トゥルーラブストーリー2


                             【 まぐろ 】


                                    
 

 校内を歩いていた時に、目に付いた女がいた。
 はっきりとした目鼻立ちが強烈な印象を与えてくれる長い髪の女、自分で言うのもなんだが、学校内に存在する美人と呼ばれ女のデーターは、ほぼ頭の中に溜め込んでいるのだが、その女についてのデータがなかなかに出てこない、その女と親しげに話をしている男子生徒の方は記憶にあるというか、同じクラスで前の席に座っている奴だったが……
 やがて、その女と話をしていた男子生徒は、その女に軽く手を振りながら分かれて歩き出す。俺は急いでそいつの所に行き聞いた。
「あの女生徒、誰なんだ?見かけない顔だったが……」
 すると奴は、苦笑いを浮かべながら言う。
「なんだ、お前も誰なのか解らなかったのか、波多野だよ、演劇部の波多野葵、女って奴は化けるもんだよ、カツラ一つで別人みたいになっちまう。まあ元が良いからなんだろうけどね」
 俺は女の正体を聞いて驚く、演劇部の波多野葵と言えば、男子生徒よりも女生徒に人気のある女だ。去年の学園祭の劇に、男役として登場した波多野葵の姿に、かなりに数の女生徒が黄色い声援を放ったのは記憶に新しい、そして二年生になった今は、いっそう男役としての人気は上昇し、下級生の間ではファンクラブができていると言う噂さえある。
 男役をしていると言う事で気がつかなかったが、確かに綺麗に整った目鼻立ちは、間違いなく美人の部類に入るであろう女だ。
「気がつかなかった……」
 俺は独り言のように言う……そして、ふと思い出す。
 時折、人気のない海岸を犬を連れて散歩をしている波多野葵の姿の事を、そしてその海岸にある朽ち果てた様な物置小屋があると言う事を、今まで波多野葵に対して興味を持たなかったから、特にどうこうと言う気は起きなかったが、あれだけ綺麗に化けている姿を見た後には、それらの事がパズルのように組み合わさって行く……そして組み合わさって行くパズルは、一つの結論に達する。
「上手く行けば、波多野葵の奴を自由に出来るかもしれないな……」
 俺が漏らした言葉は、当然ながら誰にも聴こえないほどに小さな声であったが、それ故に俺の中に欲望の炎を灯した。


                                   


 犬万(イヌマン)と言う代物がある。
 俗に言う「猫にマタタビ」と同じ意味で「犬に犬万(イヌマン)」と言う事が言われる場合がある。すなわち犬にとって、我慢できないほどに魅力的な匂いを発散させる物が犬万なのだ。
 俺はそれを作り出す。作り方は簡単と言えば簡単なのだが、材料と製作過程が非常に困難と言えば困難でもある。
 庭でつかまえたミミズを、半日ほど絶食させて泥抜きさせた後に、そのミミズを瓶に入れて腐らせる。強烈な匂いを発するようになったら、それを鍋でグツグツと煮続ける。この時に焦がしてはいけない、そしてドロリと煮詰まった物が犬万と言う代物であり、その効力は製作過程に置いて、町内中の犬が家の周囲をうろつきまわっていた事から見て間違いない筈だ。

