輪姦の魔


                                 
第一話


                              
「 仲谷早苗 」


                                    



 彼女……仲谷早苗が、輪姦されているのを見るのは二度目だった。

 最初に見たのは小学校の時に、忍び込んだ廃屋の中で行われていた行為……目を閉じ合わせ、その時の事を思い出せば、リアルに思い出す事が出来た。



 その廃屋は絶好の遊び場所であり、よく友達と一緒に忍び込んでは、廃屋の中を探検していた。そして、それを目撃する事になったのは、たまたま一人で廃屋に忍び込んで遊んでいた時の事だった。
 廃屋の二階にある部屋、そこは比較的まともな場所で、壊れかけたロッカーや古い蒲団だとかがあり、忍び込んだ仲間と一緒に、絶好の秘密基地として使用していた場所だった。
 その部屋に入り込んで、ゴロンと古い蒲団の上に寝転がったり、壊れかけた椅子に座ったりした瞬間から、この狭く薄暗い部屋の中は、宇宙船の操縦室となり、ロボットの操縦席となり、何にでもなる魔法の場所であり、そこで僕は想像の中でヒーローになって、世界を守りために色んな奴らと闘かっていたのだ。

 何時ものように、その部屋の中で空想に浸っていた僕の耳に、不意に物音が飛び込んできた。
 廃屋の下の方から聞こえてくる物音、騒がしいと言うか、何か言い争うような声に驚き(この廃屋に入る事は禁止されていたので、見つかれば叱られると思ったからだ)部屋から逃げ出そうとしたが、声はすぐ傍まで近づいて来ており、部屋から逃げ出す事は出来なくなっていた。
 大慌てで部屋の中を見回した先に見つけ出したのは、半分壊れたまま放置されているロッカー、小柄な僕なら何とか潜り込む事が出来る筈だと思い、そのロッカーの中へと、大急ぎで飛び込んでロッカーの扉を閉めた。古びたロッカーは、何箇所も錆付き穴が開いており、ロッカーの中から部屋の中の全てを見通せる。
 はたして誰がやって来たのかと、ロッカーの中で息を潜めながら外を見ていると、部屋のドアが乱暴に開け広げられ、どやどやと人が入ってきた。

 入ってきた人数は四人で、男の人らしいのが三人で、もう一人は女の子のようだった。
入ってきた男の人達は、全然見覚えがなかったが、身体を抱かかえられる様にして連れて来られている女の人は知っていた。
 お隣に住んでいる、三つ年上のお姉ちゃん……
 僕が小学校に入学した時から、お姉ちゃんが中学校に入学するまで、毎朝一緒に学校へ手を繋いでもらって通っていた。
 美人で優しくて、そばに行ったらとてっもいい香りがして、繋いだ手がとても柔らかくて、お菓子をくれて、頭を撫でてくれて、かけている眼鏡の奥にある優しい目で僕を見てくれて、そして綺麗な声で僕の名前を呼んでくれるお姉ちゃんが、男の人の手や身体をつかまれて、部屋の中へと引きずり込まれてきた。
 入口に座り込み、ドアに手をかけながら、部屋の中に連れ込まれまいと、半分泣いているような声で、何か大声で叫んでいるお姉ちゃんの身体が、さっきまで僕が寝転がっていた古い蒲団の上に放り出される。
 すぐに起き上がって、逃げようとしたお姉ちゃんが蹴り飛ばされて、蒲団の上に再び倒れこむ、そして倒れたお姉ちゃんの上に、男の人たちが被さっていった。
『いやぁぁーー!』
『やめてください、お願いします! やだぁぁーー!』
 お姉ちゃんの声が僕の耳に聴こえる。
 助けなきゃ! 僕はそう思う。あの優しいお姉ちゃんを助けなきゃ! 僕は正義の味方なんだ! さっきまで僕は、宇宙船に乗って悪い宇宙人と戦っていた。だからお姉ちゃんを助けなければ駄目だぁ!
 そう思った僕が、ロッカーを蹴破って飛び出そうとした時に、男の一人が転がっていた椅子を蹴飛ばした!
 凄い音がして吹っ飛ぶ椅子!
『いい加減に観念しろてんだ! てめぇみたいな、眼鏡ブスを犯ってやろうてボランティアなんだぜ、少しは協力しろや』
 蹴り飛ばされた椅子の音、それを上回る怒声! 今まで泣きながら大きな声を出していたお姉ちゃんの声が止まる……そして、代わりに泣きながら小さな声が聞こえてくる。
『やめてください、おねがい……おねがぃぃ……』

 僕は震えていた。
 蹴り飛ばされて、吹っ飛んだ椅子……それが僕自身に思え、男の怒声が更に心を叩きのめす。
 ロッカーの中か飛び出して、お姉ちゃんを助け出す勇気は、蹴り飛ばされた椅子と男の怒声の前に、どこかに吹っ飛んでしまい、僕はロッカーの中から男達とお姉ちゃんの姿を、震えながら見る事しか出来なくなった。

 正直言えば、何が行われているのか、何が起こっているのかを、その時に正確に把握していた訳は無かった。
 小学生……それも、まだ満足に毛すら生えていない、精通すらしていなかった僕、目の前で行なわれている事の意味など、理解できる筈も無い……出来る筈も無かったが、本能的にそれを見続けた。

 倒れているお姉ちゃんの服を脱がそうとする男の姿と、必死になって脱がされまいと抵抗するお姉ちゃん、だけど最初から結果は解っていた。
 着ている服の全てを脱がされたお姉ちゃん、裸にされたまま逃げ出そうとしたが、途中でつかまってしまい、髪を引っ張られながら蒲団の所まで引きずられてくる。
三つ網にしていたお姉ちゃんの髪が解け、グイッ! グイッ! と引っ張られ、そのまま両腕を掴んで立てさせると、小さな……でも少しだけ膨らんでいるおっぱいに触られたり、口をつけたりし始める。
 身体をよじりながら、半分泣きながら、お姉ちゃんがやめて! やめて! と叫んでいるのに、男の人達は、そんなおねえちゃんの姿を笑いながら見ては、おっぱいをいじったり、股の間に手を入れたりしつづけた。

 お姉ちゃんが、二人の男の手で布団の上に押し付けられ、残り一人の男がズボンを脱ぎ、お姉ちゃんの上に覆い被さるのと、お姉ちゃんが驚くほど大きな声を出したのは、ほとんど同時だった。
 その声をなんと表現したら良いのか、それは今でも解らない……ただ、その声はとても悲しい声なのに、僕は胸の鼓動を抑えきれないほどドキドキさせていた。
 お姉ちゃんの上に覆い被さりながら男は、ズボン脱いだ下半身を押し付けるように動かし続ける。その度にお姉ちゃんは、押さえつけられている身体をビクビクと動かしながら、呻くような声を出し続けていた。
 やがて男が、低い声を出したかと思うと、動かしている体の動き止り……お姉ちゃんの上から起き上がる。そして今まで、お姉ちゃんを抑えていた男と交代したかと思うと、その男もズボンを脱いで、前の男と同じ様にお姉ちゃんの上に覆い被さり、身体を動かし始めた。
 お姉ちゃんは、泣きながら何かを言っているが、良く聞き取れない……だが、それを聞いている男は、酷く馬鹿にしたような言葉を吐き出すと、お姉ちゃんの顔を叩く!
 パン! パン! と言う乾いた音、お姉ちゃんの声は止んで、すすり泣く様な声と男の吐き出す荒い息音だけしか聞こえなくなる。
 そして最初の男と同じ様に、二人目の男も同様に低い声を出した後に、お姉ちゃんから離れ三人目の男と交代し、三人目の男同じ事をした。

 男達は、古い蒲団の上で泣いているお姉ちゃんの身体を持ちあげ、犬のように四つん這いさせる……そして、お姉ちゃんの口へと自分のチンチンを入れたり、お尻の穴にもオチンチンを入れる。
 泣きながら、口に入れられているチンチンを舐めているお姉ちゃん、もう声を出す事も出来ないのか、オッパイを揉まれたり、乳首を引っ張れたりした時にだけ、吐き出すように呻き声を出すだけで、男達になすがままにされ続ける。
 そんなお姉ちゃんの姿を見ながら、男達は笑う……笑いながらお姉ちゃんの体を、玩具の様に弄くりまわしながら、口やお尻に突っ込んでいるチンチンから、白いおしっこを何度も出して、お姉ちゃんの身体にかけ続けた……

 どれくらい時間が経ったのか解らない、ただ気がついた時には、男達の姿は居なくなっていて、お姉ちゃんが泣きながら脱がされた服を着なおしていた。
 そしてお姉ちゃんも部屋から出て行く、それでも僕はロッカーの中か出て行く事が出来ない、ようやくにロッカーから出る事が出来たのは、すっかり暗くなり始めた頃だった。
 何とも言えない、生臭いような臭いが充満している。その生臭い臭いが充満している部屋の中で、僕は白い布切れを拾い上げる。
 それはお姉ちゃんが、身に着けていたたパンツ……男達に、破られて投げ捨てられたお姉ちゃんのパンツ、それを拾い上げた僕は、ポケットに押し込むと、逃げるようにして部屋から飛び出す!
 家に帰りついた僕は、晩御飯も食べないで自分の部屋に入って、内側から鍵を閉める。
 そして、ポケットの中に捻じ込んでいた、お姉ちゃんのパンツ……と言うよりは、千切れた布切れを取り出し、それを顔に押し当て匂いを嗅いだ。

 その晩に僕は夢を見た……昼間に見た出来事を、もう一度最初から最後まで、繰り返して夢に見た。そして、その夜に初めて夢精を経験し、男達がチンチンの先から出していた物が、おしっこでは無くて、精液という物なのだと知ったのは、もう少し先の事だった。

 それから一ヵ月後の事だった。
 お隣のお姉ちゃんの一家が、どこか知らない街へと引越しをしたのは、突然の引越し……その理由は、広まった噂が原因だった。
 広まった噂……お姉ちゃんが、酷い事をされてしまったと言う噂、ヒソヒソと近所のおばさん達が話をしているのを聞いた事もある。
 学校で、上級生からお姉ちゃんの事を聞かれた事もあった……
『お前の隣に住んでいる家の女の子の事で、なんか話し聞かなかったか?』
『話って何ですか!』
 少し怒ったような口調で聞き返した僕に、その上級生はこっそりと耳打ちして言う。
『K校の不良に、スケベな事をされちまった……』
 最後まで聞き終わる前に、僕はその上級生に飛び掛り殴りかかったが、逆に殴られて床に這い蹲る。床に這い蹲りながら、僕は悔しくて泣く……上級生に殴られた事が悔しくてではない、あの時に飛び出す事ができなかった自分が悔しかったんだ。
 結局、この喧嘩騒ぎは親の知る事となったが、理由を知った両親が、僕の事を怒る事は無かった。

 その晩に、僕の部屋の窓を叩く音がする。
 何だろうと思って、カーテンを開いた窓の外には、お姉ちゃんが立っていた。
『ケン坊……ありがとう』
 窓を開けた僕に向かって、お姉ちゃんが優しい声で言う……それは、久しぶりに聞くお姉ちゃんの優しい声、昼間の喧嘩の事を、僕の母親から聞いたと言う……そして、小さなビーズで造った人形を手渡してくれた。
『これ、前にケン坊がほしいって言ってたでしょう』
 小さなビーズの人形、お姉ちゃんの鞄についていた手作りのマスコット、本当はそんなに欲しい訳ではなかったけど、お姉ちゃんがとても大事そうにしていたので、少し困らせたくて欲しいと言ったビーズ人形
 そのビーズ人形を手渡してくれる時に、お姉ちゃんの手と僕の手が触れる。一瞬、ビクッ! と手を震わせたお姉ちゃんだったが、次の瞬間にしっかりと僕の手を掴んで握り締める。
『ケン坊の手、温かいね……ケン坊の手の温かさだけは、絶対に忘れないからね』
 そして、もう一度強く手を握ってくれた後に、優しい微笑を僕に向けてくれた。
この時に、僕は謝ろうとした……あの時の事を、お姉ちゃんが男達に酷い事をされていた時に、僕がロッカーの中にいたと言うことを!
 でも、それはとうとう言えなかった。
 そして翌日、僕が学校へ行っている最中に、お姉ちゃんの一家は知らない街へと引越しをして行った。

 それから八年……小学校から中学へ、そして高校へと進学した僕は、都内の大学を受験し、無事に合格する事ができ、その大学のキャンパスで、お姉ちゃんと再会する事となった。
 大学のキャンパス、ようやくに大学生活に慣れたと感じ始めた時分、向こうから歩いて来る女性に気がつく、最初に見た時は、何となく見覚えがあるような、と言う感じだったが、気にかけて思い出しながら見た時に気がつく、それは紛れもなくお姉ちゃんだった。
思わず走って近づき、無造作にお姉ちゃんの肩を掴んだが、次の瞬間にキャンパス中に響き渡るような大きな声が、お姉ちゃんの口から吐き出された!
 驚く僕と、掴まれている肩を振り解こうと暴れるお姉ちゃん、一瞬あっけに取られる僕だったが、お守り代わりにと何時も持ち歩いている物を取り出し、お姉ちゃんの目の前にぶら下げる。
「僕だよ、隣に住んでいたケン坊だよ!」
「ケン坊……?」
 目の前にぶら下げられた物、手作りの小さなビーズ人形を見て、僕の言葉を聞いたお姉ちゃんは、大きな声を出すのを中断させ、僕の顔をマジマジとした顔で、かけている眼鏡を外して、その眼鏡をコシコシと拭いた後にかけ直し、再度マジマジと僕の顔を見た後に、僕の名を言う……小さな頃に、優しく微笑みながら言ってくれた時と同じ様に


                                  



 それからの二人は、順調だったとは言えない、これは彼女の女友達やキャンパスの噂として聞いた話なのだが、やはりあの時の出来事が、彼女にの暗く重い影を残したのであろう。
 かなりの男性恐怖症と言う状態が続いており、男性に近寄る(または近付ける)事を避ける生活をしており、大学内でも噂になるほどであった。
(だから、再会した時に僕が肩を掴んだ瞬間、あれ程までに大きな声を出したと言う事だ。その時は、集まってきた彼女の友達や野次馬の連中に、僕と彼女の関係を説明するのに苦労した)
 それでも僕が差し出した手を、少し脅えながらも彼女は握り返してくれた。あの最後の晩に言ったとおりに、最初は拒否反応にも似た戸惑いを見せていた彼女だったが、やがて普通に話しをする事が出来始める。
 そして最初に、二人だけのデートを誘った時、彼女は迷いながらも了承してくれた。
最初のデート、二度目のデート、三度目のデート……四度目のデートは、彼女からの誘いによってであった。
 そんな逢瀬を重ねた末に、彼女と一つに結ばれたのは、再会してから一年が過ぎた時だった。

 ベッドの上に腰掛けて、彼女がシャワーを浴び終えるのを待つ
 既に自分の方はシャワーを済ませ、バスタオルだけを腰に巻いて、そわそわしながら彼女がバスールームから出てくるのを待っている。
 この場所に誘ったのは、彼女の方からだった。何時ものデートコース、映画を見て、食事をして、少しだけワインなどを飲む、下心が無いと言えば嘘になるが、待つ事が出来ない訳でもないし、何よりも彼女が男性恐怖症となった原因を知っている僕としては、その時の罪の意識も在り、強引な行動を取る事が出来ないでいた。
 だから彼女と一緒に、このホテルの前を通り過ぎようとした時に、彼女の足がピタリと止まり、彼女の手が僕の服の袖を掴んで、強引に引っ張りながらホテルの中へと連れ込まれた時は、何が起こったのか、何が起こっているのかを把握する事が出来なかった。
 ようやくに我を取り戻したのは、この部屋へと入って彼女の言葉を聞いた時だった。
『ケン坊、知っているんでしょう?』
 何を知っていると言うのか、その意味は容易に判断できるが、その答えを口に出す事が躊躇われる。
『わたし……汚れているの、あの時からずっと』
 うつむいていた彼女の顔が、僕の方へと向けられる。かけている眼鏡の下にある、大きな瞳から流れ出ている涙、顔と言うか体全体が小刻みに震えている。
『だから、あっ!』
 次に彼女が、何を言おうとしたのか解らなかった。ただ僕は震えている彼女を抱きしめ、その唇に自分の唇をかさねた。
 刹那の強張りと、それに続く抱きしめられた腕から逃れようとする動き、だがそれも一瞬だけで、抱き締められるままに身を任せてくる。
 重ね合わせた唇が熱い、舌を彼女の口の中へと、そっと伸ばしてみる……閉じあわされいた彼女の唇が薄く開き、伸ばされた僕の舌を受容れ、自分の舌も僕の方へと伸ばしてくる。互いの口の中で絡み合う舌、どれくらい唇を重ね合わせ続けたのか……突然に、彼女の唇が勢いよく離れた。
『ごめん、ケン坊……息、苦しくなっちゃった』
 はぁーはぁーと、息をつきながら彼女が、笑顔を見せながら、僕に言った。

 続きはシャワーを浴びてから、と言う事に為ったのは、何となく互いの恥ずかしさによる事だっただろうか?
 先にシャワーを浴びたの僕、冗談交じり、一緒にシャワーを浴びようかといったら、軽く叩かれた。

『向こう向いていて』
 待っていた僕を、壁の方へと向けさせた上で、彼女がスルリとベッドの中に潜り込み、ようやくにこちらを向いてもいいと許可が出る。
 シーツをしっかりと首の辺りにまで引き上げた姿で、べッドの上にいる彼女の横に、僕は潜り込んで並んで横たわる。
 奇妙な沈黙が少し続く中、チラリと横を向いた僕の視線と彼女の視線が鉢合わせし、お互いにクスクスと笑いあった後に、僕は彼女を引き寄せ身体を抱き締めた。
『あっ!』
 驚いたような小さな声と、抱き締めた時に感じる緊張なのか怯えなのか、その身体を震わせている動き、それでも抱き締めた身体は温かく柔らかな胸の膨らむを感じ取る事が出来た。
『震えてごめんね、やっぱり怖いの……でも!』
 自らが望んだ事だというのに、怯えて身体を震わせてしまう事が悔しいのか、彼女の声も震えている。だが次の瞬間に彼女は、身体を勢一杯に僕の方へと押し付けて、僕に唇を重ね合わせてきた。
 僕も抱き返しながら唇を貪り、重ね合わせた身体を愛撫する。柔らかな乳房の感触が、握りしめた掌に広がり、小さな乳首が、くるりと掌の中で踊るように動く
『あっあぁぁ!』
 ビクリと仰け反る彼女の身体、離れた唇から漏れ出す声、それを聞きながら更に彼女の身体へと這わせていく僕の手が、彼女の下半身へと流れて行く
『そこは、くぅふっ!』
 彼女の素肌の柔らかさを感じながら下りていく指先に、別の感触が絡みつく、さわりとしながら何処か湿り気を帯びたような感触、それを分け広げるように伸ばした指先が、温かな滑りの場所に辿りつく
『あうっ、んぁ!』
 唇から吐き出される喘ぐような声、それを聞きながら僕は辿り付いた場所を、優しく嬲る。指先に張り付くような感触が、やがて完全な滑りを帯び始め濡れ出す。液が流れ出し始めているのを掌に感じ、その流れ出た液を股間に塗り込めるようにして、掌を動き回らせる。
『うくっ! あぁぁ、こわいの……』
 彼女の口から漏れる言葉、意識していないかもしれないが、それは間違いなく本音であろう。
 僕に抱かれながらも、あの時の事を思い出したのかも知れない、ただ見ていた僕でさえ、いまだに忘れる事が出来ない淫靡な悪夢、忘れられる筈のない出来事だったのだから
『大丈夫、大丈夫だから』
 何が大丈夫なのか、言ってる自分も解らない言葉の意味、それでも彼女を安心させてあげたくて言う言葉、彼女もそれを聞きながら僕の愛撫をうけいれ続ける。
 胸に置いた手を、ゆっくりと胸の丸みにそって動かしながら、優しく揉み上げても乳首を指の間に挟みこみ、擦るように動かす。膨らみだし、その先端を少しだけ指の間から飛び出させる小さな乳首、その出ている乳首の先端を舌先で舐める。
『はぁうっ!』
 彼女の身体が、ビクリッ! と跳ねるように動き、逃げ出そうとする様な動きをしたが、次の瞬間に身体の力が抜け落ち、身体全体が柔らかく弛緩する。
 柔らかくなった彼女の身体を愛撫し、その身体を大きく開かせて行かせながら、僕は自分の物を持て余す。
 すでに硬くなり過ぎた僕のペニスは、自分の腹にペタリとくっ付き、すぐにでも彼女の内へと入りたがっているのだが、その前にしなければならない事がある。
 彼女をベッドで待っている時に、あらかじめ準備をしておけば良かったのかも知れないが、自分自身も興奮しすぎていたせいで、すっかり失念していたのだ……コンドームを装着する事を!
 いま彼女を愛撫する手を止め、おもむろにコンドームを装着するという事は、あまりにも間抜けにしか思えない、もしかしたら彼女が怒り出すかも……なんて事も考えてしまい、結果として僕は、彼女を延々と愛撫し続けると言う、なかなかに情けない状態となっていた。
 延々と続く愛撫……その事に、少しおかしいと感じ始めたのか、彼女が恥ずかしそうに言う。
『いいのよ……』
 そう言われても、タイミングが掴めない、結果として愛撫が続く事となる。
『ケン坊……どうしたの?おねがい……』
 再度のお願い……されても、タイミングが! 何だか、どんどん焦ってくるし、その事を意識し出すと愛撫する動きも、何だか妙な感じとなって行き、ギクシャクとし始めてパニック状態へと化していった。
『ばかぁ!』
 突然に、彼女が僕の頬叩く、そして背を向けて泣き出す。
 どうしたらよいのか、訳が解らずに呆然としている僕の方へ、枕を投げつけなた後に、涙でクシャクシャになった顔の彼女が、半分怒って、そして半分泣きながら、言葉を詰らせながら言う。
『私が、どんな目にあって! どうして引っ越さなければ、ならなかったか知ってるでしょ!』
 まるで子供みたいに、泣きながら怒り、怒りながら泣いて、僕にその全てをぶつける彼女の姿、それは誰にも言えなかった事を、ようやくに言う相手を見つけた……そんな気がした。
『知ってるからケン坊は! 私が汚いって、知ってるからケン坊は! 待ってたのに、ケン坊に会えたのに! ばかぁぁーー!』
 そのまま僕の胸に、ぶつかる様に顔を埋めながら、固く握った拳骨でポカポカと叩き出す彼女の姿、それはとても弱々しくて、哀しい姿だった。
 あの日から、男達に輪姦をされてしまってから、彼女がどの様な日々を過ごさなければならなかったのか、想像しても想像しきれないだろう毎日、そんな日々を過ごさざる得なかった彼女……
『ごめん』
 僕は謝る……そして、あの日の事を告白しようと思った。あの日、輪姦される彼女の姿を見ていたと言う事を、洗いざらい告白してしまおうと思った。
『ばかぁ!』
 再び彼女の平手が、僕の頬にあたる。
『あやまらないで、悪いのは私なの! ケン坊に会えたのが嬉しくて、付き合ってくれるのが嬉しく、勝手に舞い上がった末に、こんな所にケン坊を連れ込んで、嫌われるのも当然なの、こんな汚い女なんだから!』
『違うよ、お姉ちゃんは綺麗だよ、汚くなんかないよ』
『じゃあ、なんで最後まで! やっぱり私の事を汚い女だって!』
『違うよ、タイミングを掴めなかったんだよ!』
『へっ?タイミング?』
 感情的と言うか、ヒステリーを起こし始めていた彼女が、突然に動きを止めて僕を見る。
『いや、まだ着けてなかったから……』
『着けてないって、なにを?』
『……コンドーム………』
 マジマジと僕の顔を見続ける彼女、その顔が急に横を向いたかと思うと
『プッ!』
 つづいて
『キャハハハァ――!』
 高らかに笑い出し、笑いながらベッドの上に顔を埋め、更に笑い続ける。
『だって急だから、事前に準備してたのは部屋に置いてきて持ってきてなかったし、部屋を探せば置いてあるかもしれないけど、すっかり逆上せていてお姉ちゃんがシャワー浴びている最中に探し忘れていて! それに着けてからしないと、赤ん坊が出来たら大変出し、いやいや! 別に出来ても結婚したらいい話だけど、お姉ちゃんの意見を聞いた上でなければ……』
 何か無茶苦茶な言い訳にならない、言い訳をし始める僕だったが、ベッドに顔を押し当てて笑い続けていた彼女は、ガバッ! と起き上がると、僕に抱きつきながらキスをしてくる。
『んっ!』
 そのキスをしている時間が、長かったのか短かったのか……よく解らないが、キスを終えた彼女は、僕の顔をじっと見て言う。
『ばか、女の子の方から誘ったんだぞ、今日は安全日で大丈夫なの』
 そして再びキス、彼女に押し倒されるようにして、僕はベッドの上に横たわった。

