ…お願い、彼だけには…お願い、言わないで……』
ドアを開け放とうとした僕の耳に聞こえて来た、彼女の悲痛な哀願の声……手の動きが止まる。このドアを開けて、彼女を助け出したとしたらどうなる?
男に犯されながらも、この事を僕に知られたくないと哀願し続ける彼女、そんな彼女の前の僕が現れたら……
ドアにかかっていた手が離れる、そして僕はドアの前から音を立てない様にして、その場を立ち去り待ち合わせ場所であった教室へと戻る。
そうだ、僕は何も知らないのだ……彼女が僕に知られたくなかった事など、何一つ知らず。
だから僕は教室で彼女を待ち続ける、何時もの様に彼女が笑顔を見せ、現れる事を想像しながら……
『 私 』
その視線を感じ始めたのは、何時頃だったかは覚えていない、気がついた時には、その視線を感じていた。
その視線は不思議だった。それほど強いと言うか、特別な感じなかったし、嫌な感じの視線でもない、だけど何故か気になって、その視線の持ち主を探している自分がいた。
そしてその視線の主を見つけだす事に成功する。その視線の持ち主は同級生の彼、何と言うか……クラスの中というよりは、学校内で変人として名が通っている人だ。
なんで彼は私の事を見ているのだろう?
私の事が、もしかして好きなのかも?と思ったが、それはすぐに否定してしまう……何故なら、私は私の事を一番良く知っているからだ。
癖毛を纏めておく為にキッチリと編み上げている三つ網、勉強のし過ぎ(その割には成績が良くないのが悲しい)で悪くなってしまった目には、大きく丸いガリ勉メガネがかかっている、その眼鏡の下にある目と言うか目つきは、友人が言うにはキツイそうだ(しかも少し垂れ目気味)これは目が悪いので、どうしても人と話をする時に、相手を良く見ようと覗き込む様にしてしまう為だ。
髪を止めているピン止めも実用本位、そしてかわいいと言う評判の学校の制服も、サイズが合わない事もあり、上手に着こなせずに、妙にチンチクリンな印象を見る人に与えまくっている。
ついでながら、この御面相と姿格好外見を見たクラスメイト達は、口々に…
『見るからに、クラス委員と言う感じなんだから、彼方がクラス委員をしてね!』
と言われた末に、文句を言ったら投票が行なわれ……見事、クラス委員に選出されたりしたのは、哀しい事かもしれない……
とにかく、そんな自分の事を好きになってくれる様な奇特な男性が居るとは思えない、それに彼は多少変人である事を除けば、かなりカッコイイと言うか、女性にモテルタイプに顔つきで、実際に憧れている人は多いと聞く……
自意識過剰だ。そう思っていたけど、相変わらずに彼に見られていると言う感じがし続ける、そして気がついたら、私の視線も彼の方を追いかけていた。
一学期が終わり、二学期となり冬休みに入り、三学期が始まる……そして、やってきたバレンタインデー!
駄目で元々と言うか、玉砕する事こそ恋の醍醐味(母の大変ありがたいアドバイスだったりする)と言う事で、意を決すると言うか、自分の思いに決着を付けると言うか、白黒付けとか無ければ夜眠れないと言うか……結構身勝手な決意から、私は彼にバレンタインチョコと告白の言葉を綴ったメッセージカードを下駄箱に入れた。
(開けた瞬間に、ライバルが結構いる事を知ったが、ここまで来たら不退転の決意だ!)
