放課後のモデル


                               【 出会い 】


彼女と出会ったのは偶然であったが、僕にとっては必然であり、運命と言う名の下に予め決められていた事だと確信した。
だから僕は、彼女をモデルにする事に決めた……

 某市にある産業系の私立高校、その芸術科アートデザインクラスに講師として招かれ、月に数回の講義をしている時に僕は彼女を見つけ出した…見つけ出してしまった。
 僕の、自分でも退屈であろうと思っている講義を真剣な眼差し(かけている大きな眼鏡の奥から本当に一生懸命に)で見て、質問をして聞いてくる姿…その姿が何となく面白く感じ、講義が終了した後に、少しだけ話をするようになる、その平凡と言う言葉が一番に合うであろう少女の名前は、山口如月と言った。
 会話をしている最中に、彼女の周囲にいる友人達とのやり取りなどを聞きながら感じたのは、この少女がかなり天然な娘であると言う事だろうか?
 本人は至って真剣で真面目なのだろうが、微妙に天然が入っていて行動様式が面白い、見ていると思わず笑ってしまいそうになる、そして現実に笑ってしまった。
「先生、ひどいです」
 抗議と言うか、拗ねた様な口調も愛嬌と言うか、見ていて楽しくなってくる。
そして、僕は考えていた頼み事を切り出した。
「絵のモデルになってくれない?」
と言う頼みを…
 少し驚いたような表情で、最初は断ろうとしていた彼女であったが、周囲の友達の言葉と、僕の提示した交換条件…その代わりにデザインなどについて、知りたい事や興味がある事について、アドバイスをしてあげると言う事と、彼女がたまたま拾ってきた子猫を僕が引き取る、それを条件に週に1〜2回という事で了承してくれた。
 この時には、僕は単純に彼女をモデルにして絵を描きたかっただけであり、今のような考えは無かった…無かった筈であった。

 モデルといっても、ヌードモデルとかでは当然の様に違う、着衣ででのモデルであり、椅子に腰掛けてのポーズや日常のふとした動作の一コマを取ってもらう事もある、その他にも身体の部位…手や足などの動きをクロッキーする事もある、僕のポーズの注文に彼女は、緊張したり楽しんだりしながらモデルになってくれる、時には彼女の友人達も加わってと言う事もあった。
(ただ、その様な時は、僕の薄い財布から彼女達が放課後に立ち寄る喫茶店で飲食する、パフェや飲物と同じ金額が消える事になるのだが…これは、仕方が無い事であろう)
 とにかく僕は、キャンパスに彼女の姿を描き写して行く、少しでも彼女に感じたモノをキャンパスに封じ込めようと努力しながら、にこやかな微笑みとはにかんだような表情、ほんのりと紅く染まっている頬と濡れた様な唇の紅、眼鏡の奥から興味深そうに彼女を描いている姿を見ている瞳、そして何かの拍子に揺れ動くポニーテイルしている髪ですら、元気と言うか精気に満ちており魅力と優しさを感じさせる、彼女の一挙一動に創作意欲を刺激してくれるモノが満ちていた。
それらを僕は、拙い技量の中で必死にキャンパスへと描き写していく…彼女は清楚であり魅力に満ち溢れ美しかった。

 週に1〜2回と言うペースで、彼女をモデルにして、その姿を描き出す様になって、僕と彼女の間柄が少しずつ縮まり出して行く事に気がつく、最初はどちらの方が望み、その望みに応えたのか記憶は定かでは無いが、何時の間にか僕と彼女は、放課後の学校で口付けを交わす仲となっていた。
 ただし、二人の関係はそこまでであり、それ以上の進展は無い…生徒と教師(臨時の講師だとしても)と言う間柄が、微妙に作用したのかも知れない、それに僕と彼女の二人はこの間柄で満足していた…少なくとも、彼女の方は……
 彼女は笑う、屈託の無い愛情だけを顔に浮かべ、僕の全てを信頼し、自分の全てを預けるかのように、僕はその笑顔が好きであった…だが、その笑顔の裏にあるだろう別の顔を見たくて堪らなくなってきていた。
 彼女は、どの様な表情で泣くのだろうか?絶望の時、彼女はどの様な表情を見せるのだろうか?怒る時は?叫ぶ時は?…僕は、そんな彼女の表情を、清楚であり、美しく汚れの無い彼女が、汚されながら汚泥の底に沈みこんでいく姿を、それは馬鹿げた願望であり、最低の欲望である事は理解していた、だが理性で理解しながらも、抑えがたい本能に基づく欲望は、それを実行しろと僕に命じ続けた…そして僕はそれを実行した…


