姉弟 


                                「 予想外 」


 運が悪い…最初はそう思った。
 なにせ女だと思い、仲間と一緒に近くの公園の中へと連れ込んだ奴が、女ではなくて男だと判ったからだ。
「おい!こいつ…野朗だぜ!」
 押さえ込んで、顔を舐めしゃぶるようにしながら唇を奪い、抉じ開けた口へと舌を入れて嬲っていた俺に、下半身を嬲ろうとして履いているスカートを捲り上げ、履いている下着を擦り下ろした仲間が、吃驚した様な声を出して言う。
 その言葉に俺は、口へと入れていた舌を慌てて引き抜き、改めて押し倒している奴を見た。
 …どう見ても女にしか見えない、来ている服もブラウスにスカートと言う女の衣装だ、それに薄っすらと化粧している顔…外見的には、どう見ても女にしか見えない、だがスカートを捲り上げられ、下着を脱がされ剥き出しとなった下半身には、まだ皮を被ったままだが、立派なチンチンが生えていた。
 ベッ!と唾を吐き出し、俺は拳で口を拭いながら、その拳を俺の下で震え脅えきっている…少し前まで女だと信じ込んでいた奴の顔面に叩きこうとしたが、その腕が途中で止まる…
 どう見ても男には見えない、大きな瞳も…赤い唇も…華奢で端整なその顔も…その全てが、女にしか…それも飛びっきりの美人にしか見えなかったからだ。
「おい…どうする」
 仲間が白けたような口調で言う。
 確かに俺達は、真っ当と言うか、ごく普通の性的嗜好の持主の筈だ、少なくとも男と裸チャンバラをする気なんか無い…少なくとも無い筈だった。
「そうだな…」
 俺は少しだけ考える様子を見せるが、すでにどうするかは決めている…このまま、こいつを犯してやる、そう決めていた。
 考えれば、今までに強姦した女の尻の穴を犯した経験が何回かある、女だろうが男だろうが、入れる場所に大差は無い筈だ…
「へっ!わざわざ女物の服を着ているくらいだ、こうゆう具合に強姦とかをされたかったんだろうぜ、俺は親切な男だ…期待に応えてやろうじゃないか、たっぷりとな!」
 そして、一旦中止された凌辱が再開された……

「やだ、やめてくれ!」
 僕は必死になって暴れるが、押さえ付けられてどうしようもない、それでも何とか逃げ出そうと押さえ付けている手に噛み付いた次の瞬間、思いっきり顔を殴られる。
「いてぇな、大人しくしている!女の服を着てるくらいなんだから、こうなる事は覚悟してたんだろがぁ!」
「ぐぅ…違い…僕は…僕は…」
 呻くような声を絞り出し必死に否定する…そう、僕がしたかったのはこんな事では無かったんだ……


                                 「 思慕 」      


 この世に生を受けたのは十何年か前の事…生まれた時から何時も一緒だった姉さん……
 二つ年上の優しい姉さん、二人でいれば寂しくも哀しくも無かった…何時も楽しくて嬉しかった…それが、小さな頃からの二人の関係であり、この先も変る事無く続く事だと僕は思っていた。
 そう…僕だけは…
 学校で姉さんが、その男性を僕に紹介したのは、半年ほど前の事だった。
「賢一だから、一番最初に紹介するんだよ…私のボーイフレンドの仲城 誠くん…」
 それを聞いた時に、僕は悟ってしまう…僕と同じ存在だと思っていた恵子姉さんが、僕とは違う存在だったと言う事に……
 それから一日後とに、姉さんが僕から離れて行くのを感じ続ける…同じ時を一緒に生き続け、この先もずっと一緒だと思っていた姉さん…離れて行く姉さんを僕は傍に置いておきたかった。
 そして、僕は姉と同じになろうと思い、それを実行し始めた…
 姉が留守の時に、僕は密かに姉の部屋に忍び入り、姉が着ている服を着る様になる…年上であると言う事、僕が小柄であると言う事…姉さんが着ている服は、どれも僕に誂えた様にピッタリだった。
 最初は僕の部屋の鏡の前で、鏡に写った僕…姉さんに話しかける。
「姉さん…何時までも一緒だよ…」
 真剣に鏡に向い話しかける僕…やがて服を着て外へ出かけるようになる…僕にとっては、それは姉さんと一緒のデートのようなものであった。
 化粧も研究する…新しい女性用に下着も、この姿で購入する…女らしい仕草にも気をつける…少しでも姉さんになる為に、僕は姉さんになりたかった。
 そう…姉さんの服を着た僕は、姉さん自身であり、その姉さんは僕の傍に何時もいてくれる…それが嬉しくて、姉さんの服を着て外を出歩く…姉さんと一つになる為に…