そして結果は、あっけないほど簡単に決着する。彼の下駄箱にチョコとカードを入れて、教室に入り待つまもなく現れた彼、チョコとカードを受け取って見てくれたかなと、不安に思いながらチラチラ彼の方を見ていたら、彼は真っ直ぐに私の方へと近寄ってくる。
思わず顔を机の上に伏せた私に向かって、彼は教室の皆に聞こえる位に大きな声で言った。
「僕も貴女の事が好きでした。これからよろしくおねがいします」
きちんと返事をしてくれたと言うか、私の思いに応えてくれたと言うか、告白を受け止めてくれたと言うか、素早い返事がありがたいと言うか、嬉しいと言うか……それらの事に感激しながらも、私が突っ伏していた机の上から顔を上げて、彼に最初に言った言葉と行動は……
「もうちょっと!雰囲気と場所を考えて返事しろぉぉーーー!!」
と言う悲鳴のような叫びと、彼の頭に対する手に持った鞄での痛恨の一撃だったりした。
それでも、この一幕で彼と私は、周囲から正式な恋人同士と認められたと言うか、そうならざる得ないという感じであった。
ついでに彼が変人の部類に属する人である事は、付き合いを始めた三日後には実感し、七日目には慣れてしまった。
それは、彼の変人振りが嫌悪感を与えるような物ではなかったからだが、友人に言わせるなら……
『惚れてしまえば、アバタもエクボ!』
と言う事だが、普通は男性が女性に対して使う言葉ではなかったかと文句を言えば、惚気るなと逆に頭をぶん殴られたりした。
そんなこんなので、私と彼は若干の行き違いや、すれ違い等を繰り返しながらも、互いを少しずつ分かりあえたと思う……たぶん?
「これで定例の会議を終わります」
クラス委員長が発した言葉により、私達は開放される……クラス委員の定例会議、押し付けられた結果だとしても、役目はきちんと果たさねばならない、たとえ彼と帰りの待ち合わせをしていたとしてもだ。
他のクラス委員が帰って行く中、私ともう一人のクラス委員が、会議室に居残り事後の清掃を開始する。
掃除と言っても簡単な物で、乱れた机を並べ直したり、床を軽く履いて集まったゴミを捨てる位、ものの10分とかから無い簡単な作業だ。
掃除用具をロッカーに仕舞いこんだのと同時に、ゴミを捨てに行っていた掃除当番のもう一人が戻って来て、これで掃除は完了だ。
後は会議室の鍵を閉めれば、全部終わりと言うことになる。
「ご苦労様でした」
ゴミ箱を床に置いた、もう一人の当番の相手に挨拶をした瞬間に、グルン!と天と地が逆様になったかと思うと、背中から床の上に叩きつけられる。
「ぐっ!」
息が一瞬とまり、苦痛が背中から全身に広がり声も出せない、何が起こったのか把握できずに、呻き声を出し横たわったまま、全身に広がり痛みに耐え、何とか状況を把握しようと努力するが、横たわったままの自分の体の上に、誰かが覆いかぶさってくるのを感じた。
「ぐぅぅ、なんなの……どいて……」
言い知れぬ不快感と、湧き上がって来る様な恐怖……出ない声を吐き出すようにし、喘ぎながら退いてくれるように頼んだが、覆いかぶさって来た影は、退く所か逆に体重を乗せて、私の動きを封じながら、着ている制服を脱がそうとし始めた。
「うっ!いやぁぁうぐっ!」
ようやくに出せた大きな声、だけどすぐに口へと何かが押し込まれてしまい、それ以上声を出す事が出来ない、そして着ている制服を次々に脱がされて行く、制服の上着が剥ぎ取られ、スカートをずり下ろされる。
ブラジャーは引き千切るように剥ぎ取られ、乱暴に放り出され布切れに変わり、それを更に口の中に捻じ込まれてしまう。
「ふっ!ぐぅふぐぅ!」
口の上にぺたりと貼られる粘着テープに様な物、両腕もそれで縛られて抵抗する事も出来なくなる、そして胸を痛い位に何回も強く握られた後に、胸の上を生暖かい感触が這い回り始める、ペチャペチャという音が聞こえた時、何をされているのかが分かる。生暖かい感触の正体……それは、胸を舐めている舌の感触だ。