 その犬万を瓶に詰めて俺は家を出る。
 向かう場所は、海岸の外れに放置されたままとなっている物置小屋、中をと見れば……雑多な物が放り込まれており、足の踏み場もないほどであったが、少し前から中を整理して、必要な空間を作りだし、必要な道具類を一揃い用意している。
 必要な空間とは、あの女を此処に引きずりこんで目的を達する空間、必要な道具類とは引きずり込んだ女に対して、俺の欲望を満足させる為の道具類の事、そして最後の必要な道具である犬万を作り上げた俺は、この物置小屋の中に潜んでチャンスがやってくるのを待つ、もしも今日が駄目だったとしても明日があり、明日が駄目であっても明後日がある。そう考えながら待つ事、約1時間……今日は駄目かと考えた瞬間に、夕焼けで薄く染まり始めた海岸を、犬を連れながら走ってくる人影を俺は見つけ出した。
 用意していた双眼鏡で、その人影の人物が誰であるかを確める……間違い無く、目的の女である所の波多野葵の姿であった。
 物置のドアを少し開け、持ってきた犬万を入れた瓶の蓋を外し、それを皿の上に垂らす。
「くっ!」
 犬万を垂らした皿から漂い出してくる強烈な臭い!はっきり言って、無茶苦茶に臭い!人間には不快な臭いなのだが、犬にとっては陶酔を誘うような匂いであり、この匂いを嗅ぎとった犬は例外無く臭いの元へとやってくる。
 犬を連れた波多野葵と俺が潜んでいる物置小屋までの距離は、まだだいぶ離れていたが漂い出した犬万の臭いは、波多野葵が連れている犬の嗅覚を確実に刺激し、臭いが漂ってくる物置小屋の方へと必死に向かおうとし、暴れまくっているのが見える。
 やがて、波多野葵が持っている引き綱を振り解くようにして、犬は物置小屋の中へと飛び込んで来た。そして皿に垂らした犬万の臭いを嗅ぐなり、その場にヘナヘナと崩れ落ちると言うか、まるで酔っ払ったようになって寝転がり身体を悶えさせ始めた。
 取り敢えずは、その犬を俺は用意していたケージの中に犬万ごと放り込み、鍵を閉めて閉じ込める……途中で邪魔をされない為にだ。
 そして外の方へと、物置の隙間から様子を見れば、犬に逃げられた波多野葵が、こちらの方へと小走りにかけて来る。
 この物置小屋に犬が飛び込んだのは見ている筈だ。やがて波多野葵も、同様にこの物置へと入ってくるだろう。
 俺は、その瞬間を物置の戸の陰に隠れながら待つ……そして期待したとおりに、波多野葵は半開きとなっている戸から頭を覗き込ませた。
「まぐろ〜、どこいっぎゃぁうっ!」
 無防備に物置小屋の中を覗き込んだ波多野葵の意外なほどに白く、しなやかな首筋に俺は持って来たいたスタンガンを押し付ける。
 愛犬の名前を呼びきる前に、波多野葵は低い悲鳴をあげて、その場に昏倒した。そして俺は、物置小屋から頭を出して周囲を確認する……大丈夫だ、人の気配ない……そして倒れている波多野葵の身体を物置小屋の内部へと引きずり込む事に成功した。


                                