                          【 創作意欲 】


 放課後の教室で、何時もの様にキャンパスへと彼女の姿を描き写して行く、何時もと変わらない日常の日々…
「それじゃ、今度は…明後日いいかな?」
「はい、いいですよ」
 僕の言葉に彼女は頷く、そして今日描いた僕の絵を見ながら言う。
「…なにかしら……?」
「えっ?」
 彼女の言い分では、なんか何時も描いてもらっている自分の姿とは、少し感じが違うと言うのであった。
「そうかな、僕には判らないけど…」
 曖昧な言葉で誤魔化しながら、僕は彼女を学校の玄関先まで送り出す。
「暗くなってきてるし、なんなら家まで送ろうか?」
「あは、心配してくれてありがとうございます、でも大丈夫です!それじゃ」
 彼女は笑顔を浮かべ、手を振りながら自分の家へと向う、何時もなら待ち合わせをしている筈の友人達も今日はいない、だから今日と言う日を僕は選んだのだ…彼女の姿が、小さくなる、そして校門を出る直前に振り返って、僕の方へと手を振る…この先に何があるかを知らずに…

 暗くなっては来ているが夜道と言うほどの時間ではない、だからある意味油断のような物があったと言える、背後から走ってくるワゴン車に対しての警戒感など如月は持っていなかった。
 だから、自分の横でそのワゴン車が止まり、横開きのドアが開かれて、数本の腕が自分の腕や身体に絡みつき、車の中へと引き込まれた時も何が起こったのかを把握する事が出来なかった。ようやくに何が自分の身に起こったかを理解したのは、車の中で男達に身体を嬲られ始めた時であり、すでに完全に手遅れとなった時であった。

 車は30分近く走り続ける、その間に如月の身体は嬲られ続けたと言ってよい、制服の上から胸を触られ、スカートが捲り上げられて、剥き出しとなった下着の上から股間を嬲られる、服の間に滑り込んだ手が肌を触る、舌が眼鏡の上を舐め顔を舐り上げながら、柔らかな唇を舌先で嬲る、延々と続く嬲りの時間……だが、男達は如月を嬲りながらも最後の一線は越えようとはしなかった。
「いやっ!やめて下さい、お願いします…いやぁぁーーー!」
 悲鳴をあげ、男達の腕の中か逃れようと足掻き続けるが、男達にとってそれは抵抗にはならない、その足掻く姿や動きが逆に昂ぶりを覚えさせるだけであり、さらに身体中へとてを這い回らせ、その身体を入念に嬲り続けた。