「ふぐぅぅーー!!」
ゾワッ!と一気に鳥肌が沸き立つ、何とか胸を舐めている舌から逃げだそうと足掻くが、腕を縛り上げられ、身体を押さえ付けられたままでは、身体をじたばたともがかせる事位しか出来なず、逃げ出すことは不可能だった。
胸を舐めていた舌が、だんだんと下の方へと降りてくる、それに合わせるようにショーツが脱がされて行くのが分かる。
唯一自由になる両足をばたつかせ、覆い被さってる奴を蹴り上げようとするが、逆にショーツを脱がす手助けになる格好になってしまい、ばたつかせた足からショーツが抜き取られたのがわかった。
カッ!と顔が熱くなる、見られているのが分かる……ばたつかせた足を縮込め、あの部分を隠そうとしたが、両足は大きく広げられ、その間に入り込まれてしまう。
そして、両足の間に身体を入り込ませた奴は、自分のズボンを脱ぎ始めた。
「うっ!うぅぅぐぅぅーーー!」
口に詰め込まれている物のせいで、呻くような声しか出せない、それでも必死になって叫びつづける。助けて!と彼に向かって……聞こえる筈も無いのに……
その時に、突然に鞄の中に入れたままであった携帯の着メロが鳴り出す。直感と言うか、私には分かる彼からだと!
「んっ!んっぁあぁぁーーー!!」
それは意味の無い事だと分かったていたが、着メロを奏でている携帯が入れてある鞄に向かって、必死に呻くような助けを呼ぶ声を出す。
だが、当然のように着メロは暫く鳴った後、途切れてしまう。それはまるで、最後の望みが立たれてしまったように私は思えた。そして事実、そうであった。
すでにズボンを脱ぎ終わった奴が、剥き出しにした下半身を私の股間へと押し付けてくる、何かが大切な場所に触れると言うか、その部分を突付く様にしているのが分かる。
「んっんぁぁーーーんむぅうぅぅーーーー!!」
出せるだけの声を出し、動けるだけの動きをし、何とか逃れようと足掻きまくったが、それは全て無駄な努力だった。
何かが、自分の肉を引き裂きながら、身体の中に侵入して来るのが、激しい痛みと共に分かる。
「ふぐっぐぅあぁぁーーー!!」
塞がれている口や鼻の穴からも悲鳴が溢れ出す……それは痛みだけのせいではなかった。
何かがビクビクと蠢きながら、更に胎内の奥深くへと肉を引き裂きながら、減り込んで来るのを激しい苦痛の中で知り、そのえたいの知れない物が、胎内の一番大切な場所に汚い物を注ぎ込んで行くのを感じた。
身体を引き裂かれる様な痛みより、見知らぬ奴に犯されてしまったと言う、精神的な衝撃と悔しさ、そして哀しみの方が遥かに大きく、口を塞いでいた粘着テープが外され、口の中に詰められていた物を引き出された後も、すでに助けを呼ぶとか大きな声を出すという気にはならなかった。
そして、そんな状態の私を奴は再び犯し始める……
「うっ…いやぁぁ、もうやめてぇぇ……」
私が、ようやくに搾り出した哀願の言葉、それに対して奴は耳元に囁く様に言う。
「お前の彼氏に、この事を教えてやろうか?」
身体がビクン!と反応する、嫌だ……こんな事を彼に知られたくない、こんな目に遭ってしまったのを、知られるのは絶対に嫌だった。
「…やめ…お願い、彼だけには…お願い、言わないで……」
私は、出せるだけの声を振り絞りながら、自分を犯し続けている奴に哀願を繰り返し続ける。
その言葉に満足でもしたのかの様に、奴は私を更に犯し続けた末に、最後は口でペニスを綺麗にする様に命じる。私はその命令に従う……突き出された汚れているペニス、それを口にほおばり舌で舐めながら私は、彼に知られたくないと言う事だけを考えていた。
やがて奴が、身支度を整えて会議室から出て行く……あとに残された私が、辛うじて身繕いを終わらせ、会議室を出たのは何時だったのだろう?