 ただひたすら柔らかかった。
 組み敷いた彼女の身体、そして触れた指や掌、触れ合った肌と肌、口に含んだ全ての部分……それらが、とても柔らかくて気持ちが良く、その柔らかさに沈み込むようにしながら、彼女の身体を愛撫し続けた。
『んっ……こんどは、ほんとうにきて、おねがい……』
 彼女の喘ぐような言葉、再び腹部に張り付きそうになるほど勃起している僕のペニス、片手をペニスに添えるように宛がい、ペタリと腹に張り付きかけているペニスを、事前に確めていた彼女の場所へと誘導していく、そしてペニスの先端が彼女の場所に、触れた事を確めた後に体重をかけながら、彼女の内側へと侵入させて行く
『くっ!』
 痛みを伴う彼女の喘ぎ声、それに驚き侵入させていくペニスの動きが止まるが、動きが止まった事に気がついた彼女は、戸惑いの表情を浮かべている僕を、下の方から見上げながら困ったような、少し哀しいような表情を見せ言う。
『初めてじゃないのに、痛いなんて……へんだよね、ゴメンねケン坊……』
 その顔が僕の罪を誘う。何かを言いたいが、何を言えば一番良いの解らない、あの日の事を白状したとしても、今の彼女にとって何の助けにもならず、ただ自分が罪の意識から逃れる手段にしかならない、だから僕は彼女の身体を抱き締め、彼女の全てを僕自身で貫いた。
『んぐぅ!』
 彼女の身体が反射的に動いて、僕の腕の中から逃れようとすが、僕はその動きを僕は抑え、更に身体を重ね合わせながら密着させる。逃れようとした彼女の動きが止まり、逆に僕の身体を抱き締め返しながら、背中へ廻した指先を僕の肌に食い込ませる。
『んんっ、ゴメンね! ケン坊、ゴメンね』
 いま感じている痛みを、まるで自分の罪とでも言うように繰り返す彼女
『ちがう!』
 彼女を強く抱き締めながら、僕は叫ぶ!
 喉の中ほどまで出かかった真実の吐露!
 既に言う事ができなくなった過去の負!
『あうっ!』
 深く突き込まれたペニスが彼女の肉を抉る。そして、その一番深い場所に達するのと同時に、僕の肉体に悲鳴を上げるような快感が突き抜け、欲望を迸らせた。

 我に戻った時には、僕は彼女の身体を強く抱き締めたままだった。半分意識を失っていたらしく、どれ位の間抱き締めていたのか解らなくなっていた。
『あっ、ごめん!』
 慌てて彼女の身体を抱き締めていた腕を緩めようとした時、離そうとした身体を逆に抱き締められる。
『おねがい、もう少しだけいいから、このまま……おねがい』
 結局、そのまま彼女と抱き合いながら一晩を過ごす事となるのだが、休憩時間で切り上げる予定だったのが、宿泊へと変わった事により、いざホテルを出る段になって、支払う宿泊代がギリギリとなり、慌てふためく事になったのは余談だ。

 それからの僕と彼女の付き合いは、特に変化するという事はなかった。
 何度かデートを繰りかえし、何度か身体を重ねあう。特に彼女から何を言われた事もないし、僕も何も言わなかった。
 だけど、一足先に彼女が大学を卒業する時に、バイトで貯めた金を叩いて購入した指輪を手渡す。
『僕が卒業するまで、待っていてくれないか』
 と言う言葉と一緒に……
 彼女からの返事は、聞くまでもない事だった。

 彼女との関係は、すでに両親に知らせており、彼女との顔合わせも無事に済んでいた。彼女の過去に起こった出来事を知っている筈の両親ではあったが、彼女の事を温かく迎えいれてくれ、結婚を前提とした交際を受け入れてくれた。
(その後に、彼女の家へと挨拶に行ったのだが、ある意味こちらの方が遥に大変であった)
 全てが良い方向へと進んでいく筈だった。そう……大学の卒業まで、あと一年残した年の瀬に、実家へと帰省した僕が、あれを見つけ出すまでは……


                                   


 本当なら彼女と一緒に過ごしたかったのだが、いろいろな都合のがあり、一人寂しく帰省した実家にて新年を迎えることとなった、年末間近のある日、新年を迎える前に自分の部屋の掃除くらいしろと、母親に掃除道具を手渡されたのが朝の事、そんな面倒くさい事が出来るかと、逃げ出そうとした所を母親に捕まったのが二時間前、そして自分の部屋にあるゴミを一通り片付ける事が出来たのは、一分前……と言う事だった。
 掃除で疲れた身体を、椅子へと持たれ掛けさせながら、最後の仕上げとばかり机の中を片付けている最中、最後の引き出しを開けようとした時に、その引き出しがガタガタと何かに引っかかり、上手く開かない事に気がつく、最後の最後になってからのトラブルに舌打ちをしながら、何が引っかかって開かなくなっているのか、それを確める為に苦労しながらも、何とか引き出しを開ける事に成功する。
 開かなかった引き出し、それが開かなかった理由は、引き出しの下に何かが貼り付けられていたせいだった。
 その貼り付けられていたモノが、何かの拍子で剥がれ落ち、それが机に引っかかって引き出しが開かなくなっていたようであった。
 まるで隠すように引き出しの裏に貼り付けられていたモノ、茶色い紙袋によって包まれているモノ、それが何であるかは、すぐに思い出す事が出来た。
『クッ!』
 取り出したモノの中身を見る事もせずに、集めていたゴミが入っているダンボールへの中へと放り込み、そのままゴミ集積場へと持って行き放り出す。
『ゴミ出してくれたの?』
 部屋へと戻る僕の姿を見た母が声をかけるが、それを無視するように自分の部屋へと逃げ込むように戻る。
 部屋に入るなりスイッチを入れたステレオからは、入れっぱなしにしていた音楽CDのメロディが流れ出す。そして僕は、頭から蒲団を被り、今しがた見つけ出したモノの事を忘れようと、ベッドの上で丸まりながら、必死に彼女の事を思い出そうとする。
 組み敷いた彼女の身体の柔らかさ、そして触れた指や掌、触れ合った肌と肌、口に含んだ全ての部分に感じた温もり、それは自分が彼女から受け取ったモノであり、確かな現実であった。

 気がつけば周囲は真っ暗だった。蒲団を被っているせいかと思ったが、どうやら日も暮れてしまっているらしい、のそのそと丸まっているベッドから這い出し、居間へと向かう。
『あら、起きたの』
 夕食の用意をしている母の姿、それは日常を象徴するかのような平凡な風景、その事に安堵しつつ、用意された食事がならぶ机へと落ち着こうとした時に母が声をかける。
『ご飯食べてからで良いから、ゴミ出して来てくれない』
 椅子へと座りかけた動作が止まる。
『母さん、ゴミってもう持って行ったんじゃ』
『ゴミ収集車のトラブルとかで、今日のゴミ収集は明日に延期になったんだって、役所の広報車が言ってたわ』
 何を食べたのか記憶にない、ただ食後に母に言われた通りに、ゴミを捨てに行った先のゴミ集積所には、いまだに収集されていないゴミが、乱雑に置かれたままとなっていた。当然の事ながら、僕が昼間に捨てた筈のダンボールも……
 家から持ってきたゴミを置く、そして昼間に捨てた段ボール箱へと、ゴミを置いた僕の手が伸びる。震える手は、ダンボールの閉じあわされた蓋を開け、その中に捨てられている筈の紙袋を探しだすが、それは中々な見つからない、このまま見つけ出せなければ良いと思いつつ、探し出す手の動きは止まらず、ついに目的の紙袋を見つけ出してしました。
 見つけ出した紙袋、それを服の内側へと隠し、急ぎ足で家へと駆け戻る。

 自分の部屋、一度は捨てたモノを握り締めながら迷い続ける。
 この紙袋の中に隠されているモノを開けてみたいと言う欲望と、このまま捨て去るべきだと言う理性の叫び、だがその叫びは既に弱々しくなっており、こうして捨てた筈のモノを再び回収した今となっては、欲望が心の内を支配し始めていた。
 机を開けて、ハサミを取り出す。そして厳重に紙袋で包み込まれているモノの封を、切り開き始める。
 ジョキリ! と言う紙が切れる音、その音と共に切られた部分が開け広がり、その内部に納まってモノが取り出されて行く……
 取り出されたモノ、それは布切れの様なモノ、元は白かったのであろうが、長年の歳月によってか、少し黄ばむ様に変色をしている。
 その布切れが、机の上に押し広げられ載せられるが、両端を押さえつけている手が離れると、ゴムが縫い込まれてでもいるのか、それとも材質自体がその様な物なのか、クシャリと小さく縮こまってしまう。
 縮まった布切れを、僕は再び広げて元の形へと両手によって固定する。
 その布切れは、あの時……彼女が、男たちに輪姦された時に身に着けていた下着、全てが終わったとに、落ちていた彼女の下着を僕は拾い、それで始めての自慰をした。
 いけない事だと感じ、酷い事をしていると思いながらも、この下着を握り締め、その感触と臭いを嗅ぎながら、彼女が男達に輪姦されている場面を思い出しながら、何度も自慰を繰る返しては果てた。
 輪姦されている彼女の姿、泣きながら男達に組む伏せられ、玩具のように嬲られ続ける姿、裸にされ小さな胸を揉まれ、喉が張り裂けそうになるほどに悲鳴をあげながら、その小さな身体が犯されていく姿を思い出しては、何度も自慰に耽り続ける。
 彼女と最後に別れた後も、小学校を卒業した後も彼女が犯される様を思い出しては、まるで猿のように自慰を続ける。それでも少しでも罪悪感を紛らわせる為か、彼女が男達に輪姦されるている場面を思い起こしても、彼女を犯している男達の中に自分を加え、男達と同様に彼女を犯すという場面だけは、絶対に想像せずに、彼女が犯されている姿を見ている自分を想像するだけだった。
 しかし罪悪感が完全に消える筈も無く、彼女の下着を使っての自慰を止める事にしたのは、高校に進学した時の事だった。それでも彼女の下着を捨て去る事もせず、机の引き出しの裏に貼り付けて取って置いたのは、未練たらしくも女々しい、僕らしい事といえたろう。
 それから数年、既に忘れていた……と言うよりは、無理やりに意識の外へと追い出し、忘れたと思い込んでいた。
 それを見つけ出してしまい、完全に投げ捨てる事もせずに、再びそれを目の前にする。そればかりか、広げたそれを握り締め、顔へと近づけて行き、その臭いを嗅ぐ、染み込んでいた筈の彼女の香りなどは、とうの昔に消え去り黴臭い埃の匂いしか感じられなくなっているが、何十、何百と嗅ぎ続けていた香りが鼻腔に蘇り、記憶を鮮明に思いこさせる……彼女が、男達に輪姦されている姿を……

 逃げ出そうとした彼女が、男達に捕まり、その着ている服を引き剥がされる。その引き剥がされた服の下からこぼれ出す乳房、男達の荒々しい手がその乳房を揉み、彼女に悲鳴をあげさせ、その身体を嬲り犯して行く……
 久しぶりの思い起こす、あの時の彼女の無残な姿……だが、ここまで思い出した時に、奇妙な事に気がつく!
 犯されている彼女の姿は、あの時の彼女の姿ではなく、いま付き合っている彼女の姿をしている事に、成長した彼女が、僕の記憶の中で男達に犯されている。
 何度も僕の手が感じとった柔らかな乳房が、男達の手によって蹂躙さて行く、抱え込まれながら突かれている肉体も、あの時の彼女の肉体ではなく、成長した女の肉体であり、僕が何度も抱いた肉体、押さえつけられた頭部と、その強引に開け広げられた口へと捻じ込まれに捻じペニスに、苦痛と哀願の表情を浮かば顔も、今の彼女の顔であった。
 この妄想を止める事が出来ない、昂る感情は異常な興奮を誘い、見た事もない筈の記憶の場面が脳裏に浮かび上がり、いまの姿の彼女が男達に輪姦されていく、柔らかな彼女の乳房が、男の手の中で歪みながら揺れ、濡れた股間が男達のペニスに蹂躙されて行く、悲鳴をあげながら抵抗をする姿も、逃げ出そうと足掻く姿も、まるで見た事があるかのように記憶の中に展開されて行く!
 彼女と初めて結ばれた時以上の快感が、尻の穴から脳天へと一気に突き抜け、その激しい快楽に意識が消えていく、そして気がついた時には、元々下着であった布切れを掴みながら、半分失神した様な僕は、大量の精液を股間から吐き出しながら、だらしなくベッドの上に横たわっていた。

 精液に塗れた布切れを目の前に持って行き、それを眺めながら僕は何かを口に出そうとするが、その言葉が口から出て来ない、口に出してしまえば、取り返しのつかない事になると知っているから、その言葉がなかなか口から出てこない……
 唇がピクピクと痙攣するように震え、顎がガクガクと動き出し、ガチガチと歯と歯がぶつかり合う。口の中にある舌が、痙攣でも起したかのようにピクピクと動き出し、何か言葉を吐き出そうとし始める。
 禁断の言葉、自分の欲望を純粋に表現する言葉、それを一度でも言えば、僕と……彼女にとって、破滅しか待ち受けてい無いと言う事を知りながら、口に出して、そして実行したいと強烈に感じる思いの言葉……僕は、それを終に口に出した。
『いまのお姉ちゃんが、男達に輪姦される所を……見たい』
 そして口に出した言葉は、呪術的な魔力にも似た力を持ち始め、すでに決定された事実として、実行へと移されていく事となった。



                                


 夢を見た……
 あの忌まわしい日から、何百回となく見続けている悪夢を……

 適当に打たれている杭と、その杭に張り巡らされている針金、だけどその針金は錆びて所々が切れており、
ベニヤ板に書かれている「立入り禁止」の看板も役目を果たしていない
『こんなんだったらケン坊達が、遊び場所にしているのも仕方ないわね』
 人が住まなくなって10年以上の月日が経っている廃屋、そう言う私も小さな頃は友達と一緒に幽霊屋敷探検!と言う事で、入り込んだ記憶もある廃屋、それらの伝統は、子供達の間に代々伝えられているようで、お隣のケン坊が、よく忍び込んでは遊んでいると自慢げに言っていた事からも察せられ、なかなな微笑ましい事だと思ったりする。
 そんな思い出のある廃屋が、取り壊されるという事を知ったのは先日の事だった。
 別に気にする事でもないのだが、子供の頃の風景が消える事に、何となく寂しい物を感じてしまい、休日の午後……散歩のついでにと、わざわざ廃屋が見える場所にまで足を伸ばす事にし、こうして廃屋を見ていたりするのだが、何の変哲もない廃屋の様子を見続けていても、何か起こる筈もなし……
さすがに、あんまり頭の良い行動ではないと気がつき、その場所を後にしようとした時に、そいつらと出くわしてしまった。

 明らかに不良と呼ばれるタイプの人達とは違い、少なくとも外見の格好と言うか、イメージこそ普通の人達と違わないが、その内実は不良らしい格好をしている人達よりも、遥に性質が悪いとされている集団、なんでそんな人達の事を知っているかと言うと、学校で彼らが一人の生徒を取り囲んで虐めていたのを目撃し、それを先生に連絡した事があるからだ。
それは同時に、彼らも私が先生に言ったという事を知る事となり、嫌がらせの様な事を何度かされる事になっていた。
『嫌な奴らと出会った……』
 それが、その時に正直感じた気持ちであり、その気持ちに素直に従ったら、あんな目には遭わなかったかも知れない……少なくとも、その時は嫌な奴らだと思っても、自分の方から歩く先を変えて、遠回りしようとは思わなかった。
学校で受けていた嫌がらせに、少々腹を立てていた事もあったのかも知れない、私は奴らの前を、奴らを無視するように堂々と通り過ぎようとした時、不意に腕を掴まれる。
『きゃっ! 何のなのよ、手を離してよ!』
 掴まれた手を振り祓う為に大きく動かそうとするが、強い力で掴まれた腕はビクとも動かない、
更に手を大きく動かして強引に振り解こうとした時、他の男達が私を取り囲む。
『なっ、なによ、どいてよ! 人を呼ぶわよ!』
 私を見る男達の顔は笑っていた……とても厭らしい笑顔を見せて、そして私の身体を抱えるようにして、廃屋の方へと引っ張り出す。
『なっ、放して、放しなさいよ!』
 この時になって始めて恐怖を感じる。自分を見ている男達の顔が、鬼の様に恐ろしく見えてくる。何とか手を振り解き逃げ出そうとしたが、すでに腕だけではなく身体全体を男達に抱え込まれるようにされ、抵抗しようも無く廃屋へと引きずり込まれて行く。
『いや、放して!誰か、誰かっ、ぐっ!』
 大きな声を出し、助けを呼ぼうとしたが、声を出す前にお腹を思いっきり殴られ、その苦しさに呻き声を絞り出す事しか出来ない
『いやぁ……やだよぉぉ……』
 廃屋の中に完全に引きず込まれる私、ようやくに大きな声を出せる様になったのは、廃屋の内部へと完全に連れ込まれてからだった。
『いやぁぁ――!! 放してぇ、放してぇよ、誰か、誰か助けてぇぇ――!!』
 もはや大きな声を出したとしても、廃屋の外に声が漏れだす恐れが無くなった事を知っているとでも言うように、泣きながら助けを求める声を出し続ける私を、男達は抱きかかえるようにしながら二階の部屋へと連れ込んだ。

 乱暴にドアが蹴り開けられ、この部屋に連れ込まれた最後だと、最後の抵抗を試みて、扉のドアに手をかけて、必死になって部屋の中に連れ込まれまいと頑張る。
そして半分泣きながら、大声で助けを求め続ける。
『誰かぁ、誰かぁ来てぇぇ――! 誰でも良いから助けてよぉぉ――!』
 その声が外に聴こえる(原文:聴こええる)とは思えない、それでも最後の力を振り絞るようにして、大きな声で叫び続ける……だけど、その抵抗も男達の暴力の前に、ドアから身体を引き剥がされ、部屋の中にひかれていた蒲団の上へと、身体を放り出されてしまう。
『ひっ!』
 放り出された次の瞬間に起き上がり、まだ半開きとなっているドアから逃げ出そうとしたが、カウンター気味に繰り出された蹴りによって、蒲団の上に再び倒れ込んでしまい、今度は起き上がる間もなく、男達が襲い掛かってきた。
『いやぁぁーー!』
 抗いの声を張りあげ、暴れる身体が捻られるようにして押し倒される。
『やめて、お願いだから! やだぁぁーー!』
 必死に赦しを請いながら、抵抗を続ける私の耳元で、凄まじい音がし、何かが顔を掠めるようにして吹っ飛んで行き、派手な音を立てる。
『ひぃっ!』
 思わず息を呑み、悲鳴が途切れてしまう。
 蹴り飛ばされたガラクタが壊れる音、そして男の怒声を浴びせかけられ、
恐怖によって心が縛られてしまう……怖い!
男達が、ただ怖く、そして恐ろしく、大きな声を出す事が出来なくなる。
ただ辛うじて絞り出した声で、溢れ出て繰る涙と共に呻くように言う。
『やめてください、おねがい……おねがぃぃ……』
 男達が、止めてくれる事など、ある筈がないと知りながら……