「しくじったな……」
 そう思ったのは、意識を失って倒れている。波多野葵の端整な顔を間近で見た時だった。
 一部の女生徒達の間で、かなりの人気のある女だとは知っていたが、自分の趣味に合わないとして特に気にする事無く見逃していた。
 だが、こうして意識を失った状態と言う、少々減点要素のある場面で見た顔は、今までに犯して来た女達とは別の魅力があり、俺を充分に興奮させ欲望を滾らせてくれている。
言うならば、普通の美人と言うよりは、男前の美人と言う所であろうか?
 きりっ! としている目鼻立ちによって、実に良い感じで顔立ちが整えられており、並みの美人とか可愛いと言う女とは、また別の魅力がある。
 こんな事なら、もっと早く犯って置くべきだったかも知れない、損をしていたと言う気持ちが湧き上がってくる。
 ただ若干の不満点を上げるとするなら、その髪型だろうか?
 ショートカットにしている髪型が、この女の魅力……言うならば、女性としての魅力を損ねるとまでは言わないが、引き出し損ねている様に俺は思えてならず、それだけが残念だと感じている。
 だから俺は、今日の日の為に用意をしてきた。
 何を用意して来たかと言えば、長髪のカツラだったりする。そこら辺の店屋で売っているような安物ではなく、本格的な演劇とかで使用される高級品のカツラだ。
 俺は、その用意してきたカツラを意識を失ったままの波多野葵の頭部に装着する。髪にピンで留めておく方針なので、ちょっとやそっと乱暴に扱ったところで外れる代物でも無い、そのカツラを着けた後は、今度は脱がす番となる。
 身に着けている衣服を順番に脱がして行く、一番上に着ている厚手のセーターを捲り上げる様に脱がし、その下に着ているブラウスのボタンを丁寧に外して行く、力任せに一気に破り広げても面白いかも知れないが、楽しみはじっくりと味わって行くのが俺の趣味だ。
 外れていくボタンと、その下から現れでるブラジャー、淡い水色の……どちらかと言えば、可愛いと表現したくなるようなタイプのブラジャー、それがボタンを外した服の下から出て来た時は、波多野葵の男勝りな普段の行動や性格などを思い出し、少々驚いたが考えてみれば、やはり女だと言う事なのだろう。それを思うと、何となく面白くも興奮を誘ってくれる。
 ブラウスを脱がし終わった時点で、俺は上半身は一先ず置いて置き、下半身の方へと服を脱がして聞く手順を変える。
 ピッチリとしたジーンズタイプのズボン、もしも意識のある状態で脱がそうとしたら、かなり手こずる事になったろうと思われるズボンのボタンを外し、ファスナーを引き降ろした後に剥ぎ取る。夏の名残のような日焼け痕が微かに残る健康的な素足、それが俺の目の前に曝された状態となった。
 下半身に残るのは、上半身のブラジャーと揃えた様な淡い水色のショーツ、これもまた可愛らしいタイプの代物であった。
 取り敢えずは下着だけとう状態にした時点で、用意してきたデジカメで、その姿を何枚か撮影しておく、長髪のカツラを着けた下着姿の波多野葵、普段の男勝りな姿からは想像も出来ない女の姿であり、俺の欲望を充分に満足させてくれる美女であった。

 用意してきたビデオカメラを、小屋の中に固定させる。カメラのレンズが向けられて場所には、下着姿の波多野葵が横たわったままの状態でいる。
「よし!」
 固定されたビデオカメラのモニターに、キチンと波多野葵の姿が入っているのを確認し、俺は次の行動に移る。誰か相棒でも居れば、もっと上手く撮影も出来るのだろうが、一人でやるとなれば仕方が無い処置、誰かと組んで犯ることにすれば、もう少し融通も利くのだろうが、秘密が漏れてしまうと言う可能性も増えて、その事を考えれば一人で犯り続けた方が、この先の事を考えれば無難だろう。
 ともかく用意は出来た。
 俺は、本格的な凌辱を波多野葵に対して、実行に移す事にした。


                                    


