通じた想い
呼び止められた私はピタリと立ち止まる、そして次に何が起こるのかを、本の少しだけ期待しながら、私はその場に固まったように立ち尽くした。
ぽんと肩を叩かれ、ビクン!と身体が緊張する、そしてドキドキしながら、振り返った私の口に、ポコンと飴玉が一つ放り込まれた。
「はい、手伝ってくれたご褒美だよ」
口の中に広がる甘い飴玉の感触、だけど広がって行く甘い味とは逆に、心の中にしょっぱいような、哀しいような気持ちが広がって行き、涙が滲み出してくる……私が、どんなに好きになっても先生は、私の事を子供だとしか思っていないと言う事が、口の中の放り込まれた飴玉が証明していたから……
「おい、どうしたリンダ、なに泣き出しているんだ?」
先生の驚いたような声をだして顔を近づける、どうやら私は泣いているみたいだ、確かに目の前が曇ってきているというか滲んだようで、先生の顔が歪んで良く見えない、良く見えないけど私は、心配そうに近づいてきた先生の顔めがけて、思いっきり右のパンチを叩き込む!
「先生のバカァ!」
本格的に哀しくなってきてり、涙がドンドン溢れ出してくるのを止められない、私がどんなに好きになっても先生は大人で、先生は私を子供としか思っていない、自分では違うと思っていても先生は、私に事を子供としか見ていない、哀しくて!悔しくて!口惜しくて!腹が立って!どうしようもなくて!!それでも好きなのが一層辛い!
そのまま教室から駆け出そうとした私だったが、泣いているせいだろうか……滲んで曇った私の瞳は、教室からの出口を間違えてしまった。
「んぎゃっ!」
閉まっているドア目掛けて駆け出して、ドアに直撃してしまった私は、珍妙な悲鳴を出して、その場に豪快にぶっ倒れる。
「おい、リンダ!大丈夫か!」
先生の心配そうな声が聞える…それを聴きながら私の意識は、遠い所へと旅立って行く…旅立って行きながらも、私はやっぱり先生が好きなんだと思い、再び悲しくなってしまい、そのまま意識がなくなってしまった……らしい……
大きなおでこ……私にとっては、コンプレックスなんだけど、クラスメイト達はチャームポイントだと言ってくれる、薄っすらと残ってるソバカスや紅縁の丸眼鏡、どれもが私のコンプレックスの元であった……
金色の髪に蒼い瞳の色、周りの人たちは、髪の毛も目の色も黒いのに自分だけが違っている、この髪と瞳のせい小さな頃から何度もからかわれ、虐められた続けた。
学校に入り、高学年になった頃には何とか、その様な事柄からは解放されたが、それでもコンプレックスである事には変わりは無く、かけている眼鏡や顔に薄く残っているソバカス、そして大きなオデコも同様にコンプレックスになり続けていた。
多少無理しながらも明るく振舞い続ける私、何だかとても辛くなって苦しくなって来ていた時に、新しく担任になった先生が言った私に対して言ってくれた言葉…
『リンダの髪は金色で綺麗だな、眼も蒼くてチャーミングだし、オデコも可愛いぞ』
それは、他の生徒達に対しても同様に行なわれた、特徴を褒めただけの一言だったかも知れないが、その言葉を聞いた瞬間に私は、張り詰めた心が解けて行くような気がして、私を褒めてくれた先生の事が好きになった。
最初はただ、好意と言う感じだったのが、気がついたら先生の姿を何時も追っている私に気がつく、そして私は異性の人を好きになると言う事を初めて知った…これが私の初恋の始まりだった。
少しでも一緒に居たいからクラス委員長にもなったし、こうして放課後に一緒に居残りもする、こうしていれば何時の日か先生に言えると思ったから…
『せんせい…すきなんです…』
と言う言葉を……
「せんせい…すきなんです…」
突然に泣き出した末に、自分を叩いた後に閉まっているドアに向けて自爆して、気を失っているリンダの広いオデコに水で濡らしたハンカチをのせながら、彼……リンダの担任教師は悩んでいた。
実際の所、彼は自分に対して好意を寄せているリンダの気持ちを察知していた。
察知していたが、まさか年端も行かない教え子の幼い故の真っ直ぐな感情を、どの様に受け止めてあげれば良いか等が、若い自分に分かるはずも無い、結局はリンダの気持ちを上手にはぐらかして、何も無い事として接して行くしかないのだが、まずい事が一つ起き出していた。