『いやっ! やめてぇ、謝るから、謝りますから、ごめんなさい!許してください、おねがい、おねがいします!』
 何にたいして謝ると言うのだろうか? 自分でも訳が解らないままに口から出る哀願の声、それを無視するかのように男達は、私が着ている服を次々に脱がして行く
『ひっ! そんな、だめっ! 絶対にだめぇぇ――!!』
 剥ぎ取られ投げ捨てられるカーデイガン、その下に着ていたブラウスのボタンは、面倒臭いとばかりに前を大きく引き開けた時に弾け飛ぶ。
『いやぁ!やめてぇ、やめてください!!』
 開かれたブラウスの下から出たブラジャー、それを腕で覆い隠そうとするが、その隙にスカートにかけられた手が動き、強引にスカートが引き脱がされ、その拍子にホックが壊されてしまう。
『だめっ! だめぇぇ――!』
 脱がされて行くスカートを押し止め様とし、今度はブラウスを完全に引き剥がされる。
完全に剥き出しとなったブラジャーに手がかけられ、思いっきり引っ張られ、引き伸ばされる。
中学になって初めて買ったお気に入りのブラジャー、それが引き伸ばされ胸から外されようとされている。
思わず引き剥がされまいとして、掴んだブラジャーが、まるで綱引きのように引っ張られらあった末に、ブチン! と音をたてて引き千切れる。
『あっ!』
 同様に擦り下ろされそうになるショーツを脱がされまいと、脚をばたつかせ足掻くが、逆にその動きによって、半分千切れていたショーツが、あっさりと擦り下ろされる事となり、引き千切られたショーツが遠くに放り出される。
『いやっ! やだぁぁ――!』
 全ての衣服を引き剥がされた一瞬、男達の間に隙が出来た。
男達も裸にされたまま、逃げるとは考えていなかったのかも知れない、男達の間を潜り抜けるようにして駆け出し、ドアの前までたどり着き、ドアノブヘ手をかけてドアを開け部屋の外へ駆け出そうとした時、背後から髪の毛を掴まれ引き倒される。
『ひぃ! いたぃ、いやぁぁ――』
 髪の毛を掴まれたまま、元の場所へと連れ戻される。
三つ網に結んでいた髪が解け、振り乱れた髪が顔に被さり、そのまま髪を掴まれた格好で身体が持ち上げられた。
『ひぐっ! いたい、いたいからやめてぇ!』
 何本もの手が伸びてきて、胸が揉まれる。ようやくに膨らみだした私の乳房、自分で軽く触れても痛いと言うのに、男達は私の悲鳴を無視して、胸を揉みながら乳首を抓るようにして捻り弄ぶ、ヌチャリとした感触は、胸に這わされている男の唇と舌の感触、それを感じた瞬間に鳥肌が全身に走り、思わず吐き気がこみ上げてくる。
『んやぁ…やぁぁ……あうっ、うぅぅ……やめて、やめてぇぇ――!』
 胸に吸い付いている男の口から、何とか胸を引き剥がそうと足掻くが、押さえ込まれている身体は動かない。
『ひぎゃあぅ!!』
 胸に痛みが走る。胸を強引に揉まれる痛みではない別の痛み、痛みの方へと目を移すと、男は乳房に歯を立てて噛み付いていた。
『痛い、痛いぃぃ!! やめて、噛まないで、痛いよ!』
 叫ぶ私の方を見て男は笑う……その唇には、乳房から滲み出した血をこびりつかせながら。
『ひっ! やだぁ……助けて、お母さん!お母さん!たすけてぇぇ――!!』
 男はそのまま下半身の方へと顔を下ろしていく、そして舌が私の身体を這って行く……
『やめて! おねがい、こんなのぉやだぁぁ――!』
 信じられない事態、何で私がこんな眼に遭わなければいけないのか理解できない、泣きながら哀願を繰り返し、男達の手の中から逃れようと足掻く私……
だが、それは無駄な抵抗にしかならない、男達は何事か目配せをし合った後に、二人の男が私の身体を布団の上に押し付け、残り一人の男が私の目の前でズボンを脱いで行く、まるで私に見せ付けるかのように降ろしたズボン、その内側から飛び出した物体を両手で掴み、私の顔にペチペチと触れさせる。
『うっ!やだぁ、そんなので触れないで、離して、あっちにやって!!』
 男は私の言葉に笑顔で応え、顔の触れさせていたモノを離す……
 そして、そのまま一気に私の上に覆い被さってきた。
『ひっ、やめてぇ! そんなこと、だめぇぇ――!!』
 覆い被さった男は、両手に唾を吐き、それを股間のモノと私の股間に何度も塗りつけた後、身体をぶつけるようにしながら、下半身を押し付けてくる。
 私の股間を突付くように動く塊、それが何度か続いた後に、その塊が私の内部へと一気に突きこまれた。
『ひぃがぁっ! いぎゃぁうぁぁ―――!!』
 私は叫ぶ、焼けた火箸を肉に捻じ込まれた激痛! 
その激痛が、突き込まれた場所を中心にして、全身へと広がりながら、私に悲鳴をあげさせ続ける。
『はぁぎぃ! うぅーうぅぅうわぁうわぁぁぁ―――!!』
 焼け爛れた肉が引裂かれ、さらに焼かれて行く激痛、私が汚されたと言う悲しい証明、覆い被さったままの男が、身体を揺すりながら腰を押し付け肉を抉り続ける。
『あぐぅ! いぃぃひぎぃぃ!!』
 同時に激しい痛みが、断続的に身体に加えられ続けられ、その痛みに私は悲鳴をあげ続けながら、心の片すみで否定し続ける。こんなのは嘘だ!と……
 まだ出会っていない、これから出会う筈のすてきな男性、その男性と身も心も一つになるのが、私の初体験の筈なのに、なんで……嘘だ!
 だが幾ら否定した所で、股間から広がる苦痛は止まずに、覆い被さっている男の動きに合わせ痛みは続く、腰を押し付けながら胸へと伸ばされた掌が乳房を揉み、別の痛みを私に与える。そして苦痛の悲鳴を上げ続ける私の唇が、男の唇で塞がれる。
『んぶっ、んなぁぁ! うぅぅっ!』
 唇を舐め廻す舌の気持ち悪さに胸がむかつき、吐き気が込み上げて来る。
 やがて男の唇が私の唇から引き剥がされ、何かを私に向かって言う。
 気持ちの悪さと痛みの為に朦朧となった意識では、何を言っているの解らない……解らないが、更に激しくなって行く男の動きで、何が起こるのかを本能的に私は知る。
『ぐぅぅ……やだょぉ、だめぇ、ださないでぇぇ……あぐぅ! おねがいだから、ださないでぇぇ……』
 呻くような声しか出せなくなっていた私は、
それでも必死に哀願の声を出し続けるが、突き入れられている物から染み込み出してくる汚濁が、身体中へと広がっていくのを受容れるしかなかった。

 腰を震わせながら、最後の一滴まで注ぎ込み、ようやくに満足したのか、男が私の上から離れるが、入れ替わりに別の男が覆い被さってきて、前の男と同様に肉を抉り始める。
『いやぁぁ、もうやめて、おねがい……おねがい……』
 肉を焼きながら突き込まれる様な苦痛に、思わず口から出る呻くような声で哀願をしてしまう、だが男は嘲るような笑みを浮かべる。
 そして聞こえるパン! パン! と言う乾いた音……その音の後に、両の頬が熱くなり、哀願の言葉を出す事さえ封じられてしまう。
 耳元で荒い息を吐き出しながら、私を犯し続ける男達……
『あうっ! ううぅぅぐふぅぅ……あぐぅぅ……』
 流れ出た涙と鼻水を、垂れ流させながら、それをすすり上げ泣く事だけしか、男達に私は許されなかった……
 やがて二人目の男が射精を終え、三人目の男が同様に覆い被さってきた時、抵抗する気力は完全に尽き果て、為すがままに全てを受容れた。

 三人目が終わった後に、四つん這いになるように命令され、恐怖と諦めによって命令に従おうとするが、身体はろくに動かせずに、苛立った男達の手によって、尻を思いっ切り叩かれる。
『ひぃ!立ちますから、立ちますから……叩かないで、痛いのはもういやぁぁ……』
 ノロノロと立ち上がろうとした私だったが、男達は立ち上がらせようとせずに、強引に四つん這いと言う状態にさせられる。
 四つん這いの姿勢になった私の目の前に、男のモノが突きつけられる……そして自分の放った精液と、私の破瓜の血が付着し汚れたままのモノを咥えろと言われた時、私は言われるままにそれを口に咥えた。
 すでに抵抗しようとか、抗おう気持ちは無くなっており、男の物を口に咥えて舐めると言う行為に対して……
『これなら痛くない……良かった……』
 と言う、奇妙な安心感すら出始めており、むしろ積極的とも言える程に、咥えさせられたモノを舐めしゃぶる。
『ぐむぅぅ! づっぅぐぅ! むむぐぅぅぁあっ!! えへぁっうごわぁっ、うじゅっじゅぶぅぅ……おうっ!』
 舐めていれば、これ以上痛い事をされなくて済むと考え、
音を立てながら必死にしゃぶる。どうすれば上手くしゃぶれるのか知らない、知らないが私はしゃぶり続けた。だが、口での奉仕だけで終わる筈もない、口で奉仕し続けている私の後ろに回り込んだ別の男が、蹂躙したばかりの場所から垂れ出している精液を掬い取り、尻の穴へと塗り始まる。
何がこれから起こるのか、私には想像も出来ない事を男はし始める。
『んぶっ! ぶふぅ、ふいぁぁぁ、むぐぅぅ――!!』
 尻たぶが、押し広げられて行くのが解る。
そして剥き出しにされた肛門へと塗られるベチャリとした感覚、そしてそれが塗られた肛門へと挿入される、男のモノの感触!
『あぎぃうぅっ。ううあぁっ! ちゅぶぅぁあうぁ、あおぉうぁおあぁう!!』
 メリメリ! と尻が裂けて行く激痛、先程とはまた別の激痛が身体を引裂いて行くが、最初の時ほどの抗いは見せない、ただひたすらに耐え続け終わるのを待ち、口へと突き込まされている物を必死にしゃぶり続ける。
『うーうーうぅーうわぁ! あっあぁぁちゅぶぁおおぉぉっえあっぁぁ。うーうーうぅぅーー!! くっくぅぅぅ…ああぁうっっ!!」
 延々と続く凌辱、聞こえるのは自分のすすり泣く声と、男の物をしゃぶり続ける隠微な音、そして男達の卑猥な言葉の羅列と嘲るような笑い声、四つん這いになっている身体の下に、別の男が入り込んできて、膣へと自分のモノを挿入する……私は犯される。口……膣……肛門……三つの穴、全てを同時に犯され、身体の内と外を、男達の精液によって念入りに白濁の化粧を施されて行く、強引に揉まれ続けた胸は赤く腫れ内出血を惹き起こし始めている。
それでも男達は胸を揉み上げ、乳首を捻り上げては弄び続け、更には何箇所も乳房に噛み痕を刻み込み、血を滲ませる。

 すでに何回膣の中へと出されたか、それを数える気も起きないほどに犯され続けた末に、男達はようやくに私の身体の上から離れて行く、
そして布団の上で身動くすら出来ずに転がっている私を見て嘲笑い、最後のついでとでも言うように転がっている私に蹴りを入れる。
『えぐっ! げぇひぃぃ!!』
 腹を蹴られ、朝食と一緒に飲まされた精液が逆流し吐き戻される。そして吐き戻された反吐に顔を押し付けられ、それを舐めさせられた後に、男達は笑い声だけを残して部屋から出て行った。

 余りの出来事に、暫くは動く事さえ出来なかった。
ようやくに身を起し、精液で汚れた身体を、寝転がっていた蒲団や、引き千切られた衣服の切れ端で拭い取り、なんと精液の汚れだけは拭き取る。
 そして、何とか散らばっている衣服を掻き集め整えるが、その途中で涙が出てくるのを止める事が出来なくなる。
『うっ……うぅぅ、何で、何でなのよぉぉ……』
 泣きながら服を着なおし、廃屋から出た時には、既に夕方となっており、夕闇が迫る中を私は、足を引きずりながら家路についた。

 そこで目が覚める。
 全身に滲み出してきている、気持ちの悪い寝汗と全身を侵食する不快感、絶望の叫びを張りあげたい衝動に駆られるが、それを必死になって飲み込み、そして思い出す。
 彼の手の温もりと、優しく包み込まれた感触を……
「大丈夫……もう大丈夫なのよ早苗……」
 自分で自分に声をかける。
 そして、大きく深呼吸を繰り返して、心を落ち着かせて行く……

 家に帰りついた私の姿を見た母は、その場で意識を失いそうになった。
 それほどまでに私は酷い有様だった。それでも母親としての使命感によってか、私をすぐに病院へと連れて行ってくれる。
母が運転する車によって連れて行かれた病院は、私が住んでいる街から、かなり離れた場所にある病院だった。
 理由は二つ、その病院には、母の知り合いが医者として勤めていたので、何かと便宜を図ってくれる事、そして家の近所の病院などに行った場合、その事が噂となってしまう可能性を心配しての事だった。
 病院で行われた処置、身体の傷の治療と妊娠の危険を避ける為に行われる膣洗浄と、薬物の投与……それらの治療を受けた後に、個室へと運ばれて、そのまま入院する事となる。
無個性な白いベッド、その上で横になっている私に、母は優しく言ってくれる。
「忘れてしまいなさい、お母さんが守ってあげるから、忘れていいのよ……」
 そんな母の言葉を聴きながら、私は効いて来た薬のせいもあり、深い眠りへと陥っていった。

 母は、私が強姦されたという事を、世間から隠し通そうとしてくれた。
だが私が強姦されたと言う噂は、何時の間にか街中に広がっており、すぐに隠し通す事は出来なくなってしまう。
そして母は、私を守る最後の手段として、住みなれた街から、誰もこの事件の事を知らない土地へと、一家で引っ越す事を決めた。
 引越しの数日前まで、私は病院で治療を受け続けていた。強姦された時に受けた傷痕の治療と言うよりは、強姦されてしまったと言う精神的なショックの治療、そちらの方がメインであったが、完全にショックが癒される筈もなく、結局は引越しの準備の為に中途半端に退院する事となり、自宅へと戻る事となった。
 引越しをするまでの数日、何人かの友人達が見舞いに訪れたが、人と会うという事が苦痛であり、結果として誰にも会わずに、そのまま帰ってもらう事になった。
 誰にも会いたくなかった。私に何が起こったのかを知っている人達に、どの様な顔をして会えばいいのだろうか、だから会える筈などなかった。

 そして明日引っ越すという晩、お隣のおばさんが家を訪ねてくる。私が小さな頃から、何かとお世話にもなっていた隣の一家、さすがに黙って居なくなる事も出来ずに、おばさんの家だけには、引越しの挨拶をしていたので、最後の挨拶をしに来たのだろう……そう思った。
 漏れ聞こえてくる母とおばさんの会話、意味も無く聞き流している中に、ケン坊の話題が出てくる。
 ケン坊……隣の家に住んでいる男の子、三つ年下の弟の様な子供……
『うちの子……喧嘩……お姉ちゃんを……慕っていた……』
 漏れ聞こえる話、何を言っているのだろうか……少しだけ気になり、おばさんが帰った後に、お母さんに何を話していたのかを聞いてみる。
 そして私は知る……ケン坊が、私の為に上級生の子供と喧嘩をし、けがをしたという事を……
『早苗ちゃん、どうしたの急に泣き出して』
 母の声で自分が泣いていると言う事に気がつく、ぽろぽろと溢れ出してくる涙……あの日から初めて流す事が出来た涙だった。

 窓を軽く叩く、ガラリと開いた窓からは、何時ものケン坊が姿を見せてくれた。
『ケン坊……ありがとう』
 驚いたような表情をしているケン坊に、精一杯に笑顔を向ける。
『ケン坊のお母さんから聞いたよ、私の為に喧嘩してくれたんだってね』
 そして手に持ったビーズ人形を手渡す。
『これ、前にケン坊がほしいって言っていたでしょう』
 ケン坊にビーズ人形を手渡そうとした時、私の手がケン坊の小さな手と触れ合う。一瞬、ビクッ! と反射的に触れた手を振り解きそうになる。
まだ人の手に触れる事すら怖くて恐ろしい、だけど触れた部分のケン坊の手は温かい、引っ込みかかった手を伸ばし、ケン坊の手を握り締めるようにして両手でしっかりと包み込む。
『ケン坊の手、温かいね……ケン坊の手の温かさだけは、絶対に忘れないからね』
 ケン坊の温かい手の感触、それを忘れないように、もう一度強く手を握ってからケン坊とお別れをする。
 明日引越しをするという事は、声が詰ってしまい言えなくなってしまった。無理に言葉を探して、言おうとすれば、その場で泣き出してしまいそうだったから、せめて最後のお別れの時は、笑顔でいたいと思ったから……

 翌日、ケン坊が学校へ行っているうちに引越しをした。
 遠ざかる家、今まで暮らしてきた家が遠くなって行き、やがて見えなくなる……そして、私の新しい生活が始まった。
 

                                 


新しい生活が始まったと言っても、あの忌まわしい記憶は消える筈も無く、常に悪夢として何度でも蘇ってきては、私を苦しめ続けた。
 新しい学校への登校拒否、拒食症、そして自分の父親すら恐怖の対象となる男性恐怖症、
肉体の傷は癒えても心の傷は容易に癒える事は無かった。
 そんな地獄のような日々の中、あの最後の日に感じたケン坊の手の温もりだけが、私を救ってくれた様に思え、その温かさを糧として私は、少しずつだが心の傷を癒して行く……そして何年かの月日が過ぎて行く中で、私は社会復帰の訓練を兼ね大学へと進学する事にした。
 男性恐怖症が、完全に克服された訳ではないが、何時までも閉じ篭ったままで居られる筈もない、
だから女子大ではなく(中学、高校は女子高に通っていた)男女共学の大学を選ぶ事にし、その大学に無事に合格する事が出来た。

 そしてキャンパスで過ごす二年間、完全に男性恐怖症を克服できたとは言えないが、
大学生活を普通に送れる程度には、生活できるようになっていた。
 そんなある日、キャンパスで女友達と一緒に歩いていた時、突然見知らぬ男性に肩を掴まれるという事態が発生した。
 突然の出来事に、あの時の恐怖がフラッシュバックの様に蘇り、思わず悲鳴を出してしまった私、肩を掴んだ男性は慌ててポケットから、何かを取り出して私の前にぶら下げる。
 ぶら下げられた物は、ビーズで作られた、何処か見覚えのある人形……
そして、その男性は大きな声で言った。
「僕だよ、隣に住んでいたケン坊だよ!」
 目の前にぶら下げられた物、それは紛れも無く、あの最後の夜にケン坊に手渡したビーズ人形をだった。
 慌ててビーズ人形と、それを手にしている男性の姿を見比べる。信じられない思いが強く、思わずかけている眼鏡を外して、その眼鏡をコシコシと拭いた後にかけ直し、再度マジマジと男性の顔を見る。
 記憶にある面影と、目の前の男性の顔が合致し、その瞬間に思わず言葉が漏れ出す。
「ケン坊……?」
 私が言った名前に反応して、ニコリと笑う子供のような笑顔は、紛れもなく隣に住んでいたケン坊の笑顔だった。

  ケン坊が、私に交際とデートを申し込んで来たのは、再開してから一週間もたたない時期であった。
 突然の申し出に、一瞬の迷いを見せてしまった私だが、実の所は嬉しかった。デートは回を重ね、三回目のデートが終わった時に、私の方から四回目のデートを誘う。
 そして交際を始めて数ヶ月……私の方から、強引なアプローチを仕掛ける。

 実際の所を言えば不安だった。私の過去を知っているケン坊が、何時か私から離れて行くのではと言う不安、何時までもケン坊が私のそばに居てほしかった。
 だからケン坊が、私から離れて行く事が出来ない、出来なくなるような関係を、強引にでも結んでしまいたい、その手段として私はケン坊に抱かれたいと思った。
 それは愛情などではなく、計算ずくの行為だと言う事は、常に記録している基礎体温によって、妊娠などしない時期を選んでケン坊を誘った事からも明白だった。
 いま考えれば、余りにも身勝手で打算的な行動、だけどあの時は、この様な行動しか考える事が出来なかった。
 だから私の方から、ケン坊をホテルへと連れ込むと言う行動に出てしまった。

 先にシャワーを浴び終わったケン坊が、半透明のガラスドア一枚を隔てた場所に居る。
自分がしでかした行動に、今更ながら不安にも似た後悔の念が湧き上がってくるのを、完全に抑えきる事が出来ないでいる。
 ケン坊の服の袖を掴んでの、強引な行動……ホテルの中、そして部屋に入り込むまでは、一言も口を聞かない……と言うよりは、口など聞ける筈もない!
 ようやくに口を開く事が出来たのは、完全に部屋の中へと入り、呆然としているケン坊の顔を見た時だった。
「ケン坊、知っているんでしょう?」
 思わず俯いてしまう自分……
「わたし……汚れているの、あの時からずっと」
 そして何をケン坊に言おうとしているの、自分でも解らなくなってくる。俯いた顔を必死の思いで持ち上げるが、溢れ出して来る涙でケン坊の顔がよく見えない
「だから、あっ!」
 更に何かを言わなければと思い、無理にでも言葉を続けようとした時に、私の唇がケン坊の唇で塞がれる。忌まわしい記憶が一瞬蘇り、身体が強張り、反射的に逃げ出しそうになってしまうが、それは本当に一瞬の事、すぐにケン坊に身を任してしまう……望んでいたのだから……
 重ね合わせた唇、その閉じられた唇にケン坊の舌が触れてくる。私は自ら唇を薄く開き、その舌を受け入れ、私の舌を代わりにとでも言うようにケン坊の口の中に差し込む。
 互いの口の中で絡み合う舌の感触、どれくらい唇を重ね合わせ続けたのか……もっとこうしていたかったが、息がだんだんと苦しくなってくる……限界まで我慢した次の瞬間に、勢いよく唇を離してしまった。
「ごめん、ケン坊……息、苦しくなっちゃった」
 はぁーはぁーと、息をつきながら私は、照れ隠しの笑みをケン坊にむけた。

 先にシャワーを終えたケン坊に
「一緒にシャワーを浴びようか?」
 と言われたが、それはさすがに恥ずかし過ぎて、昔の事を思い出しながら、ケン坊の頭を軽く叩いてごまかした。