気がついた時には、自分の部屋の中にいた……そして、考えていることは一つだけ……
明日……彼に対して、どの様な態度をとれば良いのだろうかと言う事……何も分からなかった。そして、何も考えたくなかった。答えなど出る筈も無い、明日と言う日が来なければいいと思いながら、私は眠りに落ちて行った……
『 自分 』
自分が、あの娘の事を好きになったのは偶然だった。
渡り廊下ですれ違った瞬間に、自分はあの娘の事が好きになっていた。
まるでダンスでもするように揺れる三つ網に、丸い眼鏡の中には性格を現したような、少しだけきつい眼差しと、その何倍もの優しさを秘めた瞳が輝いている。髪を止めているピン止めにすらドキドキしてしまい、サイズの合ってない制服も魅力的だと思ってしまう……自分は、そんなあの娘の横に居たかった。
あの娘が、クラス委員をしていることを知り、自分もクラス委員に立候補してしまう。クラスが違っていると言う事を、同じクラス委員になるという事で、少しでも自分とあの娘の距離を縮めたいと思ったからだ。
何とか彼女の横に居られる様にと、自分は必死に努力してがんばったが、今一歩が踏み出す勇気が出せずに、あの娘の横に居るという事が出来ない、そんな優柔不断な自分に待っていたのは、悲しい現実……そう、あの娘が選んだ人は、自分ではなく別の男性であった。
あの娘の横にいる事が出来なかった自分……そんな自分は、何時の間にか邪悪な感情に捕らわれだし、その邪悪な感情だけを考えるようになってしまった。
彼女の心を自分の物に出来なかったのなら、せめてその肉体だけでも自分の物に出来はしないかと言う邪悪な思い……それは、何時しか自分の生きる目標になってしまった。
偶然と言うよりは、そうなる様に自分が仕組んだ罠、定例のクラス委員会会議が終了した時に、会議室の後片付けをする為に残った自分とあの娘、これから自分が何をするかを知っていたなら、あの娘はどんな反応を見せるだろうか?
ゴミを投げに会議室を出て、すでに誰も会議室がある旧校舎にいない事を確かめながら、会議室へと戻ると、あの娘は警戒する様子も見せずに、掃除道具をロッカーにしまっている最中だった。
「ご苦労様でした」
掃除道具をしまい終わったあの娘が、自分に微笑みながら会釈をした瞬間、自分は彼女の腕を掴みあげて、クルン!と放り投げ床に背中から叩き落す。
「ぐっ!」
悲鳴と言うよりも、くぐもった呻き声を吐き出したあの娘が、叩きつけられた床で身体を痙攣させる様に蠢くあの娘の体の上に、自分は覆い被さった。
「ぐぅぅ、なんなの……どいて……」
呻く様な声を出しながら、どいてと頼んでくるあの娘の言葉を無視しながら、更に体重をかけ抵抗を抑え込みながら、あの娘が着ている制服へと手を伸ばし、自分はそれを脱がし始めた。
「うっ!いやぁぁうぐっ!」
あの娘は、ようやくに事態を察知したのだろう、自分に対して行われ様としている事が、一体何なのかと言う事を、あの娘の口から吐き出される悲鳴を封じる為に用意してきた布切れ、それを開け放たれた口へと押し込み、悲鳴を封じながらあの娘が身に着けている服を引き剥がす。
征服の上の部分を乱暴に引き剥がした下から現れる、白く飾り気の無い……だが、それ故に魅力的なブラジャー、引きずり下ろしたスカートの下から出てきたスキャンティーと御揃いだったのが、妙に興奮誘ってくれた。
そのブラジャーを、最初はきちんと外そうとしたが、どの様に外せばよいのか見当がつかずに、結局はそのブラジャーを引き千切る様にして剥ぎ取り、単なる布切れとなったブラジャーを、押し込んだ布切れを吐き出そうとしているあの娘の口に、追加して捻じ込んだ。