 淡い水色の可愛いブラジャー、それを外す……前の方のホックがあるタイプではなく、背後の方にホックがあるタイプのブラジャー、身体を少し持ち上げるようにし、背後のホックを手探るで外すと、緩んだブラジャーが肩のストラップに引かれ上の方へとずり上がり、乳首の部分で引っかかり止った。
 下乳の膨らみ、それほど巨乳と言うサイズではないが、形の良さが充分に解り、想像するだけで興奮が高まり、ブラジャーを外し取るために伸ばした手先が少し震えているのが解る。
 そして、ブラジャーに触れた手が一気にブラジャーを引き剥がす。放り出され下に落ちたブラジャー、そして剥き出しとなった乳房が、俺の目の前に曝される。
 やはり巨乳と言う乳房ではない、だが俺を魅了してくれる充分な大きさと、それ以上に魅力を感じさせる形の良さと乳首の美しさ、仰向けになっていても崩れる事無く、張りを保ったままの乳房の上にある、小粒な膨らみ……やや陥没しているものの、それが膨らんだときの事を想像すれば、それだけいきそうになってしまう。
 その形良い乳房へと、何時の間にか伸ばされかけた手が途中で止まる。
「まだ我慢だ……」
 まだ早い、この乳房を揉むのは用意が終わってから、準備が出来てから思うままに嬲ってやるんだ!
 乳房へと伸ばされかけた手が、そのまま下半身の方へと向かい、ブラジャーと組合せを考えて着用されていると思しくショーツの縁に手がかかる。
 足を少し持ち上げるようにしながら、脱ぎ降ろされていくショーツ、手入れが行き届いていると言えば語弊があるかもしれないが、女性としての慎ましやかさを感じさせる茂みを眼にし、その奥に隠されている部位を想像し生唾を飲み込む。
 最後に靴下を脱がすか少々迷ったが、結局はそれも脱がして全裸の状態にする。唯一身に着けている物は、俺が被せたカツラだけと言う状態、その状態の波多野葵の裸体を俺はじっくりと、下から上へ、上から下へと何度も瞼に焼き付けるようにしながら見る。
「眠れる森の美女か……」
 意識を失ったまま、全裸となり横たわっている波多野葵の姿を見ながら、俺は思わず独り言のような感想を口に出す。それ程に波多野葵の肉体と言うか、姿は美しく素晴らしかった。
 被せたカツラによって、今まで隠されていた女の部分が浮き上がり、整った美しさを見せる顔、グラマーとでは無いが、張りがある肉体は崩れる事無く乳房の形を保ち、引き締まった腰と柔らかさと弾力を隠している尻、そしてすらりとした足の美しさ、非の打ち所の無い完璧な肉体と言って良かった。
 俺は、その素晴らしい肉体をデジカメで再び撮影していく、まだ俺と言う奴に犯され汚される前の無垢な肉体を、その最後の姿を何枚も多少ポーズを変えさせながら写して行く
「ふはぁっ!」
 不意に笑いがコミアゲル。
 意識の無い状態の奴の事を指す隠語に『まぐろ』と言うのがある。ゴロンと横になっている姿が、魚河岸などに並んでいる冷凍マグロを思わせる事から、そう呼ばれるのだが、横たわっている波多野葵の姿を見ていているうちに、この女が散歩させていた犬の名前を急に思い出し、笑いが混みあがってきたのだ。
 犬の名前は『まぐろ』と言う名前らしい、言ううならば『まぐろ』の飼い主が『まぐろ』状態となっているのだ。
 その事に対して、奇妙な可笑しさがこみ上げて来て、思わず笑いを漏れ出させる。そしてケージ入れられたまま、犬万に酔いしれて、これまた『まぐろ』状態と化した犬のまぐろの法をチラリと見て言う。
「何なら、お前のご主人様を後で抱いてみるか?同じまぐと同士と言う事でよ?」
 無論のこと、犬のまぐろは返事をする事も無く、犬万の魅力の前に酔いしれたままであり、この時に言った言葉は冗談であった……少なくとも、この時点では……

 一通りの撮影を終えた時点で、俺は事前に用意してきたガーゼを、幾重にもしてから眼の上に当てて医療用にテープで固定する。さらに布テープで取れる事が無いようにとがっちりと固定した上で、その上からアイマスクを被せて、更にそのアイマスクを布テープで眉毛などを巻き込まない様にして、幾重にも固定し巻きつける。
 顔の部分が隠れてしまうのが多少残念だが、これで波多野葵は目隠しをされた状態となり、また施した目隠しの処置は、簡単には外す事が出来ない程に厳重に施した。
 その時点で、俺はようやくに本格的な凌辱を開始する。
「こうなったら眠れると言うより、盲目の美女と言う所かな」
 目隠しをされた波多野葵の姿を見ながら、俺は再び独り言を漏らした後に、いよいよ凌辱を開始した。