 シャワーは、とうの昔に終わっている。だけどバスルームから外に出るタイミングが難しい、少々迷った末に、外で待っているケン坊に……
「向こう向いていて」
 と、命令した上で、バスタオルでしっかりと身体を隠してベッドの中に潜り込んで、ケン坊を待つ事にする。
 言う事を聞いてくれるか、少々不安だったがケン坊は、とても良い子で素直だった……少しくらいは、素直じゃなくて良いのにと思うけど
 するりと潜り込んだベッドの中から
「もういいわよ」
 そう言ったとたんに、向こうを素直に向いていたケン坊が、バッ! と言う感じで私の方を見る。そして、あっという間に、私の横へとベッドの中に潜り込んできた。
 すぐに始まるかと思っていたのに、何だか二人の間に奇妙な沈黙が続く、互いに何だか切っ掛けが掴めない、天井を見ているのも何だか変なので、ケン坊が居る方へと顔を動かしたら、ケン坊も同じ様に此方の方を見ようとしていた。
 お互いの視線と言うか、目と目が鉢合わせし、何だか急に可笑しくなって来て、二人してクスクスと笑いあってしまう。そして笑いあった後、ケン坊が私の身体を引き寄せ抱き締めた。
「あっ!」
 思わず漏れ出させてしまう声、身体が緊張して震えだしてしまう。
「震えてごめんね、やっぱり怖いの……でも!」
 自らが望んだ事だというのに、怯えて身体を震わせてしまう事が、何だかとても悔しくなってくる。その怯えを振り払う為に、私は自らケン坊に身体を預け、唇を重ね合わせた。
 ケン坊は、そんな私に応えてくれた……私よりも強い力で身体を抱き締め、重ねた唇を激しく吸ってくる。そして、何時の間に胸へと置かれているケン坊の手が動き、私の乳房を強く揉んだ。
「あっあぁぁ!」
 身体が反射的にビクリと動き、離れてしまった私の唇から声が漏れだす。その声は、私が知っている私の声ではなく、まるで別人のような声……でも紛れもなく私の声だった。
 胸を揉んでくれていた手が、下半身の方へと下りて行くのが、肌の感触を通して解る。そして、ケン坊の指先が私の部分に触れた。
「そこは、くぅふっ!」
 触れた指先が、私を掻き分けながら肉に触れ、濡れた場所を優しく撫でる。
「あうっ、んぁ!」
 私の口から漏れ出す声を止められない、それどころかこの声をケン坊に、もっと聴かせてあげたいとすら思う。それは、私がもっと沢山の声を出せるほど、身体に触れてほしいと言う思いでもあった。
 だけど同時にとても怖くなる……この手の感触は、間違いなくケン坊だけど、別の感触も思い出してしまう。
「うくっ! あぁぁ、こわいの……」
 怖い……と言う気持ちが湧き上がり、それが無意識の声となり漏れ出る。
「大丈夫、大丈夫だから」
 私が怖がっているという事が解るのだろうか、ケン坊が耳元で優しく囁いてくれる。それだけで、不安が和らぐような気がする。
 私の胸が優しく揉まれるのが気持ち良い、自分でも乳首が膨らんでいくのが解る。そして膨らんだ乳首に触れるケン坊の舌が……
「はぁうっ!」
 漏れ出す声と刺激に対する過敏な反応、思わず身体がその刺激から逃れようと動くが、突然に全身から力が抜ける。彼を受け入れるために、緊張していた身体が弛緩して行く……そしてケン坊の愛撫に身を任せながら、その瞬間を待った。
 延々と続く愛撫……不快ではない、ケン坊の動きは気持ち良いし、触れられるのは嬉しい、だけど……
「いいのよ……」
 まるで催促でもするような言葉に赤面してしまう。
「ケン坊……どうしたの?おねがい……」
 もう一度言う……不安になってくる。何でケン坊は、最後までしてくれないのだろうかと……
 私の身体を愛撫するケン坊の手が乱れ始める。気持ち良く、優しかった動きが、どんどん不快な動きに変わって来て、だんだんと乱暴なギクシャクとした動きとなり、まるで私の事を考えない、身勝手な動きをし始める。
 苛立ちにも似た思い、チラリと私の身体を愛撫し続けるケン坊の表情を見れば、先程までの優しい顔ではなく、困ったような不安そうな表情に変わっており、そこには私に対する優しさを何も感じ取る事が出来なくなっていた。
 その表情を見た時に、私の感情は突然に爆発してしまう。自分の方から、こんな場所に誘ったと言うのに、身勝手な感情だと解りながらも、それでも……
「ばかぁ!」
 思わず出た言葉と、その行動……我に返った時には、ケン坊の頬を思いっきり叩いていた。
 涙が出てくる。ケン坊に対してではなく、自分の行動余りの愚かしさ、それに対して腹が立ち哀しく、それを見られまいとしてケン坊に背を見せる。零れだして来る涙、それは自分自身の惨めさを故だった。
 ただ、その涙の訳をケン坊に知られたくない、知られた自分が余りにも惨め過ぎる。だから関係ない事を、感情の赴くままにケン坊へと吐き出してしまう。それが身勝手な事だと知りながら……
「私が、どんな目にあって! どうして引っ越さなければ、ならなかったか知ってるでしょ!」
 こんな事を言いたいんじゃない! もっと別の事を言いたい、だけどそれが出て来なくて、こんな馬鹿な事しか言えない、まるで子供だ!
だけど…… 
「知ってるからケン坊は! 私が汚いって、知ってるからケン坊は! 待ってたのに、ケン坊に会えたのに! ばかぁぁーー!」
 誰かに言いたかった事、誰にも言えなかった事、聞いてくれる人の居なかった事、感情の赴くままにケン坊の胸に顔を埋め、その身体を叩く! ポカポカ! ポカポカ! と際限無く叩き続ける。
「ごめん」
 ケン坊の声、違う! 謝りたいの私なのだ。
「ばかぁ!」
 理不尽な反応! ケン坊の頬を再度叩いてしまう。
「あやまらないで、悪いのは私なの! ケン坊に会えたのが嬉しくて、付き合ってくれるのが嬉しく、勝手に舞い上がった末に、こんな所にケン坊を連れ込んで、嫌われるのも当然なの、こんな汚い女なんだから!」
 何を言い始めているのか、自分でも解らなくなってくる。もう御終いだと思った。こんな私なんかが、ケン坊何かに!
「違うよ、お姉ちゃんは綺麗だよ、汚くなんかないよ」
 ケン坊の言葉、それに言い返す私の言葉、駄目だ! 冷静に考えられない、つい反射的言い返してしまう。こんな事を言いたくないのに!
「じゃあ、なんで最後まで! やっぱり私の事を汚い女だって!」
 自分で自分を貶める言葉を吐き出しなら思ってしまう。さよならケン坊と……
「違うよ、タイミングを掴めなかったんだよ!」
「へっ?タイミング?」
 爆発寸前の会話の中に、突然飛び込んで来た奇妙な単語、それに対して奇妙な感じで思わず反応してしまう。
「いや、まだ着けてなかったから……」
ケン坊が言っている意味が解らない、何に事を話しているのだろう?
「着けてないって、なにを?」
「……コンドーム………」
 私の問いに対して、神妙な顔をして答えるケン坊……その困ったような顔を、マジマジと見てしまう。そして見ている内に、急に可笑しくなってくる。
「プッ!」
 さすがにケン坊の顔を正面から見て、その顔に対して噴出す事は出来ないので、横を向いて噴出すが……
「キャハハハァ――!」
 頭の中を支配していた荒々しい感情が、なんだか一挙に引いて行くと言うか、反転してしまい、一挙に大笑いをし始めてしまう。
「だって急だから、事前に準備してたのは部屋に置いてきて持ってきてなかったし、部屋を探せば置いてあるかもしれないけど、すっかり逆上せていてお姉ちゃんがシャワー浴びている最中に探し忘れていて! それに着けてからしないと、赤ん坊が出来たら大変出し、いやいや! 別に出来ても結婚したらいい話だけど、お姉ちゃんの意見を聞いた上でなければ……」
 ケン坊のしどろもどろな言い訳を聞きながら、私はベッドに顔を押し付けつつ笑い続ける。そして、笑いの発作が収まった瞬間に、ベッドに押し付けていた顔を上げ、ケン坊に抱きついて、困った表情をしている可愛いケン坊に、思いっきりキスをする。
「んっ!」
 息が続く限りの長いキス! そして、そのキスを終えた後にケン坊の顔をじっと見る。「ばか、女の子の方から誘ったんだぞ、今日は安全日で大丈夫なの」
 そして再びキスを私の方からする。そして身体をケン坊へと任しながら、ベッドの上に倒れこんで行った。

 気持ちよかった。
 再開されたケン坊の愛撫、彼の手や舌、そして触れ合った肌……その全てが、優しくて気持ちが良く、その愛撫に身を任せる事に、何の不安も無く全てを受容れた。
「んっ……こんどは、ほんとうにきて、おねがい……」
 再度の願い、彼の動きが変化する。愛撫を繰り返した手が肌の上から離れ、下半身の方へと移動し、なにやらモゾモゾとさせる。
 そのモゾモゾとした動きが止まり、私の部分に何かが宛がわれ、それに対して身体がビクンと緊張する。
「くっ!」
 痛みによって漏れ出しそうになる声を必死に堪えるが、思わず出てしまう苦痛を含んだ声、そして突然に止まる彼の動き、閉じていた目を開けばが、戸惑いの表情を浮かべているケン坊、そんな顔をされると困ってしまう……初めてじゃ無いというのに……
「初めてじゃないのに、痛いなんて……へんだよね、ゴメンねケン坊……」
 つい自分を卑下するような言葉を言ってしまう。これは私の罪悪感、あの時に犯されてしまったと言う罪の意識……
「んぐぅ!」
 その罪の意識を肯定するかのような苦痛が広がり、その罪から逃れようとでもする様に身体が動く、そして私を逃すまいと抱き締めてくれるケン坊の力強い腕、その腕の力に私は縋ってしまう。ケン坊に縋りながら、背中へと廻した手で、傷をつけて行く……私の苦痛を少しでも減らそうとでも言うように
「んんっ、ゴメンね! ケン坊、ゴメンね」
 私は自分の事しか考えず、ケン坊の優しさに縋ってしまう。
「ちがう!」
 ケン坊の声、そして強く抱き締められる私の身体と、その身体の一番深い場所へと侵入してくる塊、それが私を慰めて救ってくれる様に思える。
「あうっ!」
 何かが私の内側……その場所に届く、そしてその場所から広がっていく温もり……
 私は、ケン坊に聞こえないように小さく言う。
(ケン坊……ごめんね)
と……

 私の身体を抱き締めながら、ケン坊は眠っている……いえ、意識がないと言った方が正解だろうか?
 そんなケン坊を、私は同じくらい強く抱き締め続ける。こうして抱き合っていられる事が、嬉しくて安心できるから、出来るなら永遠にこの状態が続けば良いと思ってしまうが、これはもうすぐ覚める時間……抱き締め、重ね合わせた肌が教える。目覚めが近いと言う事を……
「あっ、ごめん!」
 我に返ったケン坊が、抱き締めてくれていた私の身体を離そうとする。だめ! もう少しだけで良いから、抱き締めていて欲しい!
「おねがい、もう少しだけいいから、このまま……おねがい」
 それは私の我侭、だけどケン坊は、そのまま私を一晩中抱き締め続けてくれた。

 抱かれた事によって、ケン坊との付き合いが特に変化したわけではない、私が変化を望まなかったからかも知れない、ケン坊も変わらずに私と付き合い続けてくれた。
 それに抱かれたという事で、二人の間に何か変化が起こったとしたら、それは逆にの二人の関係が終わるという事だったかも知れない、自らが変化と確実な絆としての肉体関係を望んだと言うのに、変わらない関係に私は安心していた。
 そんなある日、私が大学を卒業する時にケン坊から、話があるからと誘われる。何となく予感がしていた。お別れの時が来たのだと……
 せめて笑顔でお別れをしたい、そう思うとしてたが、笑顔でいられる自身はまるで無かった……
「僕が卒業するまで、待っていてくれないか」
 ケン坊の言葉と一緒に手渡された金の指輪、その意味を完全に理解するまで、息をする事を忘れてしまっていた。そして返事の代わりに、ケン坊に思いっきり抱きついた……そして笑顔は、やはり泣き顔と変わってしまった。

 私の事をケン坊は、すでに両親に知らせていたらしい、彼の家で未来を約束した人として私の事を紹介された時、正直に言えば不安であった。何故なら、ケン坊の両親は私の忌わしい過去の事を知っている筈だから……だが、それは杞憂でしかなく、ケン坊の両親は、私の事を受け入れてくれ、祝福してくれた。
 ただ私の家へと、ケン坊が来てくれたときの方が、遥に大変な事になったのだけど……今では、良い思いでとなっている。
(少なくとも私にとってはだけど)
 そしてケン坊が、大学を卒業するまで後一年……卒業して、すぐに結婚とは行かないだろうけど、それでも全てが良い方向へと進んでいっていると私は思っていた。


                                  



「ふう、まだまだ寒いかな」
 着ているオーバーコートの襟元を少し引き寄せ、身を縮める。そのついでにと、周囲を見渡せば、さすがに一番寒いこの時期、出歩いている人も少なく、すれ違う人影もほとんど見る事が出来ない、久しぶりと言うよりは11年ぶりに歩く街、その懐かしい街並みを久しぶりに歩く、昔はよく歩いていたが、引越しをして他の街へと行ってからは、当然の事だけど歩いた記憶はない、この前に来た時は夜と言う事もあり、駅まで車で迎えに来てもらったので、こうして歩くのは本当に久しぶりの事で懐かしかった。
 正月を挟んでのケン坊……いや、賢一さんとの久しぶりの再会、何時までもケン坊と呼ばれるのが、なんだか恥ずかしいというケン坊の意見を了解して、ケン坊ではなく本名である川崎賢一の下の名前から「賢一さん」と呼ぶようになったのは先日の事、まだ何だか言い馴れなくて違和感があるが、その代りに私の事を「お姉ちゃん」ではなくて、やはり本名である仲谷早苗の下の名前である「早苗」と呼ぶように交換条件を出したのだから仕方がない……などと言う事を思い出し、すこし笑ってしまう。
 そんな事を考えながら歩く道、もう少し歩けば公園が見えて来るはずだ。そしてその公園で賢一さんと待ち合わせの約束をしている。彼の自宅に直接行けばいいのかも知れないが、彼の両親に気を使わせてしまう事に、少しだけ気を使ってしまい、結局は外で待ち合わせをし、それから何処かに出かける約束した。
 もしかしたら、昔歩いた場所を思い出しながら歩いてみたかったからかも知れない……そんな事を考えながら歩く私、記憶にある道順を歩んで、何箇所めかの道を曲がった時に目の前に現れたのは、一軒の廃屋であった。
「うそ……」
 その廃屋を見た時、眩暈にも似た悪夢が蘇る。目の前に現れた廃屋は、紛れも無く私が連れ込まれ、そして男達に犯された廃屋であった。
 あの時、もうすぐ解体されると聞いた。そして解体されたと思っていた廃屋が、目の前で当時と変わらない姿で建っている。
 その廃屋を見た瞬間に足の力抜けて、その場に座り込んでしまいそうになるが、必死になって堪える。そして、この悪夢の場所から少しでも速く遠ざかろうとした時に、突然に背後から身体を抱き締められ、そのまま持ち上げられる。
「ひぃ!」
 反射的に吐き出そうとした悲鳴が、覆われた口の中でくぐもり外に出ない、持ち上げられた身体が凄い勢いで移動して行く、何処へ運ばれて行っているのか、何が起こっているのかを把握しようと動かした視線の先には、廃屋の扉が写し出された。
「んっ! ぐぅぅっ!」
 身体を必死にくねらせ、抱かかえられている身体の自由を取り戻そうと足掻く、しかし身体に回されている腕は緩まず、廃屋の中へと私は連れ込まれていった。

 持ち上げられたまま運ばれる。薄暗い廃屋の中、黴臭い空気の臭い、開け広げられるドアの音、そして放り出された先に引かれている蒲団
「ぐっ!」
 放り出された時にぶつけた箇所に痛みが走り、思わず呻き声が出てしまう。それでもこれは夢だという思いが心の何処かにあった。
 そうだ、私はまた夢を見ているのだと、あの時の悪夢を繰り返し見ているのだと、どうして同じ夢を何度も繰り返して見るのか、ケン坊に再会する事が出来て、幸せになる事が出来たのに、なんで悪夢を繰り返し見続けるのだろう。
「夢だよね、早く目を覚まさなきゃ、そして賢一さんに電話して……」
 蒲団から立ち上がり、放り込まれた場所から出て行こうとした私の腕が掴まれる。そして、そのまま男達の方へと引き寄せられ、着ているオーバーコートを剥ぎ取られ、再び布団の上に放り投げ出される。
「いやぁぁ――!」
 声を出す! そして逃げ出す為に、まだ半開きになっているドアへと、転がるようにしながら駆け出すが、足元をすくわれる様に蹴り飛ばされ、その場に無様な姿で転倒してしまい、その拍子にかけている眼鏡が跳んで行く!
 転んだ時にぶつけた痛みを感じる間も無く、髪の毛を掴まれ蒲団の方へと引きずられ行く
「いやっ!はなしてぇ、もうういやよぉぉ――!!」
 引っ張られる髪を押さえ、引きずられまいと足掻いても、ブチブチと髪が引き千切れる音が聞こえるだけで、引きずられ布団の上へと放り出された。
「あうっ!」
 眼鏡が外れ、定かでない視界の中で、ドアの周囲にいる男達の姿が見える。少しでも男達から離れようと、今度は反対方向へ動くが壁に阻まれ、すぐに追い詰められ引き戻される。
「おねがい!やめて、わたし結婚するの!好きな人がいるんです!健一さんと一緒になるんです!だからおねがい、助けってぇ!」
 無表情だった男達が、私の哀願を聞いた瞬間に大笑いをしだす。そして笑い終えた男達の一人が私に近寄って来る。
「眼鏡は、かけておいた方が俺の好みだな」
 ガチガチと震え続ける私の顔に、吹っ飛んだ眼鏡がかけられる……片方のレンズにひびが入り、奇妙にズレタ視界が支配する世界……そして男達は、私に襲い掛かってきた。

「いやぁぁ――!!」
 着ているセーターが捲りあげられ、その下につけていたブラジャーが引き伸ばされ、そして千切り取られる。
「だめっ! だめぇぇ――!」
 剥き出しにされた乳房を庇おうとしたけど、すぐの両腕を頭の上の方へと押さえつけられ固定される。
 隠せない乳房、その乳房へと伸ばされていく男達の手
「いやっ、揉まないで!いたいからぁ、痛いから、やめてぇぇ――!」
 グニュリと握り潰される乳房の感触と痛み、引き千切るように乱暴に動かされ続ける乳房、男達の手によって弄ばれ、上へ、下へ、右の乳房が押し潰され、左の乳房が引き伸ばされる。愛撫などと呼べない、苦痛のみを与える行為が続く中、それでも刺激されてしまった乳首が、少しずつ膨らみ始めるを感じる。
「へっ!嫌だ、嫌だ言いながら、ちゃんと乳首膨らんできやがった」
「ちがっ、いひぃ!」
 男の言葉に、何か言い返そうとした瞬間に、膨らみだした乳首が指先で捏ねられ、意思に反していっそう膨らまさせられ、その膨らみ勃起した乳首が引っ張られる。
 指と指の間に挟みこんだ乳首、それが恐ろしいほどに引き伸ばされ、このまま千切れるかと思うほどに嬲られる。
「あうっ!いたぁい、いたぁいよぉぉ――!!」
 暴れれば逆に引き伸ばされた乳首に激痛が走り、それが動きを鈍らせる。それをチャンスとしたのか、腕を掴んでいる男と乳房を嬲り続ける男とは別に、もう一人の男がスカートへと手をかけ、ショーツと一緒にスカートを引き摺り下ろし、下半身を完全に露出させた。
「だめっ!よして、やぁぁ――!」
 それほど濃くは無く、念入りに手入れをされている黒い茂み、それが剥き出しとなり、その茂みに隠された部分へと手が伸ばされ、強引に割目を探り出していく
「ひぃっ!」
 探り当てられた割目、そこに指先が潜り込む
「うわぁぁ!ああぁぁ――!」
 唯一自由に動かせる頭を振り乱しながら、意味不明の叫びを出しながら足掻いても、押さえつけられた身体は自由になる事は無く、押さえつけられたままの身体が弄ばれながら嬲られる。

 身体を持ち上げられ、大きく両足を広げられる、大股開きとなり剥き出しにされる股間、そのむき出しとされた股間を茂る陰毛が掻き分けられ、剥き出しとされた秘所が開け広げられ曝される。そして背後から伸ばされた手が、乳房を歪めなら縦横に揉んんで乳首を嬲り、掴まれた固定された私の眼前に、剥きだしさらえた男のペニスが突きつけられた。
「ひっ!ひぃやぁ、いやぁ、いやぁぁ――!たすけてぇ、健一さん! たすけてぇぇ――!」
 顔を振り、突き付けられているペニスから顔を逸らそうとしても、がっちりと押さえられている頭は動かず、眼を瞑り歯を喰いしばり、男達の行動を拒否するしか出来ない、しかし次の瞬間に、強い衝撃を顔面に感じ、ジーンとした痺れが鼻の奥と口の中に広がり、その後に血の味が広がり始める。
「うっ……うぅぅ……」
 その衝撃が三回連続で続いた後、呻き声と一緒に開いた眼の前に、再びペニスが突きつけられていた。
 そして同様に突き付けられている男の拳には、血が付いている……こびり付いている血、それは殴られた私の口と鼻から出ている血、その拳を私の前で揺らした後に、自分のこの方へともって行き、その拳についている血を舌先で舐めとると、、私にひどく残酷な笑顔を向け笑いかけた。
 私は口を開ける。その開けた口の中へと突き込まれる男のペニス、それが口の中で動き、口中の切れた場所を刺激し、血が滲み出してくる……そして、突き入れられ、捏ねるようにして嬲られる私の口……
「舌の使い方ぐらい知ってるんだろ」
 男の言葉に反射的に頷き、突き込まれているペニスに舌を絡める。賢一さんのペニスにしてあげたように、殴られた衝撃で素直に従ったのか、それともこれ以上殴られるの怖くて従ったのか……すでに諦めたのかも知れない、私はこうなる運命なのだと、健一さんとの再会も、幸せな時間も、そして幸福な未来も、全てがあの時に犯されている自分が夢見た事で、こうして見知らぬ男達に犯されているのが現実で、永遠に犯され続けるのが私だと、そう悟ったからなのかも知れない……
「ぶふっ!」
 口の中に苦く、生臭い物が広がり、突き込まれていたペニスが引く抜かれる。引き抜かれたペニス、半開きとなったままの私の口、吐き出された精液と唾液が、滲み出して来た血と混じりあい、薄紅色の粘液となって毀れ出す。溢れ出る薄紅色の粘液の中に小さな塊が一つ……それは殴られた時に折れた、私の歯の欠片だった。

