ようこそ幽玄復讐社へ!
依頼者と茶封筒
ドアを開けた先には、一人の男が頭を深々と下げ待っていた。
「いや〜ようこそ、いらっしゃいまっせ〜」
クルン! と言う感じで持ち上げた顔には満面の笑み、そして俺へと差し出される椅子……妙に軽薄で陽気な声に誘われる様に、俺は差し出された椅子へと腰掛ける。そして入れ違いの様に差し出された男の手へと、懐から取り出した茶封筒を手渡した。
「それでは失礼でございますが、内容を確認をさせて頂きます」
茶封筒を受け取るなり男は、茶封筒の封を開き中に入っている金額をパラパラと確かめる。
熱心に茶封筒の中身を確認する男……そんな男の姿を見ながら、俺は本題を切り出す。
「これで約束どおりに、俺の復讐はしてくれるんだろうな」
茶封筒の中の金額を確かめた相手は、これまた陽気で妙に馴れ馴れしい笑顔を俺に見せながら言う。
「はい、こうして前金として100万円と言う現金を用意して頂けました限りは、確実に御依頼になりました復讐は実行させて頂きますですよ、はい!」
復讐と言う陰湿な依頼を受けるにしては、やたらと明るいと言うか陽気な態度に対して、俺は不信感が募ってくるのを抑え切れなくなってくる。
そんな俺の不信感に気がついたのか、相手は少しだけ考えるような表情を見せると、ポン! と手を打って喋り出す。
「信用できない…そんな表情ですね。いいでしょう! 特別に良い物をお見せいたしましょう。これを見たなら御客様が不振に感じられております事が、すぐにでも解消できる筈です」
そう言いながら相手は、懐から四角い箱状のものを取り出し、それを何やら操作しだす……そして、その操作に合わせる様に壁の一部が開き、そのあいた壁の中からかなり大きなモニターが出現した。
ペコペコと四角い箱、多分リモコン装置なのだろう、それを操作しだすとモニターに電源が入り、画面が白くなる。
「これはですね、御客様同様に痛い目にあった方達が、御客様同様に復讐を私どもに御依頼して頂き、その結果を御知らせするために製作致しましたモノでございます。本来なら、御依頼を頂いた御客様以外には御見せしないのですが、貴方様の御不振を取り除くためと言う事で、特別に御見せする事にさせて頂きます…」
更にリモコンのスイッチが押され、白い画面に画像が浮き出してくる……その白い画面の中に映し出されたのは、まだ若い少女の姿であった。
犬
彼女が、援助交際を行なうようになった理由を挙げるとするなら、その目的はお金であった。
洋服…化粧品…アクセサリー…飲食代…彼氏へのプレゼント…お金は幾らあっても足りない状態であり、当初は両親から貰う小遣いや自給ン百円のバイトで何とかしていたが、すぐに追着かなくなる、だったら我慢をすれば良いのだろうが、それも嫌だった。
結果として、一番手っ取り早く楽な方法へと流れて行くのは、必然と言えた。
やがて彼女は、援助交際の経験値を、どんどんと貯めて行く…そしてずるく賢くなって行ったのは、自然な事かも知れない
援助交際を頻繁にする様になれば、自然とそちら方面の仲間も増えて来る、そしてそれらの仲間と組んで、鼻の下を伸ばしながら現れた奴を脅迫し、お金だけを奪い取った上で暴行を加え、更にはこの事をネタにして脅迫し金を脅し取るようになるのに、時間はかからなかった。
これらの事を、彼女に言わせれば…
「スケベ心を起こして、のこのこ現れる奴の方が馬鹿だ!」
と言う事であり、実際にそうなのかも知れないが、騙された上に暴行を受け金を毟り取られ、その後もこの事を脅迫のネタとして金を揺すり取られた末に、家族や会社にこの事をばらされ(彼女達にとっては、深い意味も無く単なる遊びの延長線上の事なのだが)何もかも失った男にとっては、彼女に対して凶悪なまでの復讐心を持つのは当然の事であったろう。
そうして彼女は、そんな男の一人から復讐を依頼された者達によって、酷い目に合わされる事になったのは、ある意味自業自得であったのかも知れない……
