【 薬をコーヒーに入れる。 】


                                    


 サラサラとコーヒーの中に薬が入れられる。
 そして律子は、そのコーヒーを居間のソファの上で座って待っている男に、黙って何時もどおりに差し出した。
 何時もの様に男は、コーヒーを飲もうとカップへと口を近づけ、最初の一口を口に含むが、それが途中で止まり、ゆっくりとコーヒーカップから口が離された。
「良いコーヒーだな…」
 手に持ったコーヒーカップ、それを律子の方へと差し出しながら言う。
「俺ばかり飲むのも、失礼な事だな……お前、これを飲んでみろよ」
 差し出されたコーヒーカップ、そのコーヒーの中には睡眠薬が混入されている事に、男は気がついたのであった。
 ガチガチと震えだす律子、差し出されていたコーヒーカップの中身が、律子へと浴びせられる。

     

「きゃっ!」
 多少は温くなり始めていたとは言え、まだまだ熱いコーヒーを浴びせられた律子は悲鳴をあげる。そして、あっという間に男に捕まり、その場に押し倒される。
「良い度胸だ、俺に一服盛ろうとするなんてな」
 押し潰される様に組み伏せられる律子、身体をくねらせる様にして、何とか逃れようと足掻くが、がっちりと押さえ込まれた身体は、ろくに身動きをする事すら出来ない。
「やめて、赤ちゃんがいるの、お腹に赤ちゃんが!」
「知ってるよ」
「えっ?」
 圧迫される身体に対して、お腹の中にいる子供の事を心配し叫ぶ律子、その叫びに対して男は、冷酷に言い放つ。
「知ってるんだよ、妊娠三ヶ月だってな、旦那が嬉しそうに話してくれたよ、二人目の子度が出来たってな……自分の子供だと信じてよ」
 男は組み伏した律子を見下ろしながら、嘲りを顔に浮かべ言葉を続ける。
「言ってやりたかったぜ、もしかしたら俺の子供かも知れないとな、何なら今から電話でもかけて言ってやろうか?」
「やめて!おねがい、やめて……」
その叫びを合図にするかの様に、男は律子へと襲い掛かって行った。


                                   


 男の手が動き、律子の着ているブラウスに掛かる。乱暴に引き千切られるブラウスとブラジャー、スカートやパンスト、ショ−ツも同様に乱暴に剥ぎ取られ、再び全裸にされた律子はガタガタと震えながら、腹部を守るかのように身を縮み込ませ蹲っている。
 そんな格好の律子の腕を掴み、強引に立ち上がらせた男は、律子に質問をした。
「おい、マヨネーズが何処にあるんだ?」
 何を聞かれたのか、一瞬と惑った律子であったが、脅えながらも震える口調で答える。
「れ、冷蔵庫の中に……何をする気なんです」
 男は応える事無く、律子の腕を掴んだままキッチンにある冷蔵庫へと向かい、冷蔵庫の扉を開けて中からマヨネーズの入った容器と、何か別の品物を取り出した。
「な〜に、薬を御馳走してくれようとしたんだ。こっちも、それなりの御馳走を仕返してやらなけりゃと思ってな」
 そう言うなり男は、律子をその場に四つん這いさせ、剥き卵のような白く艶やかな尻を持ち上げさせる。そして、その尻に向けてマヨネーズの中身を垂らし始めた。
「あっ!何を、何をする気なんですか、やめて、やめてください!」
 尻にかけられる冷たいマヨネーズの肌触り、これから何が行われるのか理解できずに、哀願を続ける律子であったが、次に発せられた男の言葉により、これから何が行われるのか……何が行われ様としているのかを理解する。
「この間のホテルで、途中まで仕かけた続きをしてやるよ、面白い材料も見つけたしな」
律子は漸くに悟る。これから行われる事……自分の尻の穴を犯されるという事を
「いやっ!そんな事はいやぁぁぁーー!」

    