 ベチャリ!と股間……と言うよりは、アノ場所を中心にして何かが塗られる。ヌラリとした触感と、垂れ出すような感覚、それが股間に塗り込められていく
「あうっ!……ひいぅ!」
 アノ場所だけではなく、肛門の付近へも塗られていく感触、それはこの後に行なわれる事を暗示している。
 そして二人の男によって持ち上げられる身体、運ばれる先は、仰向けに寝転びならが、ペニスをそそり立たせている男の身体の上、片方の足を掴まれ、両足を大きく広げられた状態で、寝転がっている男の上へと降ろされる私の身体、そそり立っているペニスがアノ場所へと触れる。
「いやっ!やめて、おねがい……おねがい」
 ペニスの先端が、アノ場所へと触れた瞬間に思わず腰を引いて、挿入されまいとするが、寝転がってペニスを立てていた男が起き上がり、抱え込まれている私のお腹へ握られ拳が叩き込まれた。
「げふっ! ひぐぅ! はぁがぁっ!」
 合計で三発、それがお腹に叩き込まれる。一発目で息がつまり、二発目で胃液が逆流し、三発目で失禁した。
 口からせり上がる胃液の苦い味、股間から放出される生暖かい液体の感覚、ぐったりとした私を、男達は抱えあげたまま場所を移動し、そこで私を殴った男は、再び仰向けに横たわりペニスをそそり立たせた。
 まだポタポタと雫が落ちている私の股間、それが男の上に……ペニスの上にゆっくりと降ろされていく、すでに抵抗する気力はなくなっており、降ろされるままに私は、胎内へとペニスを受容れた。
「あうっ!」
 失禁と先に塗られていた液体、それらによって肉体的な苦痛や抵抗もなく、スムーズにペニスが胎内へと挿入されて行く、だが苦痛や抵抗が無くとも犯されたという屈辱が、心を深く傷付けていく、身体を固定されながら、ペニスを挿入している男が、私の腰を掴みながら身体を突き上げる。
「あっ! くがぁ! ひぃはぁっ!」
 突き上げられる度に、奇妙な悲鳴のような声が漏れ出し、胎内の奥に入り込んでいるペニスが子宮を突き上げ、肉体を貪っていくのが解る。
「いやぁっ! いやぁぁ……!」
 胎内の奥にあるペニスの動きが変わり、それが私に何が起こるのかを教える。
「やだぁ、ぬいてぇ!ださないでぇぇ――!!」
 私を抱えている男達、そして下から私を突き上げていると男、絶叫にも似た哀願の声を吐き出し、挿入され続けている股間のペニスを引き離そうと足掻く、だが抱き上げられた身体は、多少揺れるだけであり腰を掴まれた下半身は、男のペニスを咥え込んだまま外れる事はない
「行くぜ」
 男の言葉、それは死刑執行者の言葉であり、私の中に決定的な物を注ぎ込む合図でもあった。
「いやぁぁ―――!!」
 口から吐き出される悲鳴、そしてそれに被さる男達の嘲笑、それらを耳にしながら私は、吐き出した悲鳴とは逆に、胎内へと注がれていく液体の熱さを、受け止める事となった。
 全身から力が抜け落ちる。胎内に吐き出された精液の熱い感触、男は抜かないままに二度目の射精を試みるかのように、身体を繋げた状態のままで腰を突き上げ、伸ばした腕で揺れ動く乳房を揉む始める・
「ひくっ!」
 たぷんとして重みを掌に受け取りながら、膨らんだままとなっている乳首を指先で挟み込み嬲る。他の男達が抱えあげ、支えていた身体がゆっくりと男の上に降ろされ、音の身体の上に覆い被さり、そのまま抱きとめられ、グルリと男が位置を変えて、私を下に組みひきながら、身体を嬲り続けていく……繋がったままの状態で……
 揉まれ嬲られる乳房、握り潰され引っ張れた乳房の先端にある乳首に歯が食い込む、刻み込まれた歯形が残る乳房が、男の手で押し潰されるように押し付けられ、扁平に潰れ苦痛だけを与える。
「あぐっ!」
 そして繋がったままの状態で、二度目の射精を終えた男が身体から離れた後、三人目の男が倒れたままの私の身体に手をかけた。

 最初に口に出した男、そして膣に出した男、三人目の男は肛門にペニスを挿入してきた。
倒れている私の身体を、他の男たちと一緒に持ち上げたたせる。ただし完全には立ち上がることを許さずに、さながら犬か何かの獣様に四つん這いにさせた状態で身体を起こさせる。
 そのままの状態から、下半身に添えられる手の動きによって、これから何が行われるかを知るが、身体によっての抵抗は出来ない……と言うよりは、既にするだけの気力も体力も無くなっていた。
「おねがい、やめて……もうやめて、おねがい……」
 四つん這いにされたまま、呻くように繰り返す哀願、自分が流した涙が雫となって床に落ち、小さな水溜りを作り出しているのを見る。
「たすけて、健一さん……たすけて……」
 賢一さんが助けに来てくれる筈などない、すでに手遅れだと感じながら、それを知りながらも賢一さんに助けを求めてしまう。この事を賢一さんが知ったら、私をどんな風に見るだろうか、再び私を抱きとめてくれるだろうか? それとも……
「ごめんね、健一さん……ごめん……あひぃ!」
 左右に割開かれる尻たぶ、そして剥きだしとされた肛門に男のペニスが添えられた。
「あっ、まっ! あぎぃっ!」
 添えられたペニスは、抗いの声を出す前に、一気に付き込まれ肛門を抉る。健一さんとのSEXに置いて、当然の事ながらこの様なアブノーマルな性交はした事がない、11年前の悪夢の時に経験があるだけだ。
 そのときの苦痛が蘇る。メリメリと裂けて行く肛門の感覚、激しい痛みが身体を走り、突き抜けていく!
「ひぃ!ひぎぃぃぃ――!!」
 すでに喪失したと思っていた抗いの感情が、激しい痛みによって蘇り、その苦痛から肉体を逃げ出させようと足掻かせる。四つん這いにされたままの格好で、床に爪を立てながら逃げ出そうとするが、他の男達が体を押さえつけているので、その場で足掻き続ける事しか出来ない
「あっ! ああぁぁ――!」
 開け広げられた口、その喉の奥から吐き出される悲鳴を絞り出させるように、肛門へと突き立てられたペニスが、その全てを胎内へと減り込ませて行き、やがて完全に埋没させきった。
「あがぁ、はぁぐぅぅ!」
 ズン!と突き込まれたままのペニスの太く大きな感触、それが充満して開け広げた口から、何もかもが吐き出されていきそうな感じがする。
 逃げようと足掻いても逃げられず、ただ悪戯に床にガリガリと爪を立てるだけ、剥がれた爪の痛みは感じない、何故なら肛門を犯される苦痛の前には、問題ならない程度の痛みであったからだ。
「いうっ! ああっぁぁ――! 」
 肛門に全てを挿入させた男が、身体の上に覆い被さり背後から乳房を揉みながら、その身体を嬲り始める。身体を引き寄せるようにしながら、首筋に舌を這わせながら噛痕を肌に刻み込み、悲鳴をあげさせ足掻く肉体のから快感を絞り出した末に、直腸の奥深くに欲望を吐き出す。

 男達から解放された身体が、その場に崩れ落ちるようにして横たわる。
 これで終わったわけではない、逆に言えばこれが本番であり、今まではリハーサルでしかなかったのだと、私は自分の肉体に思い知らされる事となった。


                                     



 ある女を凌辱してくれと言う依頼は、それほど珍しい訳でもない、その指定された女に対して、何らかの悪意を持つ人物(意外な事かもしれないが、女性の場合が多い)が、その様な依頼をする事が珠にある。そして今回依頼されたのも、その様な依頼だった。

 依頼の待ち合わせ場所にと、前もって指定された喫茶店に現れたの若い男だったが、そいつを見た瞬間に、なんとも言えない危うさを感じた。
 何処かどう危ういかと言い切る事は出来ないが、ひどく細い境界線の上を目隠しでもしながら歩いているという印象……そんな抽象的な危うさを秘めた男であり、本音を言えば、こういう手合いからの依頼は、引き受けない方が利巧なのかも知れない、だが何分にも緊急に金が必要であり、依頼を引き受けざる得ない状況であった。

 手渡された何枚かのスナップ写真、そこには男と並んで微笑んでいる女の姿が写し出されている。
 年の頃なら、二十歳を少し越えた感じの若い女、どちらかと言えば小柄だが、写真で見る限りスタイルは中々に良さそうだ。長い髪をポニーテールに結び、眼鏡をかけている顔立ちも清楚な感じで、美人と言うよりは可愛いというタイプ、そんな女が目の前の依頼主である男に寄り添い微笑んでいる。
 依頼内容は前もっての連絡で大体は確めており、今日はその確認と依頼料の支払い、そして詳しい打ち合わせと言う所なのだが、手渡されたスナップ写真を見ながら、違和感を感じざるえない、本来なら依頼された事だけを、何の質問もせずに遂行するのが、この商売の基本なのだが、どうしても聞いてみたくなってくる。
「一つ質問していいか」
 写真に眼を落としながら聞いてしまう。断られるだろうと思いながらも、どうにも我慢しきれなかったのだ。
「どうぞ」
 あっさりと応じられてしまう。それがかえって、何とも言えない不気味さを感じたが、聞きたかった事を俺は聞いた。
「依頼のこの女なんだが、お前の何なんだ?」
「大切な恋人です。来年になったら結婚する予定のね」
 一瞬だが、くらりとするような眩暈を覚える。男の言っている言葉の意味を把握できない、男の言葉真実ならば、来年結婚する予定に自分の恋人を、俺を含めた男達に陵辱させようと言うのだ。
「正気か?」
 思わず聞き返してしまう。と言うよりは、聞き返さざる得ない、それほどまでに男の言動は常道を逸していた。
「単に見たいだけですよ、彼女が男達に輪姦されるという姿を、見たいと思ったから見る……単純な事だと思いませんか」
「俺達が、この女を輪姦したら……捨てるのか」
「まさか、予定通りに結婚しますよ、僕の大切な人ですからね。当然の事でしょう?」
 俺は諦めた。この先何を聞いても、俺はこの男の考えを理解できないだろう。だとしたら、依頼された事を仕事として請負、その依頼された仕事を片付けるだけだ。
「依頼内容の確認と、手順をもう一度言ってくれ……」
 俺は仕事の事だけを考える事にした。

 見せられた写真の女の名前は『仲谷早苗』と言う名だった。都内の大学を去年卒業し、地元の貿易会社で勤めている平凡な女性、この女を仲間と一緒に輪姦するのが、今回の仕事の内容だ。
 前もって指定された場所に連れ込んでの輪姦、徹底的に!そして暴力的に輪姦しろとの指定、しかも指定された場所には、前もって依頼主の男が潜んでおり、その一部始終を隠し持ったビデオで撮影すると言う。
 既に俺は、依頼主の事を理解しようとは思わないし、理解できる筈もないと悟った。そして喫茶店での打ち合わせ通りに、女を待ち伏せ(女が指定された場所の傍を通るように、依頼主の男が誘導したのだ)して、指定された廃屋の中へと女を連れ込んだ。

 連れ込んだ先の廃屋の中は、事前に準備と言うか用意が整っていた。
 輪姦される女の姿を存分にビデオで撮影し、その姿を記録できるようにと、巧妙にビデオカメラは何箇所かに隠され設置されている。
 無論の事、依頼者である男自信も巧妙に隠蔽された場所から、これから行われる輪姦劇の全てを、ビデオで撮影しながら見る事が出来るようにと待ち構えている。
 そして俺達は、ちょうど撮影する為の絶好のポジションを位置するかのように引かれている蒲団の上に、連れ込んだ女を放り出した。
「ぐっ!」
 放り出された女が低い呻き声をもらす。何が起こったのかを、完全には把握できていないようで、何事かを呟いたかと思うと、倒れていた蒲団から立ち上がり、フラフラとした感じで部屋から出て行こうとする。
 まさか、このまま出て行かせるわけにも行かない、出て行こうとする女の腕を捕まえて引き寄せる。ついでに着ていたオーバーコートを脱がした上で、布団の方と再び放り出す。
「いやぁぁ――!」
 それがきっかけになったのか、突然に大きな悲鳴をあげ、急に立ち上がると半開きになっていたドアの方へと駆けだしたが、それは予測していた事だった。
 足元を掬う様にして蹴りを入れる。その場に無様な姿で転倒し、かけていた眼鏡を吹っ飛ばした女の髪を掴んで、蒲団の方へと引きずって行く
「いやっ!はなしてぇ、もうういやよぉぉ――!!」
 足掻く女の抵抗に、だんだんと興奮が込み上げて来るのがわかる。髪を掴んでいる手に力が入り、かなりの量の髪の毛を引き千切ってしまうが、それに構わず乱暴に蒲団の方へと女を放り出した。
「あうっ!」
 捲れ上がったスカートから、白く艶かしい太股とショーツに包まれた下半身が露出し、俺達の目を楽しませてくれるが、すぐに女は立ち上がり俺達とは反対方向へと逃げようとした。
 だが、その先にあるのは壁であり出口ではない、逃げ惑う女を追い詰めた俺達は、蒲団の方へと引き戻す。
「おねがい!やめて、わたし結婚するの!好きな人がいるんです!健一さんと一緒になるんです!だからおねがい、助けってぇ!」
 引き戻された女が、哀願を繰り返しながら泣き叫ぶ、それを聞いた俺達は、思わず大笑いをしてしまう。女が言う所の好きな人、そして一緒になるのと言いながら、助けを求めている相手こそが、この状況を考えて実行に移させた人間であり、そして当人がすぐそこで、犯される女の姿を興奮しながら見ているのだ。
 これが笑わずに居られる筈がなかった。俺達は笑いながら、女が吹っ飛ばした眼鏡を拾い上げ、それをかけてやる事にする。
「眼鏡は、かけておいた方が好みだな」
 ガチガチと震えている女……その眼鏡をかけた眼で、周囲をよく見てみろ、お前が呼んだ男が傍に居るぞと、言ってやりたいのを我慢しながら、俺達は依頼された仕事に取り掛かった。

「いやぁぁ――!!」
 女の悲鳴を聞きながら、着ているセーターを捲りあげ、その下に隠れていたブラジャーに手をかけて、それを思いっきり引っ張る。
ブチン!と言う音ともに引きと千切られたブラジャーが、俺の手に残る。
「だめっ! だめぇぇ――!」
 剥き出しなった乳房を隠そうとした女の腕が掴まれ、頭の上の方に押さえつけられ固定される。
 剥きだしとなっている乳房へ手を伸ばそうとしたが、残念ながら事前に決めておいた手筈に従い、俺は伸ばしかけた手を引っ込め、別の男に順番を譲る。
「いやっ、揉まないで!いたいからぁ、痛いから、やめてぇぇ――!」
 順番を譲った男の手によって揉まれる乳房、グニュリと言う感じに握り潰された乳房が、不定形の物でもあるように歪む、掴まれた乳房が引き伸ばされながら揺さぶり動かされ、縦横に動かされ嬲られる。
 加えられた刺激に対して、身体は正直に反応してしまう。強引で乱暴な愛撫であったとしても、たとえそれが嫌悪する行為であったとしても、女の身体は刺激に反応を示し、もまれ続ける乳房の先端にある乳首が膨らみ、少しずつ勃起し始めてきた。
「へっ!嫌だ、嫌だ言いながら、ちゃんと乳首膨らんできやがった」
「ちがっ、いひぃ!」
 肉体を嬲りながら、同時に言葉によって女を嬲る。女が示す反応を楽しみながら、その膨らみだした乳首を指先で捏ねあげ、いっそう膨らまさせながら、その勃起した乳首を指と指の間に挟み込み、限界まで引き伸しなが嬲り続ける。
「あうっ!いたぁい、いたぁいよぉぉ――!!」
 暴れれば女に合わせ、更に強く乳首を引き伸ばし、女の動きを鈍らせながら嬲り続けて行く、それを見計らった俺は、女のスカートに手をかけ、一気にスカートとショーツを引き摺り下ろし、下半身を完全に露出させた。
「だめっ!よして、やぁぁ――!」
 剥きだしとなった下半身、それほど濃くは無く、充分に手入れをされた黒い茂みが生え揃っている股間、それが剥き出しとなり、俺を誘っているようにすら思える。
 その茂みに隠された部分へと俺は手を伸ばし、強引に割目を探り出していく
「ひぃっ!」
 指先に感じる割目の場所、そこに指先を潜り込ませ、ゆっくりと動かす。
「うわぁぁ!ああぁぁ――!」
 押さえつけらている女が、狂ったように頭を振り乱しながら、意味不明の叫びだす。一瞬驚いたが、いくら暴れてもどうなる筈も無い、あらためて俺は黒い茂みを指先で掻き分けながら、その閉じられたままの場所を嬲る。やがてこの場所に、自分の欲望を突き入れる為に、念入りに何度でも嬲り続けた。

 俺と、もう一人の奴がタイミングを合わせて、女の身体を持ち上げる。両足を大きく開かせたまま、その股間を剥き出しにさせ、その茂っている陰毛の様子がはっきりと解るようにし、その茂みを掻き分けて肉色の襞を露出させ、何もかも曝け出させる。
 これはサービス、この場面を撮影しているであろう依頼主が、見てみたいのではないかと思う姿を、女にさせているという具合だ。
 背後から伸ばした手で、乳房を歪めなら縦横に揉んんで乳首を嬲り続けながら、その手を頭の方へと動かし、頭部を固定させる。そして固定させた女の眼前に、手の開いた残り一人が立つ……ズボンはとうに脱いで、剥き出しにしたペニスを突きつけながら
「ひっ!ひぃやぁ、いやぁ、いやぁぁ――!たすけてぇ、健一さん! たすけてぇぇ――!」
 顔を振り、突き付けられているペニスから顔を逸らそうと女は足掻くが、身体を含めて頭部もがっちりと押さえているので、突きつけられたペニスから逃れる術はない、最後の抵抗とでも言うように眼を瞑り、必死には歯を喰いしばる女だったが、その目を瞑った顔面に、握り拳が炸裂する。
一発!……二発!……そして三発目!
「うっ……うぅぅ……」
 呻き声を出しながら、女は瞑っていた眼を開ける。開けられた眼の前に突き付けられているペニスと血に染まっている握り拳、その二つの物体に視線を彷徨わせを女の姿……
殴りつけた男が、握り拳に付着している血を舐めた後に、女の方を見て笑う。その笑顔を見た瞬間に、女は自ら口を開き、その男のペニスを受け入れた。
 口の中に突き入れら、蠢かされるペニス……その内側に含んだペニスに突き動かされ、もごもごと蠢く頬の奇妙な動き、突き入れらては引き出されるペニスに付着する唾液と、殴られた時に口の内部でも切ったのか、付着する血の痕……
「舌の使い方ぐらい知ってるんだろ」
 男の言葉に反応し、口を蠢かしながら必死になって、突き込まれたペニスをしゃぶる女の口の動き、窄まった口先が奇妙に動き、その内側でペニスをしゃぶる舌の動きも解る。
 何を考えながら、見知らぬ男のペニスをしゃぶっているのか、それとも何も考えず、考える事を諦めて、ただ突き入れられたペニスをしゃぶっているのか、女はただひたすらに突き込まれたペニスをしゃぶり続けている……
「ぶふっ!」
 呻くような音が、女の口元から漏れ出す。どうやら一発目が済んだようだ。それでも、口の中の余韻を楽しむように、最後の一滴までも女の口に放つ為か、突き込んだペニスをなかなか引き出さない……
 ようやくに引き出されたペニス、半開きのままとなっている女の口から、飲み込みきれなかった精液と唾液、そしてそれらと混ざり合った血の混合物が、どろりとした薄紅色の粘液となって毀れ出す。
 吐き出される薄紅色の粘液の中に、小さな塊が一つある事に気がつく、どうやらそれは女の歯の欠片であり、殴られた時にでも折れたのであろう。
 薄紅色の粘液の中に落ちている、小さな塊……女は、それをぼんやりとした眼差しで見続けていた。

 手に掬い取ったゼリー状と言うか、ぬるりとした物を女の股間へと塗りつける。念入りに、丁寧に、執拗に、前から後ろへと、後ろから前へと、何度も手を動かしながら塗り付けて行く
「あうっ!……ひいぅ!」
 茂みの奥の場所だけではなく、肛門の付近へとも指を動かしながら塗りこめて行く、塗り込められる度に女は低い呻き声を出すが、塗りこめている物質自体に催淫効果だとか、そのような特殊な効果がある訳ではない、単に挿入する時にスムーズな挿入を助ける為の物だ。
 一通り塗り終えた後、俺はゴロンと仰向けに横たわると、他の二人に合図をする。そして合図を受けた奴らは、ぐったりと倒れこんでいる女の身体を持ち上げ、寝転がっている俺の方へと運んでくる。
 片方ずつ両足を、男のよって固定され、大きく広げられた状態で運ばれてくる女、何を意図して、これから先に何が行われるのかを察した女は、両足を掴まれ固定されたままの状態で足掻き出す。
 俺の身体の上まで運ばれた女、その女の身体がゆっくりと、そそり立っている俺のペニスの上へと降ろされてくる。
「いやっ!やめて、おねがい……おねがい」
 ペニスの先端が、アノ場所へと触れた瞬間に女は悲鳴をあげ、身体を足掻かせて抵抗をし始める。その往生際の悪さに、俺は自分勝手に腹を立てながら起き上がり、まだ足掻いている女の腹に、握り拳を叩き込んだ。
「げふっ!」
 一発目で女は悶絶し、眼を剥いた。
「ひぐぅ!」
 二発目で口から黄色い液、胃液を吐き出した。
「はぁがぁっ!」
 そして三発目で、股間から生温かい液体……小便を漏らした。
 漏らした小便の上に横たわるのが嫌なので、少しだけ位置を変えて俺は横たわり、再びペニスをそそり立たせた。
 女の身体が、再び俺の上へと運ばれてくる。抗いも抵抗も無かったが、ポタポタと小便の雫が落ちてきて、俺の身体を少々濡らした。
 ゆっくりと降ろされくる女の身体、そして挿入されていく俺のペニス、先に塗った物のおかげか、それとも殴られた事によって女の身体が弛緩していたせいか、女の肉体は俺のペニスをあっさりと受け入れ、その全てを絶妙の快感と共に飲み込んだ。
「あうっ!」
 喘ぐような女の声、それを聞きながら下ろされた身体を掴み、完全に挿入したペニスに力を込めながら、女の身体を突き上げる。
「あっ! くがぁ! ひぃはぁっ!」
 突き上げられる度に漏れ聞こえる、悲鳴にも似た女の声、それに合わせるように俺は女の身体を突き上げ犯す。深く捻じ込まれて行くペニスの感触、そしてそれを受け入れていく女の肉の美味さ、当然ながら処女の美味さではない、かと言って男と言う物を受容れ過ぎたと言う爛れた肉体の美味さでもない、まだ蒼さを残しながらも、ようやくに男を受け入れ始め、熟するにはまだ早い肉体の美味さ……それを俺は喰らい犯し続け、その肉体の一番奥の場所、子宮へとペニスを捻じ込んで、その場所に欲望を注ぎ込む事に決めた。
「いやぁっ! いやぁぁ……!」
 何かを感じ取ったのか、女は叫ぶ
「やだぁ、ぬいてぇ!ださないでぇぇ――!!」
 その叫びを聞きながら、俺は女の身体を更に突き上げる。俺を咥え込みながら必死に足掻き、逃げだそうとしている女の身体、その身体を掴み逃す所か、逆にいっそう深く結合させて行く、そして絶望の表情を顔に浮かべ、泣き叫んでいる女に言ってやる。
「行くぜ」
 その言葉を聞いた瞬間、女は表情を凍らせ、その言葉の意味を解るまいと、信じるまいとするかのように、頭を左右に振り乱しながら叫ぶ!
「いやぁぁ―――!!」
 女の口から吐き出される絶望の叫び、それを聞きながら俺は笑う。女を掴んでいる奴らも負けずに笑い出す。そして俺は笑いながら、女の胎内へと欲望に塗れた液体を放ち続けた。

