人妻〜その後


                                ロッカー


 閉じっぱなしになっていたロッカーを開いて中を整理する。
 元々、このロッカーを使用していたのは同じ部署に勤めている同僚であったが、数週間前に長期入院していた病院で亡くなり、そのままとなっていたロッカーだ。
 俺も会社の同僚と言う事で葬儀に出たが、一人暮らしで身寄りもいなかったらしく、簡単な葬儀と共にこの世から消えてなくなった。
 そして本当なら、その時に奴が使っていたロッカーの中を整理して、会社の方に置いていた私物を処分しなければ駄目だったのだが、忙しさにかまけてそのままとなっていた。
 不運な事に、たまたま俺がロッカールームの掃除当番であった事もあり、閉めっ放しになっていた奴のロッカーの整理をする羽目となったのだ……面倒くさい事この上も無い事だ。

 合鍵を使用してロッカーを開けるが、中にはたいした物が入っているわけでもない、タオルやらスリッパ、その他のゴミのような私物が入っているだけだった。
 そんなロッカーの中身を俺は、念の為にと用意してきた段ボール箱に移し、中を掃除しながら片付けている最中に、そんなゴミの中に俺は一枚の写真を見つけ出した。
 何の写真だろうと手に取り、その写真に写し出されている画像を確認した瞬間、俺はその写真をポケットに仕舞い込む、そしてロッカーの片付けもそのままにして便所へと向かった。
 便所の中の個室、周囲に誰も居るはずが無い個室の中で、俺は再度その狭い空間に誰も居ない事を確認してから、ポケットに突っ込んだ写真を取り出して見た。
 あいつのロッカーの中にあった写真、それは裸の女が写し出されている写真であった。しかも普通の裸の写真ではない、明らかに激しい凌辱の痕を身体に刻み込まれ、呆然とした表情を浮かべている女の姿が写し出されている写真だ。
「こりゃ……」
 思わず飲み込む唾が、喉に引っかかるのが解る。美しい顔立ちの女だ……美人と言うよりは、可愛いと言う表現の方が似合うタイプ、その女が写真の中で焦点の定まらない視線を漂わせながら、裸に剥かれた身体を曝け出し横たわっている。

     

 乱れた髪が顔にかかり張り付いている……汚れた顔に男の体液を付着させ、半開きとなっている口元からも同様の液が垂れ出しており、引き裂かれボロボロになっている服と下着からは、乳房が露出し剥き出しとなっている。
 下半身の方も同様に剥ぎ取られ、剥き出しとされている下半身には、凌辱の痕跡を読み取る事が出来た。
 そんな無残な姿を写真の中に曝している女――だが、その女は美しかった。
 凌辱されていても美しいのか、それとも凌辱されているから美しいのか――それを確認する事は出来ないが、俺は写真の中の女に対して猛烈な欲望を……激しい性欲を感じ押さえる事が出来なくなり、その写真を見ながら自分の男根を刺激し、欲望を吐き出した……止め処もなく、2回……3回と……

 何度かの自慰を終えた後に、ようやく落ち着きを取り戻した俺は、その写真の女の姿をもう一度見る……再び膨らみだしてくる下半身の疼きを押さえながら、呆然とし汚れた顔の――だが堪らなく美しい――女を見る。
 少なくとも、会社の中に居る女ではない……まるで見覚えの無い女の顔だった。


                                  
僥倖


 この写真の持ち主であった奴の事を思い起こす……それほど人付き合いの良い奴では無かったし、俺もそんなに親しかったわけでもない、せいぜい会社の同僚としての付き合いが多少あった程度で、数回と言うか数える程度にしか酒を飲んだ記憶しかない……
 奴のロッカーに入っていたゴミを調べなおしたが、手掛かりになりそうな代物も見つからない、それとなく会社の連中に奴の事を聞いてみたが、俺と似たり寄ったりの付き合いしかなく、参考になる事は何も無かった。
「無駄な努力か……」
 この女の事を諦める気はないが、この先探し回ったとしても見つけ出す事は不可能だろう……そう思い始めた時に偶然の奇跡が引き起こされた。