「俺は、ロリコン……とかじゃなくて、年上の女性の方が好きだった筈なんだがな…」
そう言いながら、気を失っているリンダの顔を見ながら溜息のような物をつく、当年とって26歳、少なくともロリコン趣味とかは持っていなかった筈であったが、自分の周りに擦り寄ってくるようなリンダの行動に対して、最初は余裕を持って対処していた筈だったのが、気がついたら自分もリンダに対して教え子以上の感情を持ち始めている事に気がついてしまう。
だが、気が付いたからと言って…
「僕も、リンダの事が大好きだよ!」
と言う様な訳には行かない、結果としてリンダの心情を感じながら、その思いを上手くはぐらかしながら、教師と教え子と言う関係を続けて行く以外の選択肢はあり得なかった。 だから、気を失い倒れているリンダの口から漏れ出している、自分に対しての告白を聞きながらも…
「まずいよな…」
独り言のように呟き、溜息をつく……それ位しか出来ずにいた。
それでも、何時までもこうしている訳にも行かない
「すまんな…」
そう言うと彼は、まだ意識を失っているリンダの頬を叩いて、目覚めさせた。
目を覚ましたリンダが見たのは、自分を心配そうに見ている先生の姿、自分がどの様な状況なのかを一瞬で理解する、理解するなり恥かしさが全開となり、勢い良くガバッと起き上がると、後ろも見ないで教室を出て行こうとする、その出て行こうとするリンダに先生は声をかけた。
「リンダ……ごめん」
その声を聞いた瞬間、リンダの動きが止まる、そしてそのままの姿勢でリンダは言った。
「あやまるんだったら……私にキスをしてください」
そう言いながら、一番驚いているのはリンダ自身であった。
何で、唐突にこんな言葉が口から出たんだろ、驚きながらもそれは本当に心の奥底から出た言葉だとリンダは思った。
「だめだ…」
答えを待つまでもなく、先生は一言で拒絶する……当然と言えば当然の事だ、先生が私なんかを好きになってくれる筈が無いのだから……だが続いての言葉にリンダは固まった。
「キスをしたら、それ以上の事をしてしまう……だから、早く家に帰るんだ…」
先生…少し震えていたのかも知れない、でも私は必死になって声を搾り出すようにして言う。
「…私は、キス以上の事をされても構いません……だから、キスしてください先生……おねがい……」
ゆっくりと振り向くリンダ、目の前に先生が居る、そして自分の唇に、先生の唇が重ね合わせられる……初めてのキスは、少しだけ煙草の香りがした……
床に引かれた先生の上着、その上に私は身体を横たえて待つ…先生を……
やっぱり制服がしわになるのが嫌なので、先に制服だけは脱いでおく事にする、着ているのはキャミソールとスキャンティーだけ、こんな事ならお母さんに言って可愛いブラの一つでも買って置けば良かったかなと思うけど、もう遅い…
「いいんだな…」
先生の言葉に私は頷く…
「もう一度キスをしたら、止まらないぞ…」
私は再び頷くのと、先生がキスをしてくるのは、ほとんど同時だった。
やっぱり煙草の香りがするキス、頭がトロトロになって行く感じして、ぽ~として行く頭の中…そして、先生の舌が私の口の中に入ってきた。
「んっ!」
キスて、唇を重ねあわせるだけでは無いと初めて知る、先生の舌が私の口の中で動く、口の中一杯に膨らむ先生の舌が苦しいけど、嫌じゃない……私も先生の舌を思いっきり吸ってみる、そして自分の舌で先生の舌に摑まりクチュクチュさせる、先生の舌と私の舌が、二人の口の中で行ったり来たりしながら絡み合う、頭が……いや、体中がドンドン熱くなって行く様な気がする、からからになった喉の先生の唾液が染み込んできて、何だかとっても美味しいような気がしてしまう。
キスで夢中になっていた私、何時の間にかキャミソールが脱がされている、ようやくに膨らみだした私の小さな胸、最近は触ると少し痛いけど先生なら我慢できる…と思う。
「んっ、つぃ!」
でもやっぱり少し痛い、思わず出した声に驚いた先生が、手を引っ込める…駄目だ!我慢しなくちゃ、それに…先生になら触れてほしい…
先生が再び胸を触ってくる、少し痛いけど何だか気持ちがイイ……もっと先生に触ってほしい、胸だけじゃなくて他の場所も、たくさんさわってほしい……その思いが通じたんだろうか?