 走り続けた車が止まったのは、何処とも知れない場所に建てられているプレハブ小屋の前であった。
 車のドアが開かれ、引き摺り出された如月が、プレハブ小屋の中へと連れ込まれる、男達が手探りで照明のスイッチを入れると、意外なほどの明るい光が小屋の内部を満たし、小屋の内部を浮き上がらせる、板張りの床に敷かれている筵の上に置かれている薄汚い布団が一つ、その布団の上に彼女は放りだされた。
「うっ!」
 すぐに起き上り、逃げ出そうとした如月の上に男達が襲いかかる。
「いやっ!やめて、やめて下さい、誰か!だれかぁぁ―――!」
 泣き叫び、助けを求める悲鳴を張り上げるが、当然のように助けなどは現れるはずも無く、押し倒され服を引き裂かれて行く、そして剥き出しとなって行く肉体を男達に嬲り犯されて行った。
 結んでいたポニーテールが解け、長くしなやかな髪が振り乱れ泥に汚れる、殴打された顔に痣が浮かび上がり、眼鏡が吹き飛び歪み割れる、抜き取られたスカーフで両手を縛りあげられ抵抗を封じられ、ブラジャーが悲鳴のような音を立て引き千切られ、露となった乳房へ手が伸び、指先を減り込ませながら爪痕を刻み込まれ押し潰すように揉まれる、そして膨らんで来る小さな乳首を吸われ噛み上げられる、哀願と助けを求める悲鳴を口から吐き出すが、次の瞬間には、その悲鳴も口に捻じ込まれた男根で塞がれ、くぐもった呻き声だけが漏れ出す事になった。
 下半身の方へと凌辱は進んで行く、手や舌先が身体を嬲り、臍の穴を指で押し広げられ、そこへ舌先が潜り込んで臍の穴を念入りに舐り続け、涎を擦り込まれて行く、柔らかな腹部へも噛痕が刻まれ、同様に柔らかな尻も噛まれ血が滲み出し、その滲み出した血を舐め上げながら尻の穴へも、舌が捻じ込まれ尻の穴を穿るように嬲る、柔らかに生え始めている股間の茂みすら、引き毟られ吹き飛ばされた恥毛がパラパラと周囲に散ばり、それを見た男達は笑い囃し立て言葉で嬲る、如月の苦痛と屈辱に見開かれた瞳から溢れ出した涙が、顔を濡らしながら伝い落ちて行く……

 股裂きのように両方の足を掴まれ、限界まで両足が押し開かれる。
「いぎぃぃ――!!」
精液に塗れた顔で悲鳴を張り上げる如月、大きく広げられ両足の間に男が覆いかぶさって行く…
「ぐぅ…いやっぁぁ…やあぁぁーーー!」
 彼女の涙…男の唾液…男の精液…それらの汁に塗れた顔で、彼女は叫ぶ…そして……
「ひっ!ひぃぎぃぁぁうぅあぁっーーー!!」
 身体を貫く激しい痛み、口から悲鳴が吐き出され、その吐き出された悲鳴が、息の続く限り吐き出される、そして悲鳴を張り上げる為だけに息を吸い込み、再び悲鳴を出し続ける……
 その悲鳴にあわせるかのように男は、自分の身体を突き動かし如月の肉体を犯して行く、硬く怒張した男根が身体の中を抉りながらが、苦痛のみを与え肉体を蹂躙し汚し続ける、乳房を押し潰しながら揉み、自分の体重の全てを華奢な如月に預け、その圧力を利用しながら犯し続け、快楽を貪り続ける…そして、荒い息がどんどんと高まり、押し潰している如月に吐きかけ、呻くような言葉を吐き出す…
「出すぞ……」と…
「ひぎっ!」
 なすがままに犯され続けている如月が悲鳴のような声を出す。
「いやっ!やめて、やだぁぁ――――!!」
 押さえ込まれれいる手足を、何とか動かして男の身体の下から逃れようと足掻く如月だったが、押さえ込まれた身体はろくに動かすことすら出来ずに、男に蹂躙され続ける…そして、身体の上の男が吐き出す呻き声と、身体の中に吐き出されて行く汚物の感覚で如月は知る、取り返しのつかない事をされてしまった事を…
「あっ…ああぁぁ…やだよ…こんなのいやぁぁ……」
 力が抜けていく、そして二人目の男が身体の上に覆い被さってくるのを感じながら、如月は嗚咽のような呻き声を出し続けた。