 後ろから抱かかえるようにして身体を持ち上げ、この全てを記録しているであろうビデオカメラの方へと、波多野葵の身体を向けさせながら、その乳房を背後から揉んで行く、柔らかく弾力のある乳房の感触を掌で味わいながら、いまだに陥没気味となっている乳首へ指を伸ばし、コロコリと指先で摘まむように嬲る。
「あふぅ……」
 小さな呻き声、意識が少しずつ戻り始めているのか、加えられる刺激に対して無意識に反応し始めている。
 その声を聞きながら、乳房を嬲っていた手を下の方へと下ろし、手入れの行き届いている下半身の茂みを掻き分け、その部分を露出させ指先で押し広げながら、ビデオカメラの方へと向ける。
 押し広げた場所、その場所に指先を這わせながら、ゆっくりと刺激して行く
「かぁくっ、くうふぁん!」
 奇妙な声を出し、加えられた刺激に対して反応を示す波多野葵、もしかしたらオナニー位は、毎日のようにしているのかも知れない、だとしたら誰を妄想の相手にししているのだろか?
 這わせる指先を少しだけ強くした結果、その疑問はすぐに解けた。
「〇〇……くん……すき……」
 波多野葵が漏らした言葉の主に思い当たる。あの日、カツラを被った波多野葵が、その姿を見せていた相手の名前が、〇〇だった。
「やっぱり女だな」
 いくら男勝りな性格であったとしても、女と言う事に変わりは無い、どうすれば自分が綺麗に見えるか、それを知っているこの女は、その姿を好きな相手に見せていたのだ。
 その、どこか子供じみたような行動が面白く、また可愛らしく……俺の中にある加虐の本能を刺激し、いっそう残酷に犯してやりたいと言う思いが湧きあがってくる。
 指先でアノ場所を何度も擦るように動かし続ける。最初は湿り気を感じる程度であった部分が、ぬるりとした液体の滑りを感じさせ始め、されにその滑りを広げるようにしながら、周囲から中心へ、中心から周囲へと指を動かせて行くうちに、滑りは液体の存在と代わり指先を確実に、そして充分に濡らし始める。
 指先で大きく押し開き、その部分の奥までもビデオカメラに撮影させる。テラテラと濡れながら、少し充血させた部分を膨らませている秘所、そこへ中指を少しだけ突き入れる。
「あうっ……うぅぅ……」
 小さな呻き声と、それに反応するように窄まり、突き入れた指先を絞める動き、ゆっくりと指を動かしながら、そのしまりを解除させて行きながら指先を引き抜き、その部分へと興奮しきっている自分の分身を宛がう。
 先端部に感じる滑りと湿り気、そして一気に貫けそうな場所の柔らかさ、それを確認した後に俺は、宛がった物を一気に波多野葵の中へと捻じ込んだ!
「ひぎぃっ!」
 捻じ込んだ瞬間に、波多野葵は悲鳴を上げて意識を取り戻す。
 無為意識と言うか、半分眠っていたような状態からの急激な覚醒、何が起こっているのかを把握する事もできず、股間を裂かれる苦痛のみによって目覚めた意識、反射的な悲鳴の後に続くのは、波多野葵の叫びであった。
「痛い! なんなの、いたいぃぃ! やぁぁ――!!」
 今の波多野葵に解る事は、身体の痛みのみ……だから、それを素直に口出し、その痛みから逃れようと足掻くが、誰かに身体を押さえられており逃げ出す事が出来ない、自由に動く手足をばたつかせるが要領を得ない、状況を把握しようと見開いた筈の眼にも、何も写し出されない!