 捕まえている女の身体から、力が抜けるのを感じる。もう少し楽しんでみたい……その考えが思い浮かび、女の身体を掴んでいる奴らに眼で合図をする。
 いまだ繋がったままの俺と女の股間部、その繋がったままの状態で、女の乳房へと手を伸ばし、そのたぷんとした乳房を揉む
「ひくっ!」
 たぷんとして重みを掌に受け取りながら、膨らんだままとなっている乳首を指先で挟み込み嬲る。俺の合図で、女の身体を掴んでいた奴らの手が離れ、その自由になった女の身体を俺は抱きとめ、グルリと俺と女の位置を変える。
 ちょうど女を組み引く格好となり、俺はその姿勢のまま、女を犯し始める……じっくりと楽しむようにして……

 柔らかな乳房を嬲る、潰れるほどに握り込みながら引っ張り、その先端にある乳首に噛み付き、小さな乳首に歯を喰い込ませ傷をつける。大小さまざまの歯形が残る乳房を押し潰し、扁平に潰れた乳房を嬲り続け、快感ではなく苦痛のみを女に与える。
「あぐっ!」
 呻くような声を出す女、その女の声を聞きながら俺は、繋がったままの腰を押し付けるように揺れ動かし、二度目の射精を女の胎内へと注ぎ込む……最後の一滴まで、女の肉体の中へと絞り出した俺が離れるのを待ちかねた様に、最後の順番となった奴が、倒れたままの女の身体に手をかけた。

 順番は最初に決めていた。一番目に射精する奴は口に出す事に、そして二番目に射精をする俺は膣へ出す事に、そして三番目……一番最後の奴は、肛門に欲望を吐き出すと言う事に……
 倒れていた女の身体を引き起こした奴が、俺達に合図をし、それを受けた俺ともう一人はの三人は、女を四つん這いの状態にさせた。
 四つん這いにさせた状態、その姿勢で女の身体を固定させ、最後の奴が四つん這いにされている女の後方へと回りこんで、下半身に手を添え準備を開始する。
 下半身に添えられる手の動きによって、これから何が行われるかを女は察したのか、逃ようとするが、押さえられている身体は動かない、それほど強く押さえつけている筈でもないのだが、既に気力も体力も無くなっているのだろう。
「おねがい、やめて……もうやめて、おねがい……」
 四つん這いにされたままで、女が呻くように哀願を繰り返し涙を流すが、別に同情心など起きる筈もない
「たすけて、健一さん……たすけて……」
 逆に男の名を呼ぶ女の姿に、可笑しさすら感じる……なぜなら、名前を呼んでいる男こそが、この凌辱を企み、俺達に実行させた張本人なのだから、その事実を言ってやったら、女はどの様な表情をするだろうか?それを考えるだけで、笑いが込み上げて来る。
「ごめんね、健一さん……ごめん……あひぃ!」
 相変わらず男の名を呼び続ける女、業を煮やしたように背後で、凌辱の準備をしていた男が、女の尻を押し開いて、露出させた肛門へと勃起したペニスを宛がう。
「あっ、まっ! あぎぃっ!」
 宛がわれたペニスに気がつき、何か言おうとした女だったが、それを待ってやるほど優しい筈も無く、宛がった次の瞬間には、一気にペニスを肛門に突き入れた。
 突きこまれたペニスが、メリメリと減り込んで行き、押し広げられた肛門が裂けて行く、本来性器を受け入れる場所ではない肛門への挿入、いくら潤滑液となる物が塗られていたとしても、無理がありすぎたと言う事だろう。
「ひぃ!ひぎぃぃぃ――!!」
 裂けて行く肛門の激痛が、女に残っていた最後の気力と体力を復活させたようだ。押さえていた身体が、跳ねるように暴れ出し、床に押し付けていた手が、逃げ出そうとする様に床をバリバリと引掻き始める。
「あっ! ああぁぁ――!」
 前の方で身体を押さえつけている俺の視界に入る女の顔、限界まで開け広げられた口と、その喉の奥から吐き出される悲鳴、肛門へとペニスが突き立てられる度に、悲鳴をあげ続けながら足掻く姿、正直言えば見苦しく醜いとすら言える女の姿、だが同時に抑えきれないほどの魅力を感じる。
 俺達に蹂躙され、人ではなく欲望を処理するための肉人形の哀れな姿、最初に見た時に美しいと感じた女が、蹂躙され続け結果がこの姿であり格好であった。
 それがとても楽しくなり、嬉しくて興奮してしまう……人間を壊す快感に、俺は魅了されていた。
 肛門を犯している男が、その固く勃起しているペニスの全てを女の中へと減り込ませて行き、やがて完全に埋没させきった。
「あがぁ、はぁぐぅぅ!」
 まるで口から、突きこまれたペニスを吐き出そうとする化のように、開け広げられている口から、舌が突き出される!
 床を引掻いている指の爪が剥がれるのも構わず、床をひたすらに引掻き続け、この場所からと言うか、肛門を犯されていると言う事実から逃げ出そうと足掻き続ける女の姿、肛門を犯される激痛は、剥がれて行く爪の痛みを問題にしないほどの苦痛なのだろう。
「いうっ! ああっぁぁ――! 」
 肛門にペニスを全てを挿入させた男が、身体の上に覆い被さりながら、背後から手を廻し乳房を握り、その身体を嬲り始める。身体を引き寄せるようにしながら、首筋に舌を這わ、襟首に噛痕を刻み込み、悲鳴をあげさせ足掻く肉体のから、ひたすらに快感を絞り出した末に、直腸の奥深くに欲望を吐き出す。

 それぞれが、それぞれの穴に欲望を吐き出し終わる。
 まずは第一ラウンドの終了……倒れ伏している女の姿を見ながら、男たちは第二ラウンドの開始を、それぞれの頭の中で鳴らし、倒れている女を抱え込むようにしながら、凌辱を再会し始める……既に順番も何もない、ただ欲望の赴くままに、女の肉体に飽きるまで、自分達の体力が尽きるまで、それが何時終わるのか、女を犯している男達にも解らない事であった。


                                      



 見たかった。
 今の彼女が、男達に輪姦される姿を
 抑えきる事の出来ない、邪な欲望の渇望
 そして僕は、行なってはいけない事を実行に移した。

 古びた廃屋の中で、僕は準備に勤しむ、前もってレンタルしてきたビデオカメラを、その部屋の四方に位置を確認しながらセットし、ようやくに最後のビデオカメラをセットしおえた時に、ポケットに入れていた携帯がマナーモードの振動で着信を知らせる。
「はい」
『あっ、ケン……じゃなかった健一さん、いま駅に着きました。あと20分位で行けると思います』
 少し前から互いの事を『ケン坊』と『お姉ちゃん』ではなく、お互いの名前『賢一』と『早苗』で呼び合おうと約束したのだが、長年に渡って呼び交わしていた習慣は、容易に改められる筈も無く、ついつい前の呼び方を言ってしまいそうになる。
「わかったよ、じゃあ僕も公園に向かうから、多分僕の方が先に着いてると思うけど、いなかった連絡を携帯に入れておいて……お姉……早苗さん」
『ぷっ!』
 携帯の向こうで、彼女が少し噴出す声が聞こえる。
「じゃあ切るよ」
『あっ、まって賢一さん』
「んっ?」
『好きよ』
 そして携帯が切れた。切れた携帯を僕は少し眺めるが、すぐに別の場所へとかけ直す。
 しばしの呼び出し音の後に、男が携帯に出る。
『おう』
「僕だ、連絡が入った。あと10分くらいで、そこを通る筈だから準備しておいてくれ」
『了解』
 これで手筈は完了した。
 部屋の四方に設置したビデオカメラの電源を入れる。そして隣の部屋へと向かった。

 11年前、彼女が男達に連れ込まれ輪姦された廃屋、本来は取り壊される予定だったらしいが、取り壊しは一向に始まらずに、結局はそのまま放置され続けている。
 古い建物で造りが確りとしている事もあり、外も中も意外な程に荒廃は進んでおらず、僕が見た限りでは11年前の昔と変わらない様に思えた。
 この場所で、再び彼女を輪姦させようと考えたのは、ちょうど良い場所が存在した事と、やはり11年前の印象が強かったせいだろう。
 何度かの下調べと準備の場所造り、問題と考えていた彼女を輪姦する男達の手配も着いてしまい、準備は着々と進んで行く……どこかで、この準備が無駄になる事を祈りながら、まるで何かに操られる様に準備は進んで行く、そして今日と言う実行の日を迎えた。

 彼女を連れ込んで輪姦する場所とした部屋の隣に、僕は基地を作り上げた。その昔に造り上げた記憶の中にある秘密基地、それが形を変え歪んだ姿となり眼の前にある。
 彼女が輪姦される予定の部屋には、巧妙に隠されながら設置されているコンパクトサイズのビデオカメラが5台(当然ながらレンタルで賄った)、そして此方の部屋には三脚に固定された大型の業務用ビデオカメラが一台(こちらも当然の様にレンタルだ)、壁を貫通させ設置したマジックミラーから、隣の部屋の一部始終を記録できるようになっている。
 その業務用ビデオカメラの設定を確めた後に、廃屋の中から探し出してきた壊れかけの椅子に腰掛け、インモラルな劇の開幕を待った。
 ポケットの中に仕舞い込んでいる携帯、そこに記録されている彼女の携帯へと連絡を入れ……『いまから迎えに行くから、駅で待っていて』……そう連絡を入れれば、これから起こる出来事を回避する事が出来る。
 それは最後のチャンス、僕はポケットの携帯へと手を伸ばし、それを取り出す。カパリと開かれた携帯が掌にある。短縮番号を記憶したボタンを一つ押せば、彼女の元へと連絡が行き、これから起こるであろう事を回避できる。
 そして、そのボタンへと指がかかる寸前に、どやどやとした音が聞こえだす。
「時間切れか……」
 僕は携帯をポケットに仕舞いこみ、ビデオカメラの電源を入れ、そのフェインダーの中を覗き込んだ。

 ***************************************

部屋の中へと放り込まれる彼女の姿、それは11年前に見た出来事を、強烈に思い起こさせる姿だった。
立ち上がった彼女が、男達に捕らわれて着ているコートを剥ぎ取られる。僕が誕生日のプレゼントとして贈ったコート、それが放り出され床に落ちる。
逃げ惑う彼女が、カメラを隠している此方の壁の方へと走ってきて、壁にぶつかる。僕が構えたビデオカメラに、彼女の姿が一杯に写し出され、その恐怖と絶望に満ちた表情を見せてくれる。
再び引き戻された彼女が叫ぶ
「おねがい!やめて、わたし結婚するの!好きな人がいるんです!健一さんと一緒になるんです!だからおねがい、助けってぇ!」
 泣きながら叫ぶ彼女の姿を見ながら、それを聞いた男達が笑い出す。泣く彼女、笑う男達、だとしたら僕はどうすれば良いのだろう? 怒ればよいのだろうか? だとすれば誰に対して怒ればよいのか? それは僕にであろうと自覚していた。

「いやぁぁ――!!」
 彼女の悲鳴と共に、セーターが捲りあげられ白いブラジャーが露出する。その露出したブラジャーが引き千切られ、白くふくよか乳房が剥きだしとなって、男達の前の晒される。
 剥き出しにされた乳房を庇おうとした彼女の腕が押さえ込まれ、乳房を隠す間も無く頭上へと持ち上げられ、剥きだしとなったままの乳房に、男達の手が伸びる。
 彼女の柔らかな乳房が乱暴に揉まれ、良いように甚振られ続けて行く、泣き叫びながら必死に抗う彼女の姿、その嬲られている乳房の柔らかさを、何度も感じ取っていた僕の掌は、その犯されていく姿を撮影するためにビデオカメラへと添えられ、その柔らかな乳房が蹂躙されて行くのを撮影している。
 縦横に嬲られ続ける乳房の動き、そして陥没していた乳首を穿り出す様にしながら弄り回し、確実に膨らませて行く指の動き、抗いつつ悲鳴を上げる彼女へと投げつけられる暴言と否定する彼女の叫び、それが映像と共に記録されて行く
弄ばれる乳房と膨らみだした小さな乳首、まるでスライム玩具を思わせる柔軟な動きは、男の乱暴な手の動きによって造りだされ、その乱暴な動きは、彼女に快感を与える事は無く、苦痛だけを与え続けている事を、彼女が漏れ出せる苦痛の声と悲痛な叫びが証明し続けていた。

スカートへとかけられる手、そしてを引き摺り下ろされるスカートとショーツ、剥きだしとされた下半身、現われ出た茂みへと男の手が伸ばされ、その茂みを指先で掻き分け、何かを探り出すように動かす。
何事かを叫びながら、男の指から逃れようとする彼女の姿、だが何かに辿り着いた指先は、その探り出した場所へと挿入された。
「うわぁぁ!ああぁぁ――!」
 唯一自由に動かせる頭を振り乱しながら、意味不明の叫びを出しながら足掻く彼女の姿、押さえつけられた身体は自由になる事は無く、押さえつけられたままの身体が弄ばれながら嬲られる。
 股間を嬲り続ける指の動き、それが蠢く度に彼女は喘ぎ、身体を震わせながら涙を溢れ出させ、その加えられ続ける感覚に耐え続けた。
 やがて彼女の身体が持ち上げられ、撮影をしている僕の方へと、大きく両足を広げられた格好で向けられ、その大股開きとなり、剥き出しにされる股間が曝される。
 彼女を犯している男達の、僕に対するサービスとでも言うのだろうか、その大きく開かれた股間に茂る陰毛が掻き分けられ、剥き出しとされた秘所が肉色の襞となり、それが大きく開け広げられ、その奥の部分までが僕の方へと曝される。

やがて男達は少しだけ位置を変えて(撮影の事を知っているので、それなりに構図のような事も考えているのだろう)彼女の身体を嬲り出す。
 背後から伸ばされた手によって嬲られる乳房、乳房を歪めなら縦横に揉んんで乳首を責めては、彼女に苦痛の声を出せ喘ぎ声を漏れだせる。
 乳房を嬲られる苦痛に顔を歪めている彼女の眼前に、男が立つ……ズボンはとうに脱いで、剥き出しにしたペニスを突きつけながら
「ひっ!ひぃやぁ、いやぁ、いやぁぁ――!たすけてぇ、健一さん! たすけてぇぇ――!」
 僕の名を呼びながら顔を振り、突き付けられているペニスから顔を逸らそうとする彼女の姿、身体を含めて頭部もがっちりと押さえている状態では、突きつけられたペニスから逃れる術はない、最後の抵抗とでも言うように眼を瞑り、必死には歯を喰いしばる彼女だったが、男達は互いに合図でもするように顔を向け合わせ、そして僕がいる方へも顔を向けた後に、彼女に拳を振り下ろした。
 三回……彼女の顔に拳が叩き込まれ、切れた唇から血を流し、鼻からは鼻血を垂らし出す。
 何が起こったのか、自分が一体何をされたのか、それを直ぐには理解出来なかったらしい彼女、呻き声を出しながら開いた瞳は、定まらない視線のまま、眼前に突き出されているペニスと、自分の血が付着している拳を見ている。
 彼女を殴りつけた男が、握り拳に付着している血を舐めた後に笑う。その笑顔を見た瞬間に、彼女は自ら口を開き、その男のペニスを受け入れた。
 口の中に突き入れら、蠢かされるペニス……その内側に含んだペニスに突き動かされ、もごもごと蠢く頬の奇妙な動き、突き入れらては引き出されるペニスに付着する唾液と、殴られた時に口の内部でも切ったのか、付着する血の痕……
 男に何か言われる度に、その言葉に反応しながら口を蠢かし、必死になって突き込まれたペニスをしゃぶり続ける彼女の姿、それは11年前に見たシーンの再現、あの時より成長し豊かな女性の肉体を持った彼女が、あの時と同様に男のペニスを泣きながらしゃぶっている姿、それは僕が見たいと思い描いたシーンそのままであった。
「見せてくれ、君の……早苗が犯されて行く姿を、僕に見せてくれ……」
 その瞬間に、彼女の口中に精液が吐き出され、彼女の顔が奇妙に歪む……引き抜かれるペニス、そして溢れ出てくる精液の残滓、少しだけピンク色に染まった精液の残滓を、ぼんやりとした眼差しで見続ける彼女の顔は、僕を満足させてくれた。


 ゴロンと横になっている男の上へと運ばれて行く彼女、すでに下半身には潤滑剤代わりの液体が塗られており、その塗られた液体が雫なってポタポタ垂れ落ちている。
 天を向くように、そそり立っている男のペニス、その上に運ばれて行く彼女は、何をされるのかを悟り、その姿勢のままで抗い始めるが、男の上へと運ばれ、その大きく開かれた股間を男の上へと降ろされて行く 
「いやっ!やめて、おねがい……おねがい」
 ペニスの先端が、アノ場所へと触れた瞬間に彼女の抵抗は激しくなり、裂襞に添えられていたペニスの先端が外れてしまう。
 彼女の行動に怒ったのか、寝転がっていた男は立ち上がると、彼女の腹に向けて握り拳を叩き込んだ。
「げふっ!」
 深々と減り込んだ拳、彼女の瞳が見開かれ、顔が強張る。
「ひぐぅ!」
 再度、彼女の腹へと拳が減り込み、舌が口から突き出され、同時に黄色い液体を口から吐き出す。
「はぁがぁっ!」
 そして三度彼女の腹へと拳が叩き込まれ、、股間から生温かい液体が流れ出し、床を水浸しにして行く……
 男は再び横になると、前と同じ様にペニスを天に向けてそそり立たせる。そして、そのペニスの上へと、ぐったりとした彼女の身体が運ばれて行った。
 ゆっくりと降ろされ行く彼女の身体、再びペニスの先端が裂襞に触れた瞬間、身体をビクン!と震わせたが、それ以上の抵抗はせず(と言うか出来ずに)ずぶずぶとペニスを胎内へと受容れた。
「あうっ!」
 ペニスを胎内へと受入れた瞬間に、彼女が漏らした小さな声、喘ぐと言うよりも、深い絶望を伴った屈辱の声……
 男が、彼女の身体を突き上げて行く、そして突き上げられる度に彼女は、悲鳴にも似た声を出すが、それ以上の声を出すまいと歯を喰いしばっているのが解る。
 男の容赦ない動きと、その動きに堪え続ける彼女の姿、左右の男に支えられる格好で、下から突き上げる動きにより揺れる身体と乳房、髪が振り乱れ激しく乱れる中、彼女はひたすら男の責めに耐え続けていたが、下から突き上げる男の変化を知る。
「いやぁっ! いやぁぁ……!」
 何かを感ずいた彼女が、荒いと言うよりも、はっきりとした拒否の言葉を叫ぶ
「やだぁ、ぬいてぇ!ださないでぇぇ――!!」
 何が起こるのか、僕はそれを予想し、その瞬間を見逃すまいと彼女を見詰める。突き上げられる彼女の身体、その身体が男の腕によって、しっかりと固定され引き寄せられる。
 その深い結合を振り解こうと抗う彼女の姿、絶望と恐怖に彩られた彼女の顔が、引きつたまま固定され、醜くもまた魅力的に見える。
 下から突き上げている男が、何か言う……その言葉を聞いた彼女は、その言葉の意味を拒否するかのように頭を左右に振り乱しながら叫ぶ!
「いやぁぁ―――!!」
 いま起こっている事を、これから起こる事を、その全てを拒絶するかのような絶望の叫び、それを吐き出し続ける彼女、その姿を見ている男達は笑い出す。そしてその笑いの中、彼女は力尽きたかのように、男の上に倒れこんで行ったが、支えられている身体は途中でとまる。
 倒れ込みかけた彼女の胸へと、男の手が伸びて乳房を鷲掴みする。突き上げられて揺れ動く乳房を揉み、膨らんだままとなっている乳首を指先で挟み込み嬲る。嬲られ続ける彼女の身体を、支えるように抱えていた男達が、ゆっくりと身体から手を離す。下か突き上げている男の上へと、完全に倒れこんだ彼女は、そのまま下の男に抱きとめられ、グルリと位置を変えて、今度は男の下へと、その身体を組み引かれる格好となり、その身体を犯され続ける事となる……無論、繋がったままの状態で……
 組み引かれたままの状態で、男に犯され続ける彼女の姿、乳房へと置かれた手が強引に動き、彼女の乳房を歪にさせていく、握り潰されたかのような乳房と、引き伸ばされる乳首、それが玩具のように弄ばれ続け嬲られる。
 そして、その乳房へと男の口が近づき、次々に刻み込まれて行く歯形の痕、乳房だけではなく乳首にすら歯形は刻まれ、その歯型が刻まれた乳房が、男の手で押し潰されるように嬲られる。
「あぐっ!」
 彼女が小さな呻き声を出す。それが何を意味するのか、上に覆い被さっている男の動きを見れば一目で解る。
 男は腰を彼女の身体へと押し付けながら、ブルブルと快感にその身を任せ、彼女の胎内へと欲望を注ぎ込んで行く、そして最後の一滴まで出しつくした後に、彼女の上から身体を離した。
立ち上がる男、まだ繋がったままであったペニスが、ズルリ!と言う感じで、彼女の股間から抜けて行く、事前に塗っていた潤滑剤なのか、それとも男が放った精液なのか……もしかしたら、彼女が出してしまった愛液なのか、その様な何かを付着させたペニスが、彼女の股間から離れて行った。