 三人目までは膣に出された。そして四人目の男は如月の尻の穴を犯す。
ベチャリと塗り込められたクリームのような物、そのせいか意外にスムーズに男根は、尻の穴へと減り込んだ。
「あぐっ…いぐぅぅ…」
 四つん這いにさせられ、尻を持ち上げられながら犯される姿、処女を奪われた破瓜の血と、無理のある肛門挿入により、裂けた尻の穴から滲み出した血が混じり合い、太腿を伝い落ちて行く、男達の荒い息づかいと呻くような如月の嗚咽の中で犯され続ける山口如月と言う名の少女……
 もしも如月が、自分が犯されているという状況を冷静に見る事が出来たなら(無論の事、そんな事が出来る筈も無いのだが)ある事に気がついたかも知れない、自分を犯し続ける男達が、ある方向に向って重点的に自分が犯されている姿を向けている事に、背後から犯した時に、その姿を晒す様に持ち上げた事に、精液に塗れ歪んだその顔を何かに向けた事を、尻の穴を犯した時に苦痛に歪むその顔を不自然に向けさせた事を……そして、その向けさせられた先に、自分が犯されている姿をプレハブ小屋の外から見ている人影があり、そして撮影しているビデオカメラがある事を……


                            【 完成品 】


 見知らぬ男達にレイプされてから、再び学校へと行けるようになったのは、あの日から一ヶ月も過ぎた頃であった。
 肉体に受けた傷もそうであったが、それ以上に精神的な部分に受けてしまった傷の方が、はるかに重症であり、最初の頃はその傷を癒すことなど出来ないと思っていた。
だけど、そんな私を心配してくれる級友達や彼の言葉に私は救われる、そして再び学校へと通う事が出来るようになった。
 だけど、彼のモデルを以前のように出来る自信が無い…以前の自分とは違ってしまっている自分、外からは見えないだろうが、身体には凌辱された傷痕が、いまだに刻み込まれたままである、そして心の中も……もう断ろう、彼の前に自分を出す勇気はなくなっている…私は、そう決意した。

 放課後…一人で、私は彼のところへと向かう、以前と変らない彼の穏やかな表情を見ると、決心が鈍ってしまうが、私は思い切って話を切り出す。
「あのモデルの事なんですが…」
「ああ、ちょうど君を描いていた絵が一枚完成したんだ、是非に見てほしいんだけど…いいかな?」
 最後まで言う前に、彼に手を引かれアトリエの中へと連れ込まれてしまう……そして、彼のアトリエで見た私を画いたという絵は…
「あ…こっ…これ…」
「いい出来だろ?自信作なんだ」
 彼は、何時もと同じ様なにこやかな微笑を浮べながら、描き上げたばかりだと言う絵を私に向ける…キャンパスの中に描かれている絵は、間違いなく私の姿であった。
 殺風景な室内、筵の上に敷かれている布団、見覚えのある場所…いや、正確には忘れたくても忘れられない忌まわしい場所、私が男達に連れ込まれ犯された場所、その描かれている布団の上に私が横たわっていた、乱れた髪が布団の上に広がっている、壊れた眼鏡が精液に塗れた顔の上にのせられている、歯型が刻まれている乳房、大きく押し広げられた両足、その股間からは精液が垂れているのまでが、描かれていた。
「あ…あぁぁ……」
 言葉が出ない…その場にぺたんと座り込んでしまうが、視線は私が犯された姿が描きだされているキャンパスから離す事が出来ないままであった。
「一番描きたかったんだ…」
 彼の手が私の両肩に置かれる、そして私の身体をゆっくりと、床へと押し倒して行く……
 そして私の耳元で彼は囁く…全ては彼が計画した事、私を襲った男達も、それを彼が見ていた事…そして、その時の姿を描いた事……
「続きを描きたいんだ…いいよね?」
 彼の手が胸に触れる、そして服が脱がされて行く……
「さあ、モデルを御願いしよう……」
 脱がされて行く制服、彼の掌が身体の上を這まわる……・

 眼鏡がずれているせいか、それとも涙のせいなのか、天井の風景が歪んでいる、そして体中にべっとりと付着している精液の感触、横たわったままの私の方を見ている彼の姿、何時ものように優しく微笑みながら、真剣な眼差しでキャンパスに私の姿を描いている彼の姿……それは、何時もの放課後と同じ風景だったのかもしれない……



                                     おわり



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