 そんなある日、何時もの様にこっそりと姉さんの服を着て外を歩いていた時、見知らぬ男達に道を塞がれる、横をすり抜けようとした瞬間に僕は捕まり、そのまま公園の茂みの中へと連れ込まれ押し倒された。
 何が僕の身に起きたのか、それを冷静に判断する間も無く、押し倒された僕の唇がタバコ臭い唇で塞がれ、唇を抉じ開けた舌が入ってくる、下半身のスカートに手が掛かるの感じたと思った瞬間に、それが捲り上げられ履いていた下着が引き下ろされる、そして次の瞬間に、男の驚いたような声が聞えた。


                                「 嬲り 」


「ぐぅ…違い…僕は…僕は…」
「なにが違うってんだよ!」
 何が違うか…そんな戯言を聞く気も無い、妙に艶っぽいこいつの尻の穴を犯す…それが、俺の一番の重要事項だった。
 すでに剥き出しとなっている奴の下半身、このまま抱え上げて一気に突っ込むのも面白いかも知れないが、何の準備もしていない尻の穴に突っ込むのは、やはり無理があるだろう…それに、少々女との違いを楽しんで見たいと言うか、男を嬲ると言う事に興味がわき始めていた。
「可愛い服着てるじゃねえか…」
 奴が着ているスカートと一体になっている水色のブラウス、その胸元に手をかけて一気に引き裂く、破られたブラウスの下から白いブラジャーが現れた。
「はっ!はははぁぁ―――!」
 思わず馬鹿笑いが漏れ出してくる、そして笑いながらそのブラジャーを引き剥いた。
「あっ!」
 引き千切られるブラジャー…そのカップの部分に入れていたパットが数個飛び散り、周囲にばら撒かれる。
「けっ!やっぱり胸は…ないか」
 引き剥かれたブラジャーの下から出てきた胸は、当然の様に膨らみのまるで無い少年の胸であったが、その剥き出しとなった胸へ手を伸ばし、全体を擦り上げる様にしながら、胸を触りまくる。
「いやだ、やめて…やだぁぁ!」
 まるで女の様な悲鳴を上げる奴…ゾクゾクとする快感が湧き上がって来る、胸の上に置いている手の感触も悪くない、女の胸の様に柔らかくも弾力があるわけでは無いが、肌理細やかな肌の感触や皮膚の下にある肉の動きの感触、無い筈の胸の膨らみを想像させる反応…そして、撫で擦っている内に奴の乳首が、小さく…だが確実に膨らみ勃起し出している事に気がつく
「なんだ、おまえ…胸触られて、女みたいに感じてやがんのか!」
 膨らみ微かに勃起した乳首、それを摘み上げながら、からかうように揶揄する。
「くっ!違う…僕は…うっ!」
 強く捻られる乳首、それに呻き声を上げ反応する賢一…乳首を嬲りながら、男の手は着ている服を更に引き裂いて行き、ついにはその全てを剥ぎ取り全裸にした。
「ほ〜……」
 全裸に引き剥いた奴の姿を見て、俺は感嘆の声を出す。
 確かに女でない、男の身体だ…だが醜いと言うか無様ではない肉体であったからだ、大人の男性になる前の少年の肉体、その中性的な肉体は、下手な女よりも興奮を誘う代物と言えた。
「いやだ、やっ…やめてくれよ、やだよ…」
 全裸のままで、這いずり逃げようとする奴の姿…妙に刺激的で欲情を誘う…まるで、俺に犯されたがっている様にすら見えてくる。
「おい、手足を押さえて、うつ伏せにさせろ…」
 他の仲間に俺は指示する。
「ひっ!やだ、やめてくぐぇぶぅ!」
 無防備な腹に俺は蹴りを入れる、反吐なのか胃液なのか…何かを口から戻しながら悶絶する奴が、中間に押さえ込まれ下半身を俺の方へと向ける。