先生は私のパンツを脱がして、アソコの部分に指をそっと触れさせる、私は知っている……赤ちゃんがどうしたら出来るのか、保健の時間に女子だけが集められて見せられたビデオ、赤ちゃんの作り方のビデオ……大丈夫!先生の赤ちゃんなら産んであげたいと思うし、可愛い赤ちゃんが出来ると思う。
だから、先生の為すがままに身を任せる、それに何だかアソコの部分が熱くなってきてる様で、もっとさわり続けて欲しいし…
「いいかい?」
先生が聞いてくる、何がいいのか……私は頷く、そして眼をつむって痛みに耐える覚悟をする、話には聞いた事がある、初めてする時は、とても痛いという話を…怖いけど、先生ならいい、だから私は身体を固くして眼をつむって待つ……だけど、先生は何もしてこない、どうしたんだろと思った瞬間に、ポンと頭を軽く叩かれる、こわごわと眼を開けたら、先生が優しく私を見ていた。
柔らかなリンダの唇を吸いながら、キャミソールを脱がして行く、キャミソールの下から現れた微かな膨らみを見せる胸に、触れた瞬間にリンダが小さな声を上げる、思わず引っ込めた手を、再び胸へと伸ばして優しく撫でるようにしながら揉む、苦痛とは別の表情を浮かび上がらせるリンダの表情を見ながら、スキャンティーをそっと脱がして、指を優しくあてがい刺激してあげる。
動かして行く指先に滑りと言うか、湿り気を感じるようになった時に俺は言う。
「いいかい?」
コクリと頷くリンダの顔を見た後で、俺はズボンを脱ぎ下ろしながら、指を這わせていた部分を見る、まだ何も生えていずに白い無垢な恥丘が少し膨らんでいる部分には、筋と言うか線が少しだけ開きかけていた。
それを見た瞬間、俺はリンダに対して何をしようとしているのか、激しい自己嫌悪を感じてしまう。
そして、再びリンダを見る……脅えたように身体を硬くし、震えながら必死になって耐えているような姿と表情……熱が醒めて行くのを俺は感じる、そして俺は途中まで脱ぎ下ろしたズボンを履きなおした上で、眼をつぶったままのリンダの頭を軽く叩いて合図を送った。
「止めとこ、まだまだ早い……もう少し大人になってから、その時まで待つよ…」
「先生、大丈夫です!痛くても我慢しますから、大丈夫です!」
私は、必死になって続きをせがむけど、先生は笑いながら私に服を着せ始める、やっぱり私はまだ子供なんだろうかと悲しくなったけど、どこかでほっとしている私がいた。
既に日は落ちきり、暗くなっている帰り道を、先生の背中におんぶされて帰る、あの後で服を着た後に立ち上がろうとしたら、緊張のあまりに腰が抜けて立てなくなっていた…
先生は笑いながら、私を軽々と抱きかかえて、おんぶしてくれる、そして家への道を一緒に帰る…
ゆらゆらと先生の背中におんぶされての帰り道、少しだけ恥かしいような気がするけど、気にしない事にする、だけど少しだけ気にかかる事が……
おんぶされながら、私は先生に聞いてみる。
「先生…私が、もう少し大人になったら、ちゃんとさせて上げますから、浮気しないでくださいね」
私の言葉に先生は、笑いながら頷く…
「それと、先生…」
そして、もう一つだけ気になっている事を聞いてみる。
「ん?なんだい」
「先生…お尻にあてている手…あんまり、もぞもぞさせないでください…恥かしいです」
もしかして、わざとなのかな?お尻に当たっている先生の手が、妙にゴソゴソしているような気がするのだ……しばしの沈黙の後に……
「……ごめん」
先生の正直な答えを聴いた私は小さく笑う、そして思う…先生て、意外にHなんだな…と…
先生と私…こうして私達は笑いながら家に帰った…
そして、ちょうど7年後に私は、先生の奥さんになる事が出来、その結婚式の晩に初めて二人は結ばれたときに思ったのは……あの時にしていたら、痛くて痛くて泣いてしまっただろうなと言う事だった。
終わり
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