 取引先の会社に言った時、偶然からその会社の社員と話をする機会があった。そして話をしている最中に、その会社員と写真を持っていた奴が知り合いだと言う事を知る。
 何かが心の片隅に引っかかる……そして俺は、その会社員と一緒に酒を飲み機会をつくった。
 酒好きだが、基本的に酒に弱い体質らしい、それに二人目の子供が生まれたので、飲むのを控えていたと言う事もあってか、久しぶりの酒の席で酔いに呂律を回しながら、ポケットから生まれたばかりだと言う娘の写真を取り出し、俺に見せる……他人の家の子供の写真など、見せられた方にとっては迷惑なだけだが、付き合いと言う事で差し出された写真を見た時に、俺は神に感謝をした!
 たとえ、その神が曲りくねった角を生やし、先の尖った尻尾を持っている邪悪な神であり、俺の魂を要求したとしてもだ。見せられた写真に写っている赤ん坊……それを抱きながら、優しげな微笑を見せて入る母親らしき女性は、間違いなく俺が持っている写真の中の女であった。
 俺がもっている写真の中で、犯された直後の呆然とした表情と、見せられた写真の中で優しげに微笑んでいる表情では、比べようが無いかもしれないが、間違いなく同一人物だと確信した。
 俺は、その男と別れた後に密かに男の後を着ける……酒に酔っている男に尾行を気づかれる事もなく、郊外の建売住宅地にある男の家の場所を確認する事に成功し、密かに壁に張り付きながら、家に入って行く男の姿を見ていた時に、玄関まで迎えに出てきた女の姿を確認できた。
 視力2.0を誇る俺の視力に感謝する!
 感謝しながら、女の姿を確認し……そして確証する。間違いなく写真の中の女であり、その女が動いていた。
 それは、ほんの数秒の事だったが、ズボンの中で膨らんだ俺の男根は、その女の姿を見た瞬間に大量の精液を下着の中に吐き出した。
 俺は染み込んでくる自分が吐き出した精液の、嫌な感覚を気にすることも無く、壁に張り付いたまま満たすべく欲望の日々を想像し、再び大量の精液を吐き出した。

 手持ちの武器?は、俺が持っている彼女が凌辱された直後の写真が一枚(無論の事、コピーをしたり、スキャンしたのを無数に増やす事は出来るが)、そしてこの事実を俺は知っているが、彼女方は知らないと言う事……今すぐにでも、この写真をネタにして旦那が留守をしている最中に、家へと上がり込んで脅迫すれば、一回や二回は欲望を満足させる事は容易だろう。
 だが俺は、一度や二度で満足するつもりは無い、俺が知っている二つの事実を利用して、彼女を長く……出来るなら永遠に俺の肉奴隷と化する計画を、俺は逸る心を抑えながら、じっくりと張り巡らして行く事にした。

 彼女の旦那である男と、時々会っては情報を仕入れて行く……この写真を取った奴の事や、彼女を含めた家庭の事、ただし探っている事を彼女に悟られない様に、彼女と顔をあわせるような事はしない――そして、最初に写真を見つけ出してから、2ヶ月もの時間が過ぎ去った時に俺は、彼女を犯す計画を実行し始めた。

 最初にした事は、コピーした彼女の写真を郵便で郵送する事だった。
 赤ん坊を生んで間もない彼女は、一日の大半を家の中で赤ん坊と一緒に過ごしている。昼間に仕事へと出かけている旦那が、郵送した郵便を見る可能性はまず無い、最初に郵便を受け取って中を見るのは彼女だ。
(無論、彼女宛に永嶋律子としており、え差出人の名前をこの写真の持ち主であった男の名前にしておいた)
 郵送して数日後、様子を見るために旦那を誘って、一緒に酒を飲みながら話題を振りながら探りを入れていく、相変わらず旦那は何も知らない……ただ奥さんの様子が、少し不安定なようだと漏らす。
 育児疲れだろうと話をあわせながら、俺は旦那に見られない様にしながら、邪悪な笑みを浮かべ予定通りに事が進んでいるのを確信した。

 そして次には電話をかける……電話口に出た彼女に俺は言う。
『奥さん、写真見たかい?』
 電話口の向こうで息を呑むと言うか、呻くような声が聞え沈黙が続く……その後に、震えるような声で問う声が聞えてくる。
『あ……あなた誰なんです。この写真を……どう言うつもりなんですか……』

    