「眼が、何なの、何なのよぉぉ――!!」
 見えない眼を開かせようと眼の部分へともっていく手の先に、何かが引っかかる。そして目隠しをされている事に気がつく、その目隠しを引き剥がそうとするが、ガッシリと何重うにも戒められている目隠しは、容易に外れる筈も無かった。
 そして目隠しを剥がそうと足掻く波多野葵の身体に、突き込まれたモノは激しく動き、同時に無防備となっている肉体へ手が伸び、乳房が揉まれ乳首を舐めしゃぶられて行く
「いやぁ! はなしてぇ、あっちへ行ってよ、やだぁぁ――!」
 外れない目隠しから手を放し、自分の身体を嬲っている相手から、その身体を引き離そうと足掻く波多野葵だが、目がまるで見えない状況では思う様に逃げる事も出来ず、ただ闇雲に暴れる事しか出来ず、逆のその動きを利用するようにして更に身体を嬲り犯され続けて行く、跳ねる身体の動きに合わせ繋がっている部位は、更に肉体の奥深く突き入れられ、暴れる身体を押さえつける動きは、そのまま乳房を嬲り揉みがら爪を立て、幾重にも身体に凌辱の痕跡を刻み込んで行く、首筋を舐めまわす舌と唇の感触、背中を噛み歯形を刻み込んで行く嬲りの傷痕、波多野葵は悲鳴を上げながら良い様に、その肉体を弄ばれ続ける事となった。
 そして……
「ひっ! ひぃぃーー!!」
 突き上げられる身体、そして肉体の奥深くに存在する異物の感触、その異物の動きが変化していくのを感じる。
「いやっ!だめ、だめぇぇ――!!」
 身体を引裂く痛みが教える事は、自分が犯されていると言う事、そして身体に突き込まれ蠢いている異物が何なのかを悟り、その異物が何をしようとしているのかを知って、暗闇の中で波多野葵は暴れ、必死に逃れようと足掻くが……
「あっ!ああぁぁ……」
 自分の中に迸りながら染み込んで来る感覚、それが身体の一点からじわじわと広がっていくのを感じ、絶望の声を漏らした後に、あれほど激しく抵抗した身体の動くが止まり、全身から力が抜け落ちたようになる。
 俺は、股間から迸る快感に身を任せながら、ぐったりとした波多野葵の身体を、突き込んだモノを引き抜く事無く、乳房へと手を這わせながら再び嬲って行く
「いあぁぁ……誰なのよ、もうやめて、あうっ!いたいぃぃ……いたいよぉぉ……」
 乳房を思いっ切り握り潰しながら、膨らみながら尖っている乳首を舐めしゃぶり吸う。無意識に眼を覆い隠しているガムテープを剥がそうとしている手の動きは鈍い、そして眼を塞がれた事によって逆流してきた涙が、鼻や口中から流れ出し、それにむせた波多野葵は嗚咽と言うか呻き声を漏らし続ける。
「ぐぐぅぅ、げぇふぅ……ぐじゅぅぅ、ぐぐぅぅふゅっ!」
 俺はその逆流してきた涙と鼻水が入り混じった液を舐めながら、波多野葵の唇を吸う。
「ぶふっ!んんぁぁ!」
 首を左右に振り拒絶する波多野葵だが、その抵抗は弱い……そして突き込んだままのモノは、再び硬くなって行き肉を抉り出す。
「あっ!ああぁぁ!やだぁ、もううやめてぇぇ!」
 自分の中で再び硬くなって行く感触に、抗いの声を再び出す波多野葵だが、それも二度目の射精が終わった時には、呻き声しか出なくなっていた。