「ふっ!ぐぅふぐぅ!」
事前に用意してきた強力布テープで、布切れを押し込んだままの、あの娘の口を塞ぎ声を完全に押さえ込む、そして暴れる両腕も同様に布テープで縛り上げ抵抗を封じた。
あの娘の抵抗を完全に抑え込む事に成功する。下半身を隠すスキャンティーだけを残し、ほとんど裸にされ横たわり、自分の目の前に横たわっているこの娘……自分が、本当に欲しかったのは、この娘の肉体ではなく心だったのに、どうしてこんな事になったのか自分でも、すでに分からなくなり始めている。
だが湧き上がる欲望は、この娘の裸体に反応し硬くビクビクと蠢き、早く欲望を満足させろとせっついていた。
外見から見る小柄な身体つきから、想像する事が出来なかった膨らみのある乳房を、両の掌で何度も揉み上げ嬲る。小さく少し陥没していた乳首が、沸き立つように立ち上がり膨らんで来る、それを指の間で挟みながら強く、何度も乳房を弄ぶように揉む上げた末に、その嬲った乳房と乳首へと口を近づけ、舌を伸ばし乳房を舐め上げていく……最初は、舌から垂れる唾液を引き伸ばし、乳房に塗りつける様にしながら丹念にしゃぶり、充分に乳房の柔らかさを舌で楽しんだ後に、ペチャペチャと音を立てながら乳房を吸い、軽く歯を立てる。
「ふぐぅぅーー!!」
何をされているのか、それを理解したのだろうか、乳房を含めて全身に鳥肌が沸き立つのを感じる、そして一時は収まっていた抵抗が、再び激しくなって行くが、両腕を縛り上げた状態で、身体を完全に押さえ込まれていると言う状態では、かろうじて自由になる両足をばたつかせる位しか出来ないだろう。
身体を押さえ込みながら、乳房に這わせた舌を下の方へとおろして行く、そして舌の動きに合わせる様に、スキャンティーへと手をかけ、ゆっくりとずり下ろして行く、スキャンティーを脱がされていく事に気がついたのか、足のばたつかせ方が激しくなるが、逆にそのばたつきを利用する形で、スキャンティ−を完全に剥ぎ取ることに成功する。
完全にスキャンティーを剥ぎ取った瞬間、この娘の体が赤く染まり、今までばたつかせていた足を縮込め、剥き出しにされた部分を隠そうとしたが、自分は一足早く両足を大きく押し広げ、その押し広げた両足の間に身体を入れる。そして、自分が履いているズボンのファスナーを下ろし、ベルトを緩め……ズボンとトランクスを脱ぎ始めた。
「うっ!うぅぅぐぅぅーーー!」
ちょうどあのの娘の視線と言うか、目に自分が何をしているのかが、良く見える格好になっているので、ズボンとトランクスを脱いでいる自分の意図を察したのだろう。口に詰め込まれている物のせいで、呻くような声しか出せないようだが、それでも必死になって叫びつづけている。果たして何と言っているのか……想像することは簡単だ『助けて!』『やめて!』……そんな哀願の言葉だろう。もしかしたら、この場にいない誰かに向かって助けを求めているのかも知れない……
無駄な事をすると思いながら、剥き出しにしたペニスでこの娘を貫こうとした時に、突然に携帯の着メロが聞こえた。
音がした方を見れば、その場所にはこの娘の鞄が放り出されている。
「んっ!んっぁあぁぁーーー!!」
突然に抵抗と言うか、塞がれている口から吐き出される呻き声が大きくなる、まるで誰からかかってきた携帯なのか、それを知っているかのような反応だ。だが、その反応も着メロの音が消えると同時に、糸が切れた人形のように収まる。
この娘の全身が、一瞬脱力し弛緩する……そのチャンスを、自分は見逃すことは無かった。