とにかく家に帰りさえすれば両親は文句を言わなかった。
放任主義と言う名の無責任さの結果と言えたが、私にとっては都合の良い事であり、文句を言う事ではない、だから私は面倒臭さを感じながらも、義務を果たすために自宅へと夜の道を歩いていた。
あと少しで家に着くと言う道の端っこに車が一台停止しているのに気がつく、虫の報せと言うか…何となく、その車に対して警戒感が引き起こされる。
「ふむ…」
割と自分は感が良い方だ、この場合はその感に従った方が言いと思う。
少し遠回りになるが、クルリと回れ右をして家に変える道筋を変える、そして停まっている車から足早に離れ、スタスタと別の道順で家へと向った。
時間にして約5分の遠回り…考えすぎだと思いながらも、辿り着いた家のドアに手を伸ばそうとした瞬間に、首筋にチクリとした痛みを感じる、驚いて首筋へと伸ばして…だが、足の力がカクン!と抜け、その場に崩れ落ちそうになる。
暗くなって行く視界、その片隅に見えたのは見知らぬ男の姿だった……
「ん…あれ?」
彼女が目を覚ました時、周囲は暗闇に包まれていた。
目をパチパチさせながら、顔へと持って行こうとした手が途中でガクン!と止まる。
「へっ?」
顔へと持って行こうとした手が途中までしか動かせない、同様に足の方もそれほど動かせない、身体の方は何とか動かせるが手足が自由にならないので、立ち上がる事が出来ずに、足掻く事しか出来ない、そして何よりも異常なのは、服を着ているという感触がなかったのである…
「ちょっ! 何よこれ!」
そう叫んだ瞬間に明かりが点く、明るい照明の中で彼女は自分がどの様な姿になっているのかを知った。
「なっ!なんなのよ、やだぁぁ―――!!」
下着だけと言う姿であった…上と下、ブラジャーとパンティーだけと言う姿で、両手と両足を固定され、立ち上がろうとして足掻いている姿は、ちょうど四つん這いになった格好となっている。
混乱する頭で周囲を改めて見渡すと、正面に足が見える、そしてその足を辿る様に見上げた先には、自分を見下ろす男の姿があった。
「なに見てんのよ、解きなさいよ!早くほどいてよ!」
喚き散らす少女を見ながら、男は手を上げて何か合図をする、その合図が何の合図であったのかを少女はすぐに知る事になった。
「あひっ!」
四つん這いになっている自分の上に何かが圧し掛かってくる、最初は何が乗っかって来たのか判らなかったが、荒い呻き声と毛むくじゃらの前足が眼前に突き出された時に、彼女は圧し掛かってきたものの正体を知る…そして吐き出すような悲鳴を張り上げた。
「いやぁぁ―――!!」
ヴァフヴァフと言うくぐもった様な声、そして肩に乗せられ眼前に突き出されている前足の形、それに背中に感じる毛皮の感触…彼女は知る、自分の背中に圧し掛かってきて居るのが、巨大な犬であると言う事に…
その犬種を特定するのならドーベルマンと呼ばれる種類の犬であった、元々は軍用犬として作り上げられた犬種であり、高い知能と主人に対する絶対的な服従心を持つ犬種でもあるが、少女にとってその様な犬の種類などは関係なかった、ただ大型の黒犬が自分の上に覆い被さってきている事しか理解できないでいた。
「いやぁっ!どいて、どかせてぇぇ―――!!」
自分の背中で蠢く犬、最初は何をしているのか解らなかった、だが下着越しに押し付けられてくる異物の感触、その正体を理解した時に少女は悟った。
「ひっ!ひいやぁ!犬に、犬なんかに!いやよぉ――――!」
下着越しに押し付けられてくる異物の正体は、怒張した犬のペニスである事に少女は気がつく、そしてガフガフと呻きながら身体を押し付けてくる犬の目的を悟る…この犬は私を犯そうとしていると言う事を……
犬のペニスと少女の秘所を遮っているのは、布切れが一枚だけであり、その布切れも激しく擦り付けられる犬のペニスの前に、引き伸ばされ秘所の内部へとめり込み始めている。「あっ!ああぁぁ…やだぁぁ―――!!」