                                  


 いまだに目隠しをされたままの状態で倒れている波多野葵、俺の手による凌辱を受け、全裸にされた姿のまま身体を震わせ、呻く様な泣声を漏らし続けている。
 そんな姿を、回収したカツラを弄びながら見ている俺、すでに自分の服は着込んで、予めセットして置いたビデオカメラも回収し終わり、後はこの場を立ち去るだけ……と言う事なのだが、全裸のまま身体を震わせ泣いている波多野葵の姿を見ていると、性的な欲望は既に二回の射精で収まっているのだが、もう少し工夫と言うか面白味が欲しくなってくる。
 そして俺は、いまだに犬万で酔った様になっている、波多野葵の愛犬であるまぐろを使って面白い工夫をしようと考えた。

 瓶の中に残っている犬万、その残りを倒れたままの波多野葵の身体の上に振りかける。特に股間の部分へと念入りにだ。
「ひぃっ!」
 身体の上にかけられた激しい臭気を伴う液体、それが何であるかを知る筈も無い波多野葵は、小さな悲鳴を上げ逃げようとしたが、目隠しをされたままでは逃げられる筈も無く、狭い物置小屋の中を犬の様に這う事しか出来ない、そして犬の様に這っている波多野葵に向けて、愛犬であるまぐろを俺はけしかけた。
「わぉん!」
「えっ!まぐろ?」
 一声吠え、主人の元へと向かうまぐろ、その吠え声に反応を示す波多野葵、主人の危機に対して助けに来てくれたのかと彼女は思った。だが主人の元に向かうまぐろの目的は、主人の危難を救う為ではなかった。
「きゃっ!なに、まぐろなの、やめて!降りて、のっからないで!」
 まぐろは、波多野葵の元に近づくと背後から背中の上に覆い被さる。そして腰を押し付ける動作をし始めた。
 犬に対して強烈な陶酔感を作用させる犬万と呼ばれる物質、この物質を人間が使用する薬物で表現するとすれば、何に該当するのか?
 一番似合っている表現で言えば『媚薬』の類に該当するかも知れない、その犬専用の媚薬を身体に振りまかれたとなれば、まぐろにとってそれは既に守るべき主人ではなく、交尾の対象物でしかなくなっていた。
「ひっ!まぐろやめて、どうしたの、やめてぇぇよ!」
 既に大きく勃起し、剥き出しとなっているまぐろの陰茎、それが波多野葵の膣へと一気に挿入される。
「がふぁっ!いやぁぁ――!!」
 膣に挿入された直後に、膨らみ膣一杯に広がったモノから、大量の液体が放出されるの感じる。だが、それは終りではなく犬にとっては始まりでしかない、さらに腰を押し付けながらまぐろは、その液体を更に放出しつづける。
「あうっ、ああぁぁ!やめて、まぐろ!おねがい、やめてぇぇ!」
 泣き叫ぶ主人の声を無視し、まぐろはクルリと体勢を入れ替える。そして尻と尻が着き合わされる様な体位を取ったかと思うと、狭い物置小屋の中をうろうろと歩き回り始める。
「ひぃ!動かないで、抜いてぇ、やめて、まぐろ!」
 まぐろと尻を着き合わせた格好で、物置小屋の中を引っ張りまわされる波多野葵の姿、それは俺の趣味で言えば、非常に面白くも楽しい姿であり、愛犬のまぐろに犯される波多野葵の姿を撮影しながら、込み上げて来る笑いを押さえ込むのに苦労した。

「はぁうぉ〜ん……」
奇妙なまぐろの吠え声、それが終了の合図だったのかも知れない、散々に波多野葵を引っ張りまわしていたまぐろは、ようやくに射精に至った事によって、膨らんでいた陰茎が萎み、波多野葵の膣より陰茎を引き抜く……そして崩れるように倒れている波多野葵に近寄り、ペロペロと自分の精液が垂れ出している膣を舐める。
「うっ、ううぅぅ……ぐひぅ……」
 舐められる度に呻くような嗚咽を漏らす波多野葵、その姿を撮り終えた後に、俺は物置小屋から出て行く……後手で物置小屋のドアを閉めた時、波多野葵のすすり泣く声はまだ聞こえていたが、それに対して何の感情も湧き上がることはなかった。


                                


 あの日から数週間、ようやくに学校へと出てきた波多野葵の靴箱に、まぐろに犯されている姿の写真を放り込んだのは昨日の朝の事、そして同封したメモに書いてあった携帯に連絡が入ったのは昨日の晩の事、そして連れ込んだホテルの一室で波多野葵の肉体を再び犯したのは1時間前……

 事後の姿のまま、ベッドで放心している波多野葵に俺は言う……
「週に5人が最低ノルマだ。これからは、お互いに楽しもうぜ……」
 ベッドの上の波多野葵は何も返事をしない、ただ見開いたままの眼から涙を流し続けているだけであった。



                                               


                                               成人向け書庫へ戻る