 震えるような声、それは想像通りの……いや、想像していたよりも遥に素晴らしい声であった。
 その声を聞くだけ、思わず行ってしまいそうになる自分を抑えながら、俺は冷静を装いながら言う。
『簡単ですよ奥さん、写真の続きをしたいだけなんです。あの男のようにね』
 電話口の向こうから漏れ聞える引き攣ったような声、それで計画の第一段階が成功した事を俺は確信する。
 話の主導権は俺が握る事に成功する……不安を与えながら、彼女の口から彼女と男の関係を探り出し、新たな情報を得ながら会話を続けて行く、そして電話を切る直前に言う。
『誰かに相談するなんて事は、しない方が賢明ですよ……相談なんかしたら、あなたの生んだ赤ん坊が、旦那の子供でない事がばれますよ』
 これは半分以上は張ったりであった。
 だが今までに調べた事や、今日の電話の会話から得た彼女と男の関係の情報、そして俺の直感が、この言葉を言わせた。
『!!』
 電話口の向こう側の驚きが手に取りようにわかる……そして、俺が言ったことが事実である事を確信する。
『それじゃ……』
 電話を切る俺、受話器の向こうでは、何か叫ぶような声が聞えるが、それを無視して俺は完全に電話を切る。
 そして湧き上がって繰る欲望を抑える為に、近くにある公衆便所へと向かった。

 その後、数回に渡って電話のみので連絡を取った末に、彼女の家へと出向く事となる。当初は、どこか適当な場所にでも呼び出す事を考えたが、まだ乳飲み子を抱えている身では外出も思うように出来ず、また出来たとしても赤ん坊を連れと言う目立つ姿は、何かと拙い事が引き起こされる可能性もあり、結果として彼女の家へと出向く事にした。


                           欲望を満たす刻


 玄関の鍵は掛かっていなかった。
 開けて置く様にと俺が指示をしたからだが、素直に従ったと言う事は覚悟を決めたと言う事だろう。
 玄関を開けて、家の中へ入る……そして玄関口で言う。
「奥さん、待たせましたね」
 その声に誘われる様にして、家の奥の方から人影が出て来て、俺の前に立ち止まった。
 蒼白となっている顔が、微かに震えているのも見て取れる……それでも、その顔は美しかった。
 子供を産んだばかりと言う事もあるのだろうか、優しげな中にも母親の表情が見て取れ、家庭を守らなければと言う悲壮な決意すら読み取れる。
 そんな彼女方へと俺は手を伸ばす。
「ひっ!」
 脅えたように身を引く彼女だが、それよりも素早く俺は彼女の腕を掴み、逆に引き寄せる。
「覚悟は出来ているんだろ、楽しもうぜ……あいつの時のようにな」

 突然としか言う事が出来ない、新たな凌辱者の出現……すでに終わった事として、夫と子供、そして生まれたばかり赤ん坊と共に、新たな日常を歩む出そうとした私に降りかかってきた恐怖……
 郵送されて来た手紙の中にあった写真、そして続いてかかってきた電話、それが新たな日常を破壊して行き、凌辱者である男が私の前に現れた。
 居間に上がり込んで来た男は、ソファの上に座り込むと、私をその前に跪かせる。
「さて、まずはこれから始めてもらおうかな?」
 ズボンの前を開き、剥き出しにした下半身を見せ付ける男、ほとんど垂直にまで高く憤り立っているペニス、男が求める行為を私は悟るが、それを実行する勇気などある筈も無い、ただ突きつけられているペニスから目を逸らせ、嗚咽を漏らし泣く事しか出来なかった。
「ちっ!旦那のモノだけじゃなくて、散々他の奴のも咥え込んでたんだろ!いまさら嫌がる事かよ!」
 背けた顔を強引に掴まれ、強引に口の中へとペニスを捻じ込まれる。
「んぐぃひぃぐぅうっ!」

     

 一気に口の奥深くへと突き込まれる肉の塊、その塊に咽頭反射が引き起こされ、吐き気と言うか激しい嘔吐感に襲われ、呻く様な声が自分の口から漏れだすのを聞く……その声を聞きながらも、突き込まれしゃぶらされるペニスに抵抗する事は出来ない、噛切るなどと言う事は、心の片隅に思い浮かんでも実行する勇気がでず、何よりも過去に何度も加えられた凌辱は、すでに肉体に刻み込まれており、男の暴力を拒めない体質ともなっていた。
 口の中に何度も突き込まれ、そして引き出されるペニスの感触……舌を使えと罵る様に言い放ちながら、乱暴に口でペニスを扱かせる男、それを私は受入れる。
 口の中で蠢くペニスに舌を纏わりつかせ、熱く脈打つペニスを包み込みようにして、口全体を使って啜る。口蓋に触れる肉の感触、そして喉の奥底を突付く様な蠢き、それを飲み込むようにしながら、舌を這わせ纏わりつかせ刺激して行く……それは、夫に対してはした事の無い、あの男が私に植え付けて行ったテクニック……
「んぐっ!」
 口全体を使いながらペニスを啜った瞬間、その先端から何かが迸り、喉の奥底へと落ちて行く……何度も味い、何度も飲み込んだ懐かしくも、おぞましい感触が蘇った……