逃げようと足掻いても手足を固定された状態では逃げられず、背中に覆い被さっている犬を何とかしようとしても、威嚇するような犬の唸り声の前に身体が竦み上がり、どうする事も出来ない、ただ布越しに減り込んでくる犬のペニスの感触を受け止めるだけしか出来ず、また犬のペニスによって引き伸ばされた布も限界に達していた。
そして、ビリッ!…と言う、布地が裂けるような音がする。
「あひぃつ!」
何が裂ける音なのか、それを理解した少女は叫ぶように、目の前にいる男に哀願する。
「いやぁ、たすけてぇ!御願い、何でも言う事聞くから、助けてぇ!助けてぇぇ――!!」
男は表情すら変える事無く、犬に犯されている少女を見るだけであった…そして…
「あぎぃぃあぁぁひうぁぁ――――!!」
布地によって完全挿入を妨げられていた犬のペニスが、布地を引き裂き一気に少女の胎内へとペニスを埋め込んだ、20センチはある怒張した犬のペニスが少女の胎内へと潜り込み、更に膣内で大きく膨らみ先端が傘のように開き、しっかりとペニスを固定する。
「あがぁあぁ!えぐひぃぃあぁぁ―――!!」
犬の感極まったような呻き声と、これもまた人間の出しているとは思えないような少女の呻き声、それが重なり合いながら奇妙な音が満ちて広がって行く…
背中に覆い被さりながら腰を激しく突き動かす犬、そしてガクガクと身体を揺らしながらそれを受け入れる少女…すでに少女の手足を固定していた固定具は解き放たれている、犬を背中に乗せながら這い回る少女、だが本番はこれからであった。
犬が少女の背中から降りる、交尾が終ったわけではない、犬のペニスは少女の秘所へと深々と突き刺さったままである、グルリと犬が方向を変える…ちょうど尻と尻をつき合わせるような格好となった少女と犬、当然繋がったままの状態であった。
「いひぃ!ひぃあぁぁ――――!」
繋がったままの状態で犬が歩き出す。それに引きずられる格好で四つん這いのまま、後へと後退りながら引きまわされる少女…擦り切れた膝から血を流し、呻きながらも犬の動くままに這いずるその姿は、哀れと言うよりも滑稽であり、見ている者たちの失笑を誘い、実際に周囲の男達は笑い声を抑える事が無かった。
結末
早朝…新聞を取りに玄関へと出てきた男は、奇妙な物を見た。
交尾の体勢というのか、股間が繋がったままの状態で歩くというか這って行く、犬と少女と言う組み合わせ…それが目の前を通り過ぎて行く、犬に引っ張られて後ろ向きのまま這って行く少女の姿、すでに少女の表情は正気で無い事が一目でわかった。
「あっ…ああぁぁ…ひぃくぅ…」
呻くような喘ぐような声を出しなら通り過ぎて行く少女、それを呆然と見送る男が正気に戻り、警察へと連絡し保護された時には、その姿を見たり写真に取った人間が何人もおり、結果として少女の素性の全てが晒される事となり、犬と交尾をした女と言うレッテルが、少女の上に見事なまでに貼り付けられる事となり、これ以降の少女の人生は汚辱に満ちた物となり、永遠に逃れる事が出来ない残酷な運命のみが続く事となって行った。
「如何だったでしょうか?」
パチン! と今まで写されていた画像が途切れ、それと入れ違いに俺の方を振り向いた男は、相変わらずの満面の笑みを浮かべながら聞いてくる。
「よろしく頼む」
俺の応えに満足したのか、男は陽気な声色を一層軽やかにしながら言う。
「そうでしょうとも、お客様が満足する仕事! それが我が【幽玄復讐社】のモットーでございます。それではお受け致しました仕事の経過は、後日連絡を致しますので、その時は残金である残り50万円を、是非によろしくお願い致します」
そして再び男は、深々と頭を下げた……
おわり
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