 泣き叫ぶ律子だが、マヨネーズ塗れになった尻に向けて、男は冷蔵庫の中にマヨネーズと一緒に入っていたキュウリを捻じ込んだ。
「ひぎゃっ!」
 今夜のサラダの材料にと買い込んでいたキュウリ、それが尻の穴へと捻じ込まれ、グリグリと掻き回される。
「いだぁい!やめてぇ、ぬいてぇぇ!いたいぃぃーー!」
 いくらマヨネーズを潤滑剤と使用されているとはいえ、尻の穴へキュウリを捻じ込まれた律子は泣き叫びながら、苦痛を訴え身体を足掻かせる。
 だが、その身体は男にがっちりと押さえ込まれ、逃げ出す事は叶わずに、キュウリを捻り込まれている尻を振りたくり、押さえ込まれた身体を足掻かせる事くらいしか出来ない……やがて、散々に尻の穴を嬲ったキュウリが引き抜かれる。
 ズルリと引き抜かれたキュウリ、マヨネーズと律子の汚物、そして無理な挿入によって傷付いた部位からの出血によって、付着している血……それらによって彩られたキュウリを、男はがぶりと齧りクシャクシャと咀嚼した末に飲み込む。
「なかなか乙な味だ、お前も食うか?」
 先端を齧り取られたキュウリが、ぐったりとしている律子の鼻先に差し出されるが、それを見ようともせずに律子は、呻き声を出しながら身体を振るわせ続ける。
「あっ…いや、あぁぁ…いやぁぁ……」
 齧り掛けのキュウリを放り出した男が、あらためて律子の下半身を掴んで固定する。そしてい己のペニスをグイッ!と挿入した。
「あぎぃっ!」
 潤滑剤として使用されているマヨネーズ、そして先に捻じ込まれたキュウリによって開け広げられた尻の穴、ある意味で言えば下準備は充分に行なわれた筈であったが、男のペニスはキュウリよりも太く長かった。
「いぎぃぃぃーー!!」
 腰を固定され、尻の穴へと再び捻じ込まれていくペニスの圧力、トコロテンのように口から何かが吐き出されて行くような感覚、そして下半身を圧迫されて行く苦痛、床に撒き散らされているマヨネーズの上に苦痛のあまり失禁した律子の小便が撒き散らされ、その混ざり合った汚物の様な代物を、律子の手が苦痛のあまり練り広げるように蠢き、キッチンの床を汚して行く。
 更にペニスを捻じ込みながら、背後から覆い被さりマヨネーズ塗れの手で乳房を揉むが、ヌルヌルとなった手では上手く揉む事が出来ない。
「ちっ!」
 業を煮やした様に男の手が、乳房に爪を立て食い込ませる。
「いぎぃぃぃーー!!」
 ブチリと皮膚を突き破り、肉に食い込む男の爪……居間までも激しい凌辱を、男は律子に加えていた。だが肉体に傷がつくような行為は、念入りに避け続けていた……それは、律子の肉体に傷を付けたとしたら、旦那とSEXをした時に、その傷の事を怪しまれない為であったが、同時に律子の身体を男なりに気遣っての事でもあった。
 しかし、それらの事をかなぐり捨てる様に男は、律子の肉体を傷付けながら責め苛むみ続ける。まるで後の事など考えてもいないかのように……
 律子の尻の穴へと、激しく挿入され、そして引き抜かれるペニス、やがて男は吼える様な声を出しながら、律子の内臓へと射精した。
 抱え込んでいた腰を放す男、同時に律子の身体が床に這い蹲るように崩れ落ち、無様な姿を曝しながら痙攣する。
「これで終わりと思うなよ……」
 男は冷蔵庫の中を漁る。そして見つけ出した物を使って、凌辱を再開し始めた……そして、律子の新たな悲鳴だけが、再び張りあげられ続けて行った……


                                    


 二人目の子供が生まれる事は嬉しいが、外で酒を飲む回数が減る事になるなと思うと、多少悲しくなってくるさ。
 これからは、何かと金が必要になって来る事もあり、仕方がない事だと納得しているつもりだが、最近になって気の会う飲み仲間ができたと言うのに(実際、先日も一緒に飲んで、妻が二人目の子供を妊娠した事を話している)寂しいと言うか残念な事だ。
 そんな事を考えながら、我家へと帰って来た彼は、家の様子がおかしい事に気がつく、普段なら玄関や家には灯が燈っており、妻と子供が自分の帰りを待っている筈なのに、玄関口には灯は燈っておらず、家の鍵も掛かっていなかった。
 胸騒ぎを感じ、慌てて家に張った瞬間に、玄関に座り込んでいた我子に気がつく
「隆、どうしたんだ。お母さんは、いないのか?」
「ママァ…ママが……ママが……」
 泣き出す我子を抱きかかえ、彼は家の中へと入って行く……暗い家の中、取りあえずは明かりを灯そうと、手探りで照明のスイッチを入れた瞬間に、彼は見た――見てしまった。
 キッチンの片隅に、全裸にされて縛り上げられている妻の姿を、両手両足は大きく広げられている上に、その全裸にされている身体には……マヨネーズ、ケチャップ、サラダ油等が塗り付けられており、広げられている股間にはキュウリやニンジン、大根などの野菜が捻じ込まれていた。
 あまりにも無残な妻の姿、駆け寄る事すら出来ずに、その無残な姿を子供を抱きかかえたまま呆然と眺める彼を、点けられた照明の明かりによって意識を取り戻したのか、妻である律子が呻くような、まるで最後の言葉のような切れ切れの言葉で言う。
「あ…あなたぁ……ごめんなさい……赤ちゃん…あか……ちゃん……」
 その言葉に、彼はあらためてマヨネーズやケチャップ等で汚れている床を見る。そしてその目は一つの物体を確認する。

      


 それは小さな肉の塊のような物体……流産した胎児の姿であった。
「あっ…うわああぁぁああぁぁーーーーーー!!」
 彼は叫ぶ、その叫び声はささやかな幸せが……幸福であった家族の平和が崩れ去っていく叫びでもあった。



                                                  おわり



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