 一発目は、最初から口に出すつもりだった。
 すぐに押し倒して、強引にでも犯してやりたかったが、押し倒している最中に耐え切れず、挿入前に射精してしまうのではないか……と言う、滑稽とも言える恐れを抱いていたからだが、それはある意味正しかったかも知れない、強引に口中へとペニスを突っ込み、しゃぶらせながら数回動かし、しゃぶらせているペニスに女の舌が纏わりついた瞬間に、抑えようとする俺の意思を無視して欲望が迸った。
 いくらなんでも短時間の間に、そう何回も出せるわけではない……無駄に出したくは無い、どうせなら全てを女の中に注ぎ込んでやりたかった。
 口から引き抜いたペニスは、うな垂れる事もせずに硬くなったままであった。すぐに続きを始められる……そう感じた俺は、女をその場に押し倒し着ている服を剥ぐ様にして脱がし始めた。

「おねがい、やめてください……おねが…あっぁぁ!」
 服を脱がされながら、弱々しい哀願の言葉を吐き出し、脱がされて行く服を必死に抑え抵抗する律子、だがその抗いは弱々しく抵抗の意味をなさない……抵抗する律子も知っているのだ、既に全てが手遅れであり、無駄な事を……だが、それでも律子は抗いを続け哀願の声を絞り出す。
 無駄だと知りつつも、それしか出来ないのだから……
 ブラウスのボタンが跳ね飛ぶ、その下に隠されていた下着が露となり、その下着も剥ぎ取られて行く……ブツン!と引き千切られたブラジャーの下から、丸く白い物が転げだし下に落ちる。
「こりゃなんだ?」
 丸く白いパット状の物体……それは、子供を産んだばかりの律子が、溢れ出る母乳からブラジャーに染みが着くのを防ぐために装着していた母乳パットであった。
 男は、それを自分の鼻の方に持ってきて、クンクンと臭い嗅ぐ、微かな甘いような芳香がする、そして男は合点したよう笑みを浮べると、律子に問いただす。
「こりゃ、乳漏れを防ぐ奴だな……そうだよな、子供を産んだばかりだもんな、もっと誰のガキかは解らないが」
 男の言葉に、ハッとした表情で男を見る律子、そして叫ぶように言う。
「あの娘は、夫の子供です!」
 その叫びをどの様に受け取ったのか、男は邪悪な笑みを浮かべると剥き出しとなっている律子の乳房を思いっ切り揉む!
「くっ、あうっ!」
 握り潰される乳房、そして勃起し尖った乳首の先端から、白い母乳が勢いよく迸り律子の肌を濡らす。
 肌の上に垂れる白い母乳、男の舌がその母乳を舐め上げ、蠢く唇が乳首を噛むように含んだ。
 
     