倒れたままの彼女、その身体へと男が手をかけ、起き上がらせようとし始める。完全に立たせる前に、両手を床へと付かせ、ちょうど赤ん坊が這い這いをするような格好……四つん這いへと、他の男達に手伝わせながらさせた。
 最初の男は口を犯した。そしていまの男は膣を犯した。そして三人目の最後の男は、彼女のどの部分を犯すのか、誰にでも直ぐに解る事であり、当然のように彼女も気が付くが、気が付いても逃げる事など出来る筈が無かった。
「おねがい、やめて……もうやめて、おねがい……」
 彼女の呻くような哀願の声、四つん這いにされたまま、呻くように繰り返す哀願の言葉、泣き濡れた顔のまま彼女は僕の名を呼ぶ……
「たすけて、健一さん……たすけて……」
 彼女は解っているのだろう。僕の名を呼んだ所で、僕がこの場所に表れる筈が無いと言う事を、それでも僕の名を呼ぶ彼女……そして、僕の名を呼び続ける彼女の下半身が犯される。
「ひぃ!ひぎぃぃぃ――!!」
 いったい何処に、これ程までの声が隠されいたのかと思える叫び、そんあ叫び声を出しながら彼女は、四つん這いにされた状態のまま逃げ出そうと足掻く、床を掻き毟る爪が剥がれ指先が血に染まるが、それに気が付かず……気が付く事が出来ないほどの苦痛を身体に加えられながら、彼女は泣き叫び続けた。

 肛門に全てを挿入させた男が、背後から彼女の上に覆い被さり、乳房を揉みながら、その身体を嬲り始める。身体を引き寄せるようにしながら、首筋に舌を這わせながら噛痕を肌に刻み込み、悲鳴をあげさせ足掻く肉体のから快感を絞り出していく、揺れ動く彼女の肉体、男の欲望を満たす為の肉袋……それが、いまの彼女の姿であり、その肉袋へと男は欲望を吐き出した。

 男達から解放された身体が、その場に崩れ落ちるようにして横たわる。
 これで終わったわけではない、逆に言えばこれが本番であり、今までは準備運動のような物でしかない、僕は続いて始まる本番に備えてポケットに入れていた缶コーヒーを喉に流し込む、甘ったるい缶コーヒーの味は、何となく彼女が飲んでいるであろう精液の事を思い起させた。


                                    



 再開される輪姦劇、僕はそれに少しだけ変化を付け加えてみる。
 ポケットから取り出した携帯、その短縮番号のボタンを押した。

 床に横たわっている自分の身体、まるで他人の身体のように思えてしまう。そして私に再び近寄ってくる男達の姿、あの時もこうだった……これで終わりの筈がない、私は男達が飽きるまで犯され続けるのだろう。
 もはや抵抗するだけの体力も気力も尽き、既に諦めだけが頭の中にある思考となっていた。そして、この悪夢のような時間が早く過ぎ去る事だけが望みとなり、その為なら男達を積極的に受け入れ用とすら考え始めていた。
 そう考え始めた時、私の耳に聞きなれた音楽が聞こえてくる。私の携帯の着信音、コートのポケットに入れていた携帯が、その存在を示すように着信音を立てていた。
 賢一さんからかも知れない、その思いが浮かび、自分でも驚くほど素早く、どこにこれだけの力が残っていたのだろうかと思う動きで、投げ捨てられたままとなっている、私のコートの方へと駆け出した。

 床で放心した表情を浮かべ横たわっている女の姿、普通の人間なら哀れと言うか、可哀想と言うか……憐憫の情が湧くのかも知れないが、俺を含めたこの場に居る奴らには、美味しそうなご馳走にしか見えない、この後どのように料理をして食べるか、その算段を俺達は考えていた。
 好みの場所へと、それぞれに一通りは出して満足していたが、もう少し楽しみたいとも考えている。何よりも、それがこの状況を依頼した奴の願いでもあるのだから……
 取り敢えずは、三つの穴を同時に犯してでも見るかと言う話しとなり、俺達は横たわっている女の身体を起こそうとし、その身体に手をかけようとした。
 その瞬間に、耳慣れない音楽が何処からとも無く流れ出てくる。一瞬虚を疲れた俺達は、その音楽が何処から流れ出しているのかを探り、すぐに音楽の出所を探し当てる。
 放り出したままとなっている、女が着ていたコートからその音楽は聞こえてきていた。
携帯の着信音?
 すぐに思い当たり、どう対処しようかと考えた瞬間に、いままで死んだ様に横たわっていた女が、突然に立ち上がったかと思うと、そのコートへと走り出す。
 虚を付かれた俺達は、一瞬反応が遅れたが、すぐにコートの中から携帯を取り出した女から、その手に持っている携帯を奪い取ろうと飛びついた。

 投げ捨てられていたコートへと飛びつく彼女の姿と、それを取り押さえようとする男達の姿、見方によってはコントの一場面を想像させるようなドタバタ劇、それを見ながら僕は苦笑する。
 彼女も男達も必死であり、それ故にそれをこうして見ている僕には、コントの一場面にしか見えない、着信音が鳴っている携帯、それに出る事が出来れば、この悪夢のような場所から逃げる事が出来ると考え、もしかしたら僕からの連絡だと信じて、助けを求める為に気力と体力を振り絞っている彼女の姿、突然の着信音に驚き、その対応に後れを取った男達の滑稽なまでの慌て振り、彼女の手に握られた携帯を奪い取ろうと焦っている姿……当人達には、切実で懸命な事なのだろうが、それ故にコントにしか見えなくて、僕は苦笑するしかなかった。
 悲劇も突き詰めると喜劇になる……そんな話を聞いたような気もする。だとしたら、今の状況は、間違い無くそうなのだろう。
 携帯を奪われまいとしていた彼女が、男の股間を蹴り上げ、その隙に携帯を抱え込むようにしながら、携帯に出ようとする……僕は、彼女が携帯に出る寸前に携帯を切った。

 コートの中から着信音が鳴っている携帯を取り出す。通話のボタンを押しさえすれば健一さんに助けてもらえる。それだけが最後の望みだった。
 しかし携帯を掴んだ手を、背後から男によって押さえられてしまう。何とかその手を振り解こうと必死になるが、男の手は緩まずに私の腕を捻り上げようと力を込めてくる。
 携帯が男の奪われる寸前、狙ったわけでは無かったが、ばたつかせた脚が男の股間に命中する。悶絶し、私から形態を奪い取ろうとしていた手の力が緩む、最後のチャンスだ!
 力を振り絞り、男の手を振り解き、私は携帯の通話ボタンを押した。
「ケン坊! たすけてぇぇ――!」
 口から出たのは、賢一さんではなくて、言い慣れていたケン坊と言う名前、だが顔に押し当てるようにしながら手にしている携帯は、何の返事も返してこない……既に携帯は切れていた。

 携帯をコートから取り出した女の手を掴んで捩じ上げる。この携帯に女を出す事になったら不味い事になりかねない、なんとしても携帯を奪い取らなければ駄目だ。
 何処にこれだけの力が残っていたのかと思うほどみ、女は携帯を奪い取られまいと必死に抵抗をするが、所詮は女の力であり、あと一息で携帯を奪い取れると思った瞬間に、股間に激痛が走る。
 蹴り上げられた俺の股間、女を犯した直後で、下半身を丸出しのままだったと言う事もあり、かなりの衝撃と言うか痛みを感じ、思わず握っていた女の手を緩めてしまい、女はそれをチャンスとばかりに、俺の手を振り解いて携帯のボタンを押した。
 拙いと思いながら、股間の痛みで思うように反応が出来ない、他の奴らはまさかこうなると思っていなかったのか、俺と女の携帯の奪い合いをニヤニヤしながら見ていたので、同様にとっさに反応出来ないでいる。
 携帯に向かって、助けを叫ぶ女の声がする。拙い!どうすれば!
 だが、それは杞憂であった。携帯は既に切れており、携帯をかけてきた相手と話しをする事は出来なかったらしい、切れた携帯に向かって何か叫ぶ女、俺は痛む股間を押さえつつ、携帯に向かって叫び続ける女の顔を蹴り上げる。
 蹴られた股間が痛むせいで、それ程強く蹴ったわけではないが、女が持っていた携帯を放り出すには、充分な蹴りだった。

「ケン坊! たすけてぇ、たすけてぇぇ! ケン坊! おねがいぃぃ――!」
 切れた携帯に向かって叫び続ける。冷静になり、リダイヤルすれば良いのに、それが思い浮かばない、ただひたすらに切れた携帯に向かって助けを求めて叫び続ける。
 そして叫び続ける私に向かって、股間を蹴り上げられた男が、怒りに身を震わせながら蹴りをを入れてきた。
「ぎゃぁうっ!」
 蹴り飛ばされ、持っていた携帯を話してしまった私、ポタポタと垂れてくる鼻血でつくられて行く、とろりとした赤い水溜りを見ている私の髪が掴まれ、男の方へと顔を向けさせられる。

 鼻血を垂らしながら蹲っている女、その髪の毛を掴み上げて、俺の方へと顔を向けさせる。
 蹴り上げられた股間は、まだ鈍痛が抜けきらずに、鈍い痛みを俺に与え続けており、それが俺をいっそう残酷にさせる。
 だが、これ以上と言うか必要以上の暴力を、女に振るう事は依頼主から厳に戒められている。何よりも依頼主である当人が、隣の場所からこの光景を見ている筈だ。
 結局俺は、それ以上の暴力を加える事なく(それでも充分に暴力的だが)髪の毛を掴んだまま女を、元の場所へと引きずるだけに留めた。

「舐めた事を、してくれるな」
 男が、私を元の場所へと放り出し、顔をくっ付きそうになるほど近づけ言う。股間を蹴り上げられた事に腹を立て、その顔は鬼のような形相と化して私を睨む、その鬼の様な顔に睨まれた私は、カチカチと歯を震わせ、そして全身を震わせながら、これから行われるであろう加虐に恐怖する。
 哀願の言葉すら、満足に出てこない……それでも、絞り出すような言葉で、一言だけ言う。
「もう、やめて……」
 その言葉が、逆に男達が凌辱を再開する合図となった。

『もう、やめて……』
 彼女の言葉が、隠されているマイクに拾われて僕に聞こえる。
 いまこの瞬間に、彼女を輪姦している男達に合図(それは特定の合図であり、彼女には解らない)を送れば、この輪姦劇を終わりにする事が出来る。
「終わりにするか?」
 僕は僕に聞く様に言葉を発する。
「まだだ……」
 そして僕は僕に聞こえるように答える。
 そうだ、僕はまだまだ見ていたい、彼女が男達に犯される姿を、11年前に見た刺激を僕はいま見たい、あの日見た事を、その日から頭の中で思い返していた事を、もっと見ていたかった……出来うるなら永遠にでも……
 そして凌辱は再開された。

「もう、やめて……」
 女が、ようやくに絞り出した哀願の言葉が、俺達には
『はやく始めてちょうだい』
 と言ったように聞こえた。だから俺達は、女に襲い掛かり凌辱を再開した。
 女の抵抗は、もはやほとんど無いと言ってよかった。口、膣、肛門……三ヶ所もの穴を犯され、最後の希望だった携帯の着信音も無駄となった今は、抵抗する気力も体力も無くなっているだろう。
 俺達は、事前にこの部屋の隅に前もって隠して置いた道具を持ち出し、それを使っての凌辱を始める事にした。
 道具と言っても簡単な物で、それほど凝った物を置いておいた訳でもない、何本かの丈夫な縄、幾つかの大人の玩具、そして……

「あうっ!いっ……痛いっ!」
 後手に捻りあげられた彼女の腕、そして胸を突き出すようにして身体を固定された上で、持ち出されてきた縄によって、両足を胡坐でもかいたような格好にさせられた上で、その股間を曝け出したポーズのまま縄によって固定される。
 男が彼女の顔を覗きこむ、先ほど股間を蹴り上げられた男だ。
「さっきは、キツイ蹴りをありがとうよ、これからお礼をしてやるよ、可愛いアクセサリーのプレゼントをな!」
 そして取り出した物を彼女へと見せる。取り出した物は針金を巻いた束、細く長い針金、その先端をポケットから取り出したライターで炙りだす。
「まあ、消毒だけはしておいてやるよ、悪いバイキンが入ったら大変だろうからな」
「何する気なの、やめて……やめてぇ!」
 火に炙られた針金の先端は、一瞬で赤くなる。そして男は彼女の乳房を掴み、その先端にある乳首を摘まみあげると、その乳首へと火に炙っていた針金の先端を刺し込む!
「いぎゃっ!」
 彼女の悲鳴で掻き消された。ジュッ! と言う小さな音、そして乳首に突き刺された針金の先端が、貫通して乳首から飛び出ている。
 その飛び出ている針金の先端を摘まみ、ヒュン! と引っ張ると、引っ張れた針金が乳首を貫通しながら伸びる。
「ひぎぃ!」
 その擦過による熱と痛みに悲鳴をあげる彼女、乳首を貫通し引き出され針金に、小さな鈴が括り付けられ通される。
「さて、もう一度消毒だ。バイキンが入ったら大変だからな」
 そして再びライターで炙られる針金の先端、その炙られる針金を見せつけられている彼女は、頭を左右に振りながら、声を詰らせ泣きながら訴える。
「やめて、もうやめて……おねがいだから、やめてよ……」
 無論! 男が止める筈が無い、再び赤く炙られた針金が、彼女のもう一つの乳首へと突き立てられ貫通する。
「あぐぁ!」
 貫通した針金が、また引き出されクルリと輪にされて結び合わされる。二つの乳首を貫通して輪を作る針金、ライターによる消毒の成果なのか、貫通している乳首から血はそれほど出ていない、微かに貫通されている部分から血が滲んでいる程度、そして張られた針金の間には、小さな鈴が一個だけぶら下げられている。
「さて、仕上げの消毒だ」
 男がウィスキーの小瓶のキャップを開け、その中身を口に含み、針金が貫通している乳首へと口を近づけて行く、そして乳首を口に含む。
「うくっ!」
 傷付けられた乳首に走る痛みの刺激、更に口の中に溜められた酒が傷付いた乳首を刺激する。そして舌が乳首を舐める。
「くぅぅ、いたぁいぃ……」
 乳首へと染み込むような痛みがある。その痛みに苦痛の声を絞り出し、身体を揺り動かすたびに、乳首に張られた針金……その間に着けられた鈴が、小さな音を立てながら揺れ動き続けた。

「うっ、うぅぅ……もうやめてください、これ以上は嫌です。もうたえられません、おねがい……ああぁぁ……」
 ギリッ! と縛り上げられた身体が床に転がされ、歪に戒められた身体に負担を強いて、それが彼女に哀願と苦痛の声を上げさせる。
 二重に重ね合わされた紐に縛り上げられた身体、後手に組み合わされ固定されている腕、肉に食い込みながら身体を縦断する縄、縄によって挟まれるように歪んでいる乳房、股に食い込み尻へと抜け、両足を中途半端な胡坐でもかいている様に固定し、途中で何箇所も結び目を造りながら、何重にも組み合わされている縄の線、自分の意思では身動きすらできない姿へと戒められ、彼女は床に転がされていた。
 姿勢を戻そうとしても、不安定な形に造り上げられて縄で固定された身体で満足に動けず、股間部を強調するように曝け出しながら、言うならば倒れ続けるしかない羞恥の姿であった。
 その様に転がされている彼女に男達が迫る。
 縄によって縛り上げられ、局部を強調するように固定された身体へと、男達はそんな彼女の身体に自分達の身体を組み合わせて行く
「ひっ!」
 下半身の方へと潜り込んだ男が、縄によって掻き分けら、そして剥き出しにされているアノ部分にペニスを埋め込む
「いぎぃ!」
 突き出されるように引っ張られ、縄によって大きく尻を割り開かれた末に、皺の一筋までも露出された肛門に、後方に陣取った男のペニスが捻り込んで行く
「うぶぅ!」
 下半身の二ヶ所を同時に犯され、苦痛に歪む顔へと手がかけられ、その苦痛ゆえに半開きとなっていた口へも、前に回った男がペニスを突きこむ
 肉の塊のように戒められた彼女が、その肉の塊となった身体にある三つの穴を同時に犯されて行く、埋め込まれ、捻り込まれ、突き込まれ……三つの穴へと、同時に加えられるに嗜虐行為、快感を感じさせる事を拒否した、己だけが快感を貪る行為、その欲望に満ちた行為、男達は各々に好きなタイミングで身体を揺り動かしながら、彼女の中に突きこんでいるペニスを動かし快感を絞り取って行く、彼女の身体が引き伸ばされ、同時に押し潰されながら捻られ、男達のよって都合が良く、彼女のとって苦痛のみの姿勢、その苦痛の中で彼女は犯され嬲られ続ける。
 背後から尻を犯す男の手が左の乳房を揉み、下から膣を犯す男の手が右の乳房へと伸びて嬲る、そして前から口を犯す男が、乳首に張られている針金を弾く、激しく甚振られる乳房と乳首、そして針金で吊るされている鈴が、狂ったように揺れ動かされながら、小さな音を奏で続ける。
 彼女の口を塞がれながらも漏れ出す呻き声、男達が興奮しながら吐き出す荒い息づかい、そして嬲り揺れ動かされる乳房……乳首の間に張られた針金の真中で、狂った様に鳴り続ける小さな鈴音……

 男達は、それぞれに絶頂へと達し、彼女の胎内へと欲望を吐き出し、その身体から離れ……そして、責める穴の場所を変えて、再び犯し始めた……


                                  



 身体の上を這いまわる刃物の冷たく鋭利な感覚、それを感じながら私は何の反応も見せず、刃物に身体を舐め廻されるままにさせておく……

「なんだよ、もう少し面白い反応しろよ、そうしないとお前の身体に、穴の場所が増えちまうぞ」
 縄で戒められた彼女の身体にナイフを滑らしている男が詰まらなそうに言う。男が持っているのは本物のナイフであるが、彼女の身体に当てているのは背の部分であり、刃の方を当ててはいない、もっともナイフを当てられている彼女には解らないだろう。
 解らないのに反応を見せないと言う事は、すでに彼女が外から与えられる反応に対して、全て無関心となってしまったからだろう。
 いまだに戒められたままの身体、乳首の間に張られた針金は更に増え、下半身の方へと針金が伸び、クリトリスを貫通し乳首へと戻るように張り巡らされている。そして肛門と膣口へと挿入されたままグネグネとした動きを続けている大人の玩具、男達が放った精液と滑りを良くする為にと塗られた液体が、全身をまるで薄くパックでもした様にこびり付き、それが乾いてぱりぱりとなっている。
 そんな風に壊されている彼女の肉体、だが壊されたという意味では、彼女の心の方が遥に大きく深いであろう。
 もはや何事にも、自分自身の命と言う一番大切な物にさえ反応を示さない、示せなくなってしまっている彼女の姿、それを僕は壁一枚隔て場所から見続けている……最初から……そう、彼女が初めて犯された11年前の時から、いまこの瞬間までを……
 頃合だ……僕は立ち上がり、壁際へと歩いて行く、そして壁から垂れている紐を引っ張った。

 ガシャン! と、大きな音が鳴り響く、その大きな音は終わりの合図だった。
 俺達が満足して終わらせるか、それとも頃合を見た依頼主が隣の部屋から合図を送るか、そのどちらかで凌辱は終了する事になっている。
 あの物が落ちるような大きな音は、依頼主からの終了の合図……確かに頃合かも知れない、これ以上の事をしても女は、まともな反応を見せる事もないだろうし、これ以上の事をするとしたら、それこそ殺してしまう他なくなる可能性すらある。
 そして何よりも、散々に欲望を吐き出した俺達も、いささか疲れを感じ始めていた。
 いままで身体を撫でていたナイフを、女の乳首とクリトリスを貫通している針金に当て、そのまま針金を切断する。
 ピンッ! と言う音を立てて切断される針金、その針金を貫通している乳首やクリトリスから一気に抜き取る。
「はぁう!」
 針金を貫通させている場所から引き抜く動きに痛みを感じたのか、沈黙していた女が小さな呻き声を漏らす。
「ほお」
 久しぶりに聞く女の声、それが面白くなり、針金を引き抜く手を早めるが、女はそれ以上の声を出す事を、ギリッ! と歯を食い縛り耐える。
 それでも最後の瞬間、完全に乳首とクリトリスから針金を引き抜いた瞬間に、小さな声を出したが………
 乳首とクリトリスを貫通していた針金を引き抜いてから、身体を戒めている縄を切断する。もしも先に縄を切断し、針金の切断を後にしたなら、縄で縛められていた身体が解放された瞬間に伸び、針金で縛められた部位が引っ張れて引き千切られていただろう。
 これでも一応は、手順を考えながら行動しているという訳だ。
 戒めている縄へ刃を当てて、縄を切断する。堅く戒められている縄を一々解くのも面倒であり、何より不可能なほどに固く部位を締め上げている。
 ブツッ! ブツッ! と切断されていく縄、それに従って戒められていた女の身体が解放されて行くが、縛り上げられていた縄目は痣のように身体に刻み込まれ、一部では内出血も起しているようだ。
 それでも女は、久しぶりに身体を自由にして床に横たわる。もっとも尻の穴と股間には、いまだにバイブが挿入され続けており、ブルブルと震わせながら女の身体を甚振ってはいるのだが……
「こいつは、消毒薬代わりだ。もったいないが使ってやるよ」
 先ほど乳首の消毒に使ったウィスキーの小瓶を取り出し、横たわったままの女の身体にかける。
「ぎゃぁうっ!」
 横たわったままであった女の身体が、ビクン! と海老の様の反り返って跳ねる。女の身体に着けられている大小様々な傷口、そこにウィスキーが降りかかれば、どのような反応を示すか……想像通りの反応を見せてくれる女の滑稽な姿を見ながら、俺達は笑い転げた。
 それを2、3回ほど繰り返した後、反応が鈍くなった女をその状態に放置しながら、俺達は服を着始め帰り支度を始める。
 使っていた縄や針金は、そのまま放置して置くとして、女の股間と尻の穴を甚振り続けているバイブをどうするか、少し考えた末に女に向かって言ってやる事のした。
「おい、いま尻とアソコで動いている玩具、俺達を満足させてくれた手数料としてプレゼントしてやるよ、今日の事を思い出して我慢できなくなったら、そいつを使ってせいぜい自分を慰めな、まあ俺達のチンポにくらべりゃ物足りないだろうがな」
 いまだに倒れたままの女を残して、着替えを終えた俺達は、この部屋から出て行く……あとの始末は、隣の部屋で見ていた依頼主がするだろう。
 俺の残りの仕事は、後日に……少しほとぼりが冷めた頃に、依頼主から依頼金の残額を受け取るだけだ。それで、この仕事は終わる。
 そう考えながら、俺は他の奴らと一種に部屋から出て行く……部屋の中に残した女の事など、その瞬間に忘れ去って……