すでに剥き出しに、挿入を待つだけとなっている勃起したペニス、それをこの娘の股間……誰にも触れさせた事が無いであろう部分へと、押し当てながら突付く様にして嬲る。
「んっんぁぁーーーんむぅうぅぅーーーー!!」
再び呻き声が大きくなり、抵抗の動きも激しくなるが、それを無視しながら体重をペニスに集中させ、この娘の体内へと突き込んだ。
「ふぐっぐぅあぁぁーーー!!」
塞がれた口、そして開ききっている鼻腔からも悲鳴が漏れ出す。
その悲鳴を聞きながら、自分は更にこの娘の胎内へとペニスを突きこみ、肉を切り裂き貪る快感を味わい続けた末に、自分とこの娘の限界まで胎内の奥深くに突き込んだペニスの欲望の全てを、吐き出し……出し切った。
染み込ませて行く自分の精液の迸り、ペニスを突き込んだこの娘の膣口からは、赤い物が垂れ落ちて来ており、これが初めての行為であると証明している。
あれほどあった抵抗も、悲鳴の声すらも消え去ったこの娘……口を塞いでいる布テープを剥ぎ取り、口の中に押し込めていた布切れを引き出した後も、新たな声を出すことも無く、ぐったりとその身体を弛緩させている。
自分は、そんな姿のこの娘に対して、欲望が再び湧き上がって来るのを押さえる事が出来ずに、その肉体に再び覆い被さり凌辱を再開し始める。
「うっ…いやぁぁ、もうやめてぇぇ……」
呻くような哀願の声、それを聞きながら自分の中に、ひどく残酷な感情がわきあがってくる……そして、自分は囁くように、この娘の耳元で言う。
「お前の彼氏に、この事を教えてやろうか?」
凌辱を開始して、初めかけた言葉であった。
言った瞬間に、この娘の肉体がビクン!と反応する、そして涙に濡れている瞳を自分の方へと向けながら、絞り出すような声で懇願した。
「…やめ…お願い、彼だけには…お願い、言わないで……」
その言葉を聴いた瞬間、自分の中にあったこの娘に対する、感情の最後一つが砕け散り、この娘の肉体を汚し……犯し続ける事だけが頭の中で一杯になる。
自分は、この娘を犯し続けた……胎内の奥に射精を繰り返した末に、最後の後始末にと、自分の精液とこの娘の破瓜の血、それらの物で汚れたペニスを、口を使って綺麗にする様にと命じる。
命じられた、この娘はそれに従う……涙を流しながら、突き出され汚れているペニスを舌で舐め、口の中にほおばり汚れを舐めとり続けた。
横たわったままの、この娘を見ながらトランクスを履き、ズボンを身に着ける。そして、会議室から出て行く……
特に何か口止めをすると言う事はしない、この事が皆に知られたのなら、知られれば良いとも思っている……自分は満足したのだから、この娘の横に居られないと言う自分の欲望を、この娘を犯すと言う別の欲望で満たす事が出来たのだ。
そう思い満足しようとしながらも、満足する事が出来ない自分が存在している……自分が、したかったのは本当にこれだったのか?
自分が無理やりに出し、そして引き起こした行動……それに満足しながらも、満足し切れない部分を感じてしまう。
ならば簡単だ……本当に満足するまでこの娘を犯し続ければいい……何度でも、何回でも……・本当に満足するまで……
気がつけば自分は笑っていた……そして笑いながら、何故か泣いてもいた……
『 三人 』
僕は何も知らないままで過ごす……私は彼に知られないまま過ごす……自分はあの娘を犯し続ける……
三人はそれぞれに、知り……知らず……求め……月日だけが過ぎ去り、やがて破局を向ける事になる。
だが、それはもう少し先の事であった。
おわり?
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