「ひぃ!」
 グビリと男は喉を鳴らす……そして、乳首に唇を押し当てながら、溢れ出して来る母乳を音立てながら飲み始める。
「いやっ!やめてぇ!やめてぇぇーー!」
 吸われ、飲まれて行く母乳……実際には、音を立てて飲むほど大量の母乳が、出ている訳ではない、だが男はわざと音を立てながら、染み出すように出て来る母乳を飲み続ける。
甘味はそれほど無い、それどころか微かな塩味を感じる、ねっとりと言うよりもサラサラとした舌触り、それが喉の奥へと流れ込んで来るのは、男にとって痺れるような快感を覚えさせるものであった。
 犯されると言う行為よりも、赤ん坊の為の大切な母乳を飲まれると言う事の方が、律子にとっては恐怖であると言える。それゆえに律子の抵抗はいっそう激しくなり、その抵抗を味わう為に男はいっそう強く律子の乳を吸い続けると言う行為を続けた。
 無論の事、男は律子の乳を吸っているだけではない、蠢く手は律子の着ている服を脱がし、スカートをずり下ろしながら下着も脱がして行く
「うっ、うぅぅ……やめてぇぇ、おねがい……おねがいします」
 身体を嬲られていく律子、胸は揉まれ母乳を搾り出され飲まれ続け、脱がされ剥きだしとなった肉体も犯されて行く……
 乳を啜っていた男が、乳首から唇を離し立ち上がると、途中まで下ろしていたズボンを完全に脱ぎ捨て、剥き出しにしたペニスを律子に眼前に突きつける。
「いやぁぁ…やめて、おねがい、よしてぇぇ……」
 呻くような弱々しい哀願、それを満足したような表情で眺めながら、男は律子の上に覆い被さって行く
「あうっ!」
 自分の中へと侵入して来る異物、それが胎内の奥底へと延びる様に押し込まれ、満たしていく感覚……
「あっ…ああぁぁ……いやぁぁ……」
 侵入して来る異物を押し出そうと律子は下半身を身じろがせるが、それは逆に男快感を与えるだけであり、その動きに合わせながら男は、さらに身体を密着させペニスを突き込ませて行った。
 再び胸が揉まれ、母乳が噴出して肌を濡らす……母乳に汚れた乳房に男の舌が這い、溢れ出た母乳を啜りながら、その肉体を犯し続ける。
 自分の胎内で、まるで別の生き物のように蠢く異物、おぞましいと感じ拒否する事が出来れば、まだ救われただろう……だが、胎内で蠢く異物に対して、だんだんと快感を感じ始める自分を理解し始める。
「いやっ!いやぁぁ……」
 抗いの声を上げ、身体をもがかせつつ、何に対して嫌だと叫んでいるのか、それすら解らなくなって来た時に、律子の耳に微かな……微かな赤ん坊の泣く声が飛び込んでき、その泣き声が、朦朧となり始めていた律子の意識を取り戻させた。
「幸子!」
 幸多き娘に育つ事を願い、夫と相談して名付けた名前……二階に寝かしつけていた筈であったが、目を覚まし母の温もりと乳を求め泣いている。
「待って!赤ちゃんが、御願い!赤ちゃんが!」
 抵抗が収まり、ぐったりとし始めたいた女が再び抵抗しだす……男も赤ん坊の泣き声を聞いていたが、己の欲望の前には関係無い
「うるせぇな、早く赤ん坊の所に行きたけりゃ、自分から腰でも振って協力しろよ、そうすりゃすぐに終わるぜ!」
 再び激しくなって行く抵抗を押さえつけ、逆にその抵抗の動きを快感に変えながら男は、絶頂へと向かって律子を犯し続ける。
「どいて!おねがいだから、どいてぇぇーー!」
 二階の方へと伸ばされる律子の腕、その腕を押さえ込みながら男は、律子の肉体を犯し続ける……そして、赤ん坊の泣き声が響く中で、律子は胎内へと男の欲望を吐き出された。


                            隠微なる空間


 よろめく様に律子が立ち上がり、ふらつきながら二階への階段を登って行く、そしてベビーベッドの上で泣いている赤ん坊を抱きあげる。当然の様に服はまだ着なおしておらず、半裸と言うよりもほとんど全裸と言う状態であった。
 それでも律子は赤ん坊を抱きしめ、今まで男に吸われていた乳首を自分の唾で綺麗に拭き、その乳首を赤ん坊に含ませる。
 コクコクと乳を吸う赤ん坊、そんな律子と赤ん坊の背後に男が立っていた。
 男に穢された姿のまま、赤ん坊に乳を与える律子の姿に、男は新たな欲望を掻き立てられ、そして行動を起こす。
「ない、やめて、いやっ!」
「大人しくしてろよ、そうすりゃすぐに終わるからな」
 背後から覆い被さる男、赤ん坊に乳を含ませている律子は逃げる事も抵抗する事も出来ず、そのままの姿勢で男に再び犯される。

       

 背後から激しくバックスタイルで侵される律子が、いまだに乳を含ませ続けている赤ん坊を守る様に抱きしめながら、嗚咽を漏らす。
「いやっ…やめ、てくださぁいぃぃ……あうぐぅ!」
 欲望に身を任せ律子の身体を犯す男、何も知らずに乳を飲み続ける赤ん坊、そして赤ん坊を守るために耐え続ける律子……それは現実離れした異様な空間であり、濃厚な陰臭が満ちる空間であった。
 そして、その空間に律子は身を置き続ける事となる……果てる事の無い地獄のような空間に……




                                   おわり



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