「うっ! くぅぅ!」
 ブルブルと休む事無く振動し続けるバイブ、それを引き抜く為に尻の穴へと捻じ込まれているバイブに手をかけ……引きずり出す様にして引き抜く、そして引き抜いた瞬間に、大きく開かれたままとなった肛門から、大量の汚物が噴出してくる。
「あっ! ああぁぁ……」
 次々に、止め処もなく排泄されていく糞便、男達は肛門にバイブを入れる直前に浣腸を注入していた。捻じ込まれたバイブが栓となり、今まで噴出する汚物を押さえていたが、それが引き抜かれた瞬間に、押さえられていた汚物が出口を求め噴出したのである。
「うっ! ううぅぅ……あはぁっ!」
 噴出していく私の汚物、その快感にも似た開放感に浸ってしまう私が、恥ずかしくも惨めだった。
 汚物に塗れた下半身、散らばっている自分の服で汚れた下半身を拭き、男が置いていったウィスキーの小瓶に入っているウィスキーの残りで洗う。
「ひぎっ!」
 無理な挿入と、捻じ込まれたバイブによって傷付いている肛門と粘膜が、染み込んだウィスキーで刺激され、苦痛を与えるが構ってはいられない、汚れた尻を拭き取りウィスキーで洗った後に、いまだに股間で蠢いているバイブを抜こうと手をかけたが……
「んっ!……なんで、くぅ!」
 抜こうとしても、膣口に押し込まれたバイブは抜ける事無く、がっちりと膣口に加え込まれたまま引き抜けない……俗に言う膣痙攣、それは男達の乱暴な行為の結果として引き起こされのだが、彼女がそれを知識といて知っている筈も無く、ただ抜ける事無く股間で蠢き続けるバイブに手をかけ、何とか抜こうと努力し続けるしかなかった。
「いやぁ! ぬけてぇ! くぅぅ……あっ! 」
 苦労の末に、ようやく抜けたバイブ、だが無理やりに引き抜いた事によって、膣口を含んだ性器は痛々しいほどに汚れ傷付いていた。
 その汚れ傷付いた自分の性器を見る彼女の表情に、虚ろな笑いにも似た表情が浮かびあがったかと思うと、次の瞬間にその場に突っ伏して喘ぐような、呻くような……絶望に満ちた嗚咽を漏らし始める。

 どれほど、その姿勢のまま嗚咽を漏らし続けていただろうか、やがて嗚咽は止まるが、その姿勢のまま私は身動きを試用ともせず、その場の突っ伏し続ける。
 何時までもこうしていたい、このまま死んでしまいたい……そう考えながら、これ以上動く気も起こらずいる私の耳に、入ってくる音楽……私の携帯の着信音だった。
 頭を持ち上げて、音が鳴っている方を見ると、そこは私の携帯が放り出されていた。揉みあった時に蹴り飛ばされ、奪いとられた携帯が放り出されたままとなっていた。
 身体を引きずりながら、その携帯へと身体を伸ばし、手に持って出る……携帯の向こうからは、ケン坊の声が聞こえて来た。

 倒れたままの彼女、このままにして置いても別に構わない、そう考えながらも僕は、手に持った携帯電話の短縮ボタンを押す。
 向こうの部屋でなる響く着信音、身動き一つしてなかった彼女の身体が、ビクリッ! と反応を見せ、ゆっくりと身体を起こすと、投げ捨てるように置かれている携帯の方を見る。そして身体を這いずるように動かし、その携帯を手にとった。
 携帯が彼女へと繋がる。
「早苗さん、ようやく出てくれた。えっと、さっきも携帯に連絡入れたんだけど、どうしたの?それと公園の方には、まだ来ていない様だけど、なんかあったの?」
 僕の白々しい問い掛けに、彼女は少しだけの沈黙をした後の応えてくれた。
『ごめんなさい、ケン坊……あの、中学時代のお友達とであってしまって、話こんでしまって……そのまま喫茶店に入って、まだ話す事があって……だから、あの……』
 明らかにおかしな様子を見せている口調……でも僕は、それに気が付かないふりをする。
「そうか、友達と久しぶりにあったの……じゃあ、こちらに来るのに時間が掛かりそうかな?」
『あっ、えっ……はい、まだお話したい事が、だから、できたら今日のお約束は、ごめんなさい勝手な事ばかり言って……本当にごめんなさい……ケン坊……ごめん……』
「あの早苗さん」
 僕の問い掛けに明らかに動揺しているのが、携帯からも壁一つを隔てている場所から見ている姿からもはっきりと解る。
『はっ、はい』
「ケン坊て言うのは、止めにする約束だよ、約束まもってくれないと僕も、またお姉ちゃんて言うよ」
『あっ……ケン……健一さん、一回だけでいいから、お姉ちゃんて言ってくれる』
「変な事を言うな……まあ、いいや……お姉ちゃん、好きだよ……これでいいの?」
『ありがとう、健一さん……ケン坊……』
「変だな、まあ良いや、それじゃ今日の予定は残念だけど中止と言う事で、明日にでも携帯の方に連絡を入れるから、詳しい予定はその時にでも……良いよね?」
『ええ、その時におねがい……ケン坊……大好きよ……』
「僕も大好きだよ、お姉ちゃん」
 そして携帯は切れた。

「あっ! ああぁぁぁ…………」
 切れた携帯を握り締めながら、私は声にならない声を出し、その場で神に祈る。
 私をすぐに殺して!……と
 ケン坊! 大好きなケン坊! もう会えない、会える筈がない、会いたいけど会えない、だったら私に残された事は、死んでしまうしかない!
 私は、散らばる衣服を拾い集め、それを身に着ける……自分の汚物を拭き取った物は、身に着ける事は出来なかったが、コートを上から着込めば、犯され傷だらけとなった身体を誤魔化す事くらいは出来る。
 そして私は、自分が犯された部屋から出て行く、11年のあの時と同じ様に、痛む身体とそれ以上に痛む心を抱え込みながら……
 部屋を出る瞬間、私は部屋の中へ向かって叫ぶ!
「さよなら、ケン坊!愛してたの!」
 何で、その様な事を言ったのか……自分でも解らない、でもその肺腑を抉るような言葉を吐き出し後、私はその場所から出て行った。

 彼女が部屋を出て行って30分、僕は自分がいた場所の後始末をした後で、彼女が犯され輪姦されていた部屋へと、設置したビデオカメラを回収する為に入る。
 四方に設置したビデオカメラが、今の出来事を予定通りに撮影されているかを確認しながら回収していく、その回収作業中に投げ捨てられたままとなっている、彼女の下着が目に付く、無造作に投げ捨てられている彼女の下着、その下着を拾い上げようとした手の動きが途中で止まり、その投げ捨てられたままの下着に手を触れる事無く、そのまま引き戻される。
「僕は、もう満足したんだ……」
 そう、僕は満足していた。彼女が犯され輪姦される姿を、満足するまで見る事が出来た。これ以上の満足は既に不要であり、回収した彼女が犯され輪姦される姿を記録した映像も、また廃棄すべき物かも知れない、僕は回収した物を持ってきた回収用のバッグへ仕舞いこみ、この部屋を彼女と同様に出て行く……
「大好きだよ、お姉ちゃん……これからもずっと……」
 11年前から頭の中で見続けていたあのシーン、それが消えて行くような気がする。自分勝手なと言うよりは、理不尽で鬼畜な思いと行為の果ての満足感と充実感、それでも彼女とこの先一緒に過ごしていく事が出来れば、償えると思っていた。
 彼女を愛し続ける事さえすれば、この事さえ以前と同じ様に時間が彼女を癒し、僕が癒してあげる事が出来ると、僕は愚かにも考えていた………

 大学卒業後、就職を期にして始めた一人暮らし、ケン坊の所にお嫁さんとなる日の事を楽しみにしながら、生活をしていた場所……そんな自分の場所へと私は戻ってきた。
 火傷しそうなくらいに熱いシャワーが、身体の汚れを洗い流してくれるような錯覚を感じさせてくれて気持ちが良い、体中に残る傷痕に染み入る痛みが奇妙な爽快感を与えてくれる。
「うふっ……ふふふっ……」
 シャワー浴び続けながら、私は何時の間にか笑い出している……いいえ、笑っているのではなく、泣いているのだと言う事は、両の眼から溢れ出して来る涙が教えてくれるが、薄く開かれている口元から出るのは笑い声だけ……なぜだろう?

 新しい下着と衣服に身を包んだ後は、ボロボロになった服はゴミ袋に入れて、外の集積場に出す。
 買い置きしていた冷凍食品を電子レンジでチンして食べたとき、込み上げて来る強烈な嘔吐感!そのままトイレと駆け出し、便器に向かって全てを吐き戻してしまう。
「あはぁ、くふふふっ……」
 全てを吐き戻した物の中に、便器にかかっている白い塊、それを見つけた時に便器に身体を預けながら、また笑いがこみ上げてきて笑ってしまう。

 蒲団の中に潜り込む、寝巻きに着替える最中に身体を見たら、長袖の服とスラックスを履いたなら、腕や脚に残っている縄の痕や傷痕は解らないだろうと確認する。
 そして、そのまま眠りへ入って行く私……夜中にうなされて目が覚める……11年前の事、ついさっきの事、何度も目が覚める度に私は自分に言ってみる。
「ケン坊……大好き」
 そして悪夢にうなされる為に、私は眠りにつく……

 気分の良い不快な目覚め、私は勤め先へ向かう為に、その場所から出る……会社までの道のり、駅まで歩いて電車に乗って30分、そして歩いて10分、仲の良くなった同僚の人達と軽いお喋りをしてからの仕事を始める。

 会社の人が、一緒の昼ごはんを食べないかと誘ってくれたけど、ダイエット中だからと笑って遠慮する。早苗は細いんだから、ダイエットの必要ないよと言ってくれたけど、食欲が全然ない……

 5時の終業、仕事を終えて私は私の場所へと帰る。会社を出てから10分間、駅に着いて何時もの混みあっているホームで電車がやってくるの待つ、あちらか来るのはこの駅を通過して急行列車、私は少しだけ身体を伸ばして、その急行列車が来るのを待つ、駅の案内が危険だから白線の内側までお下がり下さいと言っている。それを聞きながら私は乗り出した身体を、白線の内側へと引っ込めようと考えたのに、カクン! と足が崩れてしまい、不思議な事に身体はそのまま前の方へと倒れて行ってしまう。
「あれっ?」
 ホームから落ち行く私が最後に見たのは、凄い勢いで迫ってくる急行列車の姿だった。

 注文した二杯目のコーヒー、その飲み残しがあと二口ほどになった時に、奴は現れた。
「よお」
 以前とは別の喫茶店、そこで依頼料の残り受け取る為に待ち合わせをしていた俺の前に、最初に会った時と同じ様に奴は現れた。
 相変わらずの、何とも言えない危うさは一層磨きが掛かった様な気がするが、どうせ会うのはこれで最後だ。そんな事を気にする必要もない、ともかく残りの金を受けとって、早々に縁を切った方が利巧と言うものだろう。
「おまたせ」
 無表情……と言うよりは、マネキン人形を思わせる表情のまま返事を返した奴が、俺の前に座ってコーヒーを注文する。
 そして懐から、それなりの厚さを形作っている茶封筒を一つ取り出し、俺の方へと差し出す。
 念の為にと封筒の中身を簡単に確認し、間違いない事を確認し終わった後に、どうせこれが最後なのだからと言う気持ちから、俺は聞いてみた。
「どうだい、彼女とそれから上手く行ってるかい?」
 自分の恋人を俺達に輪姦させ、それを見ると言う行動、しかもその恋人とは近い内に結婚をする事を考えてると言う話、理解不可能な行動様式と頭の中身、その後に女との関係がどうなっているのかを聞いてみたくなったのは、こいつが何を考えているのかを、少しでも知りたいという純粋な好奇心と皮肉からであった。
「いえ、彼女は先日死にましたから」
 運ばれ来たコーヒー、それに口をつけながら奴は、まるで今日の天気の事でも話すような口調で言う。
 聞いた俺の方が言葉を無くし、その言葉を吐いた奴の顔を驚愕の表情で見返す羽目になる。
「自殺か」
 俺の問い掛けに奴は、表情を変える事無く言葉を繋げる。
「いいえ、事故死です。駅のホームに入ってきた急行列車に轢かれて、あまりにも酷い死に様だったので、僕は最後の別れを言う事も出来ませんでした。彼女の両親から……綺麗だった娘の事だけを記憶しておいてくれと言われてね」
「本当に事故死なのか」
「ホームを記録していたビデオの映像や、周囲にいた人達の証言……自殺には見えなかったそうです。それに近い内に僕と結婚する予定もあり、自殺する動機も見当たりませんでしたしね」
 自殺をする動機はある。いや列車に轢かれたとなれば、死体に対しての調査が行われ、事件性はないかと言った調査がされ、その遺体が調べられる筈だ。そうなったら俺達が、あの女を輪姦した痕跡が残ってるはずで、その事がバレてしまい、捜査と言うか調べの手が伸びる可能性は多分にある。
「大丈夫です」
 俺の不安を察したのか、奴は残りのコーヒーを飲み干した後に言う。
「言ったでしょ、婚約者である僕が、その最後の別れの時に会わせて貰えなかった……と、それほど彼女の遺体は激しく損傷していて、生前に彼女の身に何が起こったのか等と言う事を、その死体から判断する事など出来る筈もなかったんですよ」
 俺は思わず安堵する。
「それじゃ」
 奴は席を立ち上がり、置かれているレシートを手に取り、出て行こうとするが、俺は思わず聞いてしまう。
「お前、後悔しているのか」
 奴は、この時に初めて表情をその顔に浮かべる。
「僕は、満足しています」
 浮かべた表情は笑い……それは、皮一枚が薄く顔面に張り付いたような、薄い笑みの表情……その笑いを顔に張り付かせたまま、奴は俺の前から姿を消した。

 冷たくなっている飲みかけのコーヒー、その残りを無理やりに喉へと流し込み、俺も続いて席を立って喫茶店から出て行く、もう二度と奴は会いたくなかった。二度と係わり合いに等なりたくなかった。
 最後に見せた奴の笑み……それが、ひたすら恐ろしい!
「何でまた……」
 後悔の言葉が口から漏れだす。何でまた俺は、あんな奴と係わり合いを持ってしまったのか、二度と顔を会わせたくなかった。
 だが何となく予感していたのかも知れない、再び俺は奴と出会ってしまう事になるのだと……そして数ヵ月後に、その予感は現実となった。


                                  
壱拾壱


『……おかけになった電話は電波の届かない場所か電源が切れて………』
 先程から彼女の所へとかけている携帯は、同じ音声ガイダンスを流し続けている。
 あの日の翌日、約束したとおりに彼女の所へと連絡を入れるが、一向に携帯は繋がらず連絡が取れない状態となっている。
 何も知らない事になっている僕は、仕方なく携帯を切った後に作業へと戻る。
 今行っている作業、昨日の事を録画したビデオカメラからの記録映像を、手持ちの機材(と言っても型落ちのパソコンとDVDレコーダーなのだが)へと保存した後始末、すでに大本である昨日の事を録画していたビデオカメラは、記録されていた彼女の輪姦シーンなどのデーターを完全に消去した上で、レンタル店に返却し終わっている。
 そして手元に残っている何枚かのDVD、それにデーターとして記録されている彼女が輪姦されてシーン、それが上手に記録されているかを確認していた。

 手持ちのパソコンにデーターを記録したDVDの一枚をセットして再生をさせる。多少型落ちのパソコンとは言え、それ位の事は出来る性能はあるし、必要なソフトも組み込まれている。
 そしてパソコンのモニターには、あの時の生々しい映像が再生され始めた。

 最初に再生される画像を見たとき、変な事に感心してしまう。最近のビデオカメラの高機能化には眼を見張る物があるという事なのか、少々暗かった室内だったと言うのに、記録されている画像は暗さをまるで感じさせないクリアな画像で、一連の出来事が記録されているのだから……

 部屋の中へと連れ込まれる彼女の姿、そして始まる輪姦の魔と言うべき時間、脱がされ引き剥がされて行く彼女の衣服と下着、そしてその下から現れる彼女の白い裸身、僕が何度も愛撫しながら慈しんだ愛しい人の肉体、それが他人の手によって蹂躙されて行く姿、柔らかな感触を与えてくれた乳房が、歪な形へと変化させられながら蹂躙されて行く、湿り気を感じさせ触れた指先を受け止めてくれた場所が、掻き分けられた陰毛の間から肉色の襞を露出させ痙攣する。僕の事を愛していると言ってくれた口からは、悲鳴の叫びと哀願の声、そして呻くような泣き声だけが聞こえ、その大きく開け広げられた口の中へと、男の肉の塊が無理やりに捻じ込まれ、吐き出された欲望の残滓が垂れ出して、優しい微笑を与えてくれた顔を、恐怖と絶望に歪んだ顔へと汚して行く、優しく僕を包み込み込んでくれた場所が、突き上げる男のモノによって傷付きながら汚されて行く……そして僕が、一度も接した事の無い無垢な場所、その場所が男の欲望の前に貫かれ、血を流しながら男の物を全て飲み込んで行った。

 幾重もの縄によって縛り上げられている裸体、その縛り上げられた裸体に張り巡らされる銀の糸、その銀の糸に吊り下げられている小さな鈴……その鈴が、男達によって蹂躙される身体が揺れ動く度に小さな音を立て鳴り続ける。
 口、膣、肛門……彼女が持つ三つの開口部が、男のモノによって埋められ、その内側に欲望の体液を吐き出され続ける。

 捻る様にして引き出した肛門に挿入されていたバイブ、それが引き出された瞬間に彼女の肛門から噴出する汚物、その噴出する汚物に対して、映し出されている映像の中の彼女は、ある種の歓喜とすら見える表情を浮かべている。

 傷付くに良いだけ傷付いた身体、それをまるで重い荷物の様に持ち上げたった彼女……自分が犯され輪姦された部屋から出る時に叫んだ言葉……
『さよなら、ケン坊!愛してたの!』
 それを叫んだ時の彼女の姿を、どの様に表現すれば良いのか、僕には術が無く……よろめきながら部屋を出て行く彼女の後姿を、そして誰も居なくなった部屋だけが写されシーンで、記録された画像は終わる。

 一通り見終えた後、僕はその記録された映像をどうするか、どうするべきか少しだけ考えるふりをするが、すでにどうするかは決めていた。
 わざわざビデオを何台も借りてきて、その全てを記録したと言うのに、この記録は処分してしまう事にしていた。
 すでに僕は満足している。今の彼女が、犯され輪姦される姿を見たみたいという欲望、それは充分に満たされ、これ以上を望気持ちは無いし、これから再び同じ欲望を感じる事は無いだろうと思っている。
 だとしたら、この記録された映像は処分して、僕の記憶の中にだけ彼女が犯され輪姦された姿を保存しておくべきだろう。
 パソコンから取り出した物と、机の上に置いてあった彼女の事を記録したDVD、それを二つにでも割って処分しようとした時に、母の僕を呼ぶ声が聞こえる。
 僕を呼ぶ母の声、その声は何処か常道を逸した様な、奇妙に不安定な声に聞こえた。割り砕こうとしたDVDを、そのまま机の上へと放り出して、母の所へと向かう。
 そして真っ青になっている母が無言のまま差し出した受話器を受け取った僕は、彼女の母から彼女が死んだと言う事を聞かされた。

 事故死……と言うのが、状況を調査した警察からの発表であった。
 一部始終を記録していたホームの監視カメラに残されていた映像、その他の状況検分の結果から導き出された結論、彼女の身に何が起こっていたのかを知らない人達にとって、それが一番納得の出来る結論であり、それ以外の事は考えられない状況であった。
 だが僕は知っている。彼女の身に何が起こっていたのか、その結果としてこの事態が起こったのだという事を……
 11年前に続き、再度の輪姦と言う凌辱を受けた彼女が、このような行動に出るという可能性を僕は考えていなかった。いや正確に言えば、考える事をやめていた。
 もしも、この様な……彼女が死に至るという可能性を考えたなら、僕は躊躇った末に中止していたかも知れない、だからこそ僕は考えなかったのだ、彼女が再び輪姦され凌辱される姿を見たいから、彼女の死に至るかも知れ無いという事態を考え、それをによって湧きあがった欲望を実行する事を中止してしまうと言う事にを恐れ、僕は彼女の死を予感する事をやめていたのだ。
 葬儀の最後の瞬間まで、彼女の姿を見てのに別れは出来なかった。彼女の両親から泣き縋られて、彼女の遺体を見る事を止められる。
『娘が、綺麗だった時の事だけを記憶していて欲しい……』
 電車の事故に遭遇した遺体は、酷い状況になるという話は良く聴く話だが、彼女の場合は特に酷い状況であったらしい、人の遺体と言うよりはミンチされた肉片と言う状況になった彼女の肉体、一番大きな部位でも両手で隠せるほどに粉砕されてしまった肉体、せめて彼女が綺麗であった時だけの事を覚えていて欲しいという彼女の両親の願いは、ある意味当然の事だったのかも知れない、だから僕は彼女に最後のお別れを直接に言う機会を失った。
 彼女の遺体を見る事が無かったという事もあるのだろうか、僕は彼女の死を実感する事も出来ず、ただ執り行われていく婚約者である彼女の葬儀一切を他人事のように、僕に関係の無い出来事のようにしか思わず、彼女の死に対する後悔の念なども、ろくに湧き上がってこなかった。
 初七日もおわり、あの事を依頼した奴に残金を払う為に会った時も、僕の心にあったのは、ある種の満足感だけであり、後悔の念は出てこなかった。

 深夜の自室、放り出しっぱなしにしておいた。彼女が輪姦されている映像を記録しているDVD、それを再生して僕は見る。
 前に見た時同様に、男達によって犯され輪姦されて行く彼女の姿……全てが終わった後に、彼女が部屋から出て行く最後の時に叫んだ言葉……
『さよなら、ケン坊!愛してたの!』
 それを聞いた時に、僕は始めて涙を流す……だが、涙を流しながらも、僕はやはり満足していた。



                                        壱拾壱〜終了



                     輪姦の魔 第一話 「 仲谷早苗 」 完

                     輪姦の魔 第二話 「 森里宏美 」 へ 続く


                                                    




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