『 ボンバー弾 』著・神矢みのる

今回の紹介作品は、少年チャンピオン誌上で連載されました学園バトル漫画「ボンバー弾」でございます。
ちなみに作者は【神矢みのる】氏でデビュー作はパワードスーツが活躍するSFアクション作品で、SF的な作品に大いに期待しておりました。

内容は、名門進学校・聖フェードラ学院高校!(なんか凄い名前の学校ですね)に転入してきた野生児!金剛士弾(こんごうじ・だん)が引き起こす騒動を中心に物語が展開していくのですが、当初の敵役として登場する面々が、今ひとつ個性が無くてイメージが弱い、ホッケーマスクを被り制服の中に防具を着込んで学園の風紀を守り、生徒達を監視する親衛隊(センチュリアンと言う呼び名です)とか辺りは、まだよいのですが、敵対する最高評議会(生徒会のの様なもんでしょうね)面々が、学園漫画によく登場するキャラクターしか出てこない、筋肉達磨のパワー系、策謀家タイプに嫌味系…それらは、パターンどおりに失敗を繰り返した末に、逆に弾達が団結して学園の支配者である最高評議会に戦いを挑んでくる、そして外部からの応援もあって、最高評議会のメンバーを妥当する事に成功!
ここら辺りまでは、よくある展開なのですが、この後の展開が狂ってきます。
主人公の金剛士弾が、この学院に転校して来た真の目的は、幼馴染の少女が寄越した一通の手紙…それを読んだ弾は、少女を助けるために学院に単身転校して来たのだ!(漢だぜ!)
ちなみにこの幼馴染の少女の正体は、最高評議会の総長・立花明日香(本名は立花麻衣)で、男装をしており、弾は全然気がついていませんでした!
んで、麻衣が男装して総長をしていた理由は…ちょいと、頭がクラクラして来るような怒涛の展開となり、語られます。
…中世ヨーロッパに存在した聖堂騎士団(テンプルナイツ)は、邪教の集団と言う事実無根の疑いをかけられて、時の国王に狙われて、異端として宗教裁判の末に騎士団は壊滅!
しかし、呪術・暗殺を司っていた『影』の部分は、追及を逃れて歴史の裏に潜み続け670年の長き時代を経て、疑いをかけられた邪教信バフォメットをみずから名乗り蘇った。
そして各国の若者達の力を結集して再び世界に君臨するため、団員養成の為に聖フィードラ学院を創立した、その名も『亡霊騎士団バフォメット』…
んで、その事実を知った(何で知ったかは一切語られえません)立花家は、代々バフォメットと闘い続けて、麻衣の両親も日本進出をたくらむバフォメット団を食い止める事に成功し、聖フェードラ学院を手中に収めたもの、相打ちになり死亡(いったいどういう状況で死亡したかは語られず)亡き両親の志を継ぐために麻衣は男装をして飛鳥と言う名を名乗り、バフォメットの魔手から学院と日本を守り続けていた…そうです。
(でも、学院を建てたのがバフォメット団で、その経営権と言うか横取りしたのが立花家とした場合、どちらが悪党なのかわからなくなりますが、深く考えてはいけません)
ちなみに最高評議会のメンバーの内、総長補佐・参謀と副総長と評議会議長の3人は、密かに潜入していたバフォメットのメンバーでした。
(主要メンバー6人中、3人も潜入されていた日にゃ学院を守れる筈もないですが)
そして始まる闘いの第二幕…
味方になった最高評議会の残存勢力と親衛隊の隊長と一部の学院生徒と弾達vs学院に入り込んだバフォメット騎士団との闘いが始まります。
ちなみにバフォメット騎士団の衣装と言うか外見は、中世の騎士のような井出達で完全武装状態、一人一人の戦闘力はかなり高そうです。(でも基本的は雑魚扱い)
んで始まる決戦!
弾達は奮闘するものの、多勢に無勢…ジリジリよ押されていく弾達、ついに生き残ったのは弾と親衛隊長の二人だけ、絶体絶命のその時に監禁されていた場所から脱出してきた総長の立花明日香(麻衣)の声が響く!
その声に勇気を奮い起こされた一般生徒達が立ち上がり、バフォメット弾に立ち向かい形勢は逆転!
不利を悟り、弾達を校舎内に誘い込んでった叩き潰そうとするが、逆に壊滅させられてしまい、親玉の司令(コマンダトール)と弾と一対一の戦いを始まり、苦戦の末に弾は親玉を粉砕するが、この親玉さん…悪役の常套台詞(勝ったと思うな!我々は不滅だ!侵攻してるのは此処だけではない!地獄で会う日を待ってる…など)延々と喋った末に飛び降り自殺!
ついでに麻衣嬢も敵の幹部【女性】と一対一で闘い勝利を収めるのですが、その相手の女幹部の姿が他の連中と全然違って、露出部分が異様に多い女忍者風と言うかレオタードな衣装…サービスか?

こうして学院は、無事に解放され、麻衣の唇を奪って、次の闘いと言うかバフォメット騎士団の陰謀を粉砕し、まだ見ないバフォメット騎士団の総長(マジスター)グールを倒すために(何時の間にか、弾の目的が変更されているが、深く考えてはいけない)学園を去っていく弾と、そのあとを追いかけて寄り添うように歩く麻衣…
『長い……果てしなく長い、つらい旅の始まりだな……』
と、麻衣が最後に言っておりますが…連載を打ち切られた神矢みのる氏の心情を語っていると考えるのは、私の考えすぎでしょうか?

ちなみに、神矢みのる氏はこの後に『ジンージン』と言うギャグ漫画を連載した後に、牛次郎氏と組んで『プラレス三四朗』でヒットを飛ばします。
(ちなみにプラレス三四朗は、続編が何作か描かれていますが、自分が一番印象に残っているのは、相撲版のやつですね)

バフォメット騎士団の皆様です
なかなかに凛々しい御姿です
が、雑魚扱いでした。

ちなみに覆面の中はこんな
感じですね

なぜか女性の騎士団員は
ニンジャコスチュームらし
い、素晴らしき東洋文化と
西洋文化の合体なのかも
知れません

主役の「金剛士弾」でございます。
初期設定では頭部と腕のバンドは怒
りに震えた時にバチン!と弾け跳ぶ
らしかったが、後半は通常の時も着
けなくなりました。

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