「ベッ!」
 ズボンを脱ぎ降ろした後で、掌に唾を念入りに、たっぷりと吐き出して、それを自分のペニスに塗りつける、そして奴の下半身を持ち上げ、まだ唾が吐いている掌を肛門へと擦り付けた。
「ぐぅぅ…やだ…やめ…たのみます…やめて…うぶぅ!」
 蹴りがまだ効いているのか、呻くような声しか出せずにいる賢一の口に、引き裂かれた服の切れ端が捻じ込まれ声を完全に塞ぐ、そして肛門に唾を塗られ、それに対して下半身を微かに動かし、足掻くような動きしか賢一は出来ずにいた。
「安心しな…俺も男の相手は初めてだ、初物同士…楽しもうぜ!」
 ペニスが肛門へと押し付けられる、ネチャリとした付着感…逃れようと足掻こうとした次の瞬間に、グイッ!と男の腰が突き出される、押さえ付けられ固定されていた賢一の下半身…肛門へと押し付けられていたペニスが、その内部へ一気に捻じ込まれた。
「ひぃんがあぁぁぁ―――!!」
 詰め込まれていた服の切れ端を吐き出すような悲鳴が漏れる…ナイフで身体を突き刺されるような激痛、それが下半身の一点から全身に広がり、突き抜けて行く…
 賢一の身体を固定しながら、激しく突き込み下半身を犯し続ける男…捕まえた身体を抱き締め、その背中に爪で傷をつけながら、押し当て…突き込み…犯し…快感を貪る……
「はぁはぁ…いいぞ…いいぞ…」
 ペニスを締め上げる硬く引き締まった快感…それは女では味わえなかった新たな快感…それを存分に貪りながら、男は賢一の尻を犯し続ける、湧き上がって来る新たな欲望に身を任せながら…何時果てるとも無く…
 背後から手を回し、奴のペニスに触れる…硬く勃起し跳ね上がっているのがわかる。
「おい…俺ばかりじゃ、悪いよな…」
 伸ばした手に触れた奴のペニス…それを握り締める。
「うぶぁ!」
 呻き声を上げる奴を無視し、握ったペニスを扱く…捻じ込んだ自分のペニスの動きに合わせながら、扱き擦る握り締めてやる。
「ひぃぐぅ!ぐぅぶぁぁ」
 尻を犯される激しい苦痛…それと同時にペニスを嬲られる快感…それを同時に感じ、呻き続ける奴の姿が面白く刺激的だ。
 突きこむ腰の動きを激しくし、射精の絶頂へ駆け上がって行く、それと同時に奴のペニスも激しく扱き、射精へと向わせて行く!
「出すぞ!出すぞ!だすぅぅぞぉぉぉ―――――!!」
 俺は射精の快感を叫び声にし、叫びながら奴の体内へと精液をぶちまける…そして、同時に奴も扱かれたペニスの先端から、大量の精液を吐き出した……

 舐めしゃぶられるペニスの快感を堪能しながら、男は合計三度目の射精を迎える…
「出すぞ…」
 股間に押し付けられた顔面、その口中に吐き出される精液…それを飲み込んだ賢一が、その場にだらしなく倒れ伏す。
 最初は、ただ見ているだけであった他の男達も、賢一を犯す事に参加している、犯される賢一の姿が、あまりにも魅力的だったからだ。
 そして、この凌辱劇もようやくに終わりを迎えた……
 三度目の射精を終えた男が、他の奴に指示を出し、その場から倒れ伏している賢一を残し、立ち去ろうとするが、何を思ったのか一番最初に賢一を犯した男が、着ている安物のジャンパーを脱いで、賢一の方へと投げ掛ける。
「その格好じゃ、家に帰れないだろう…まあ、満足させてくれたお礼だ、それを着て帰えんな…」

 投げ掛けられたジャンパーを身に纏った賢一が、視点の定まらない表情で夜空を見上げる…見上げながら、その混乱した頭で考え出す…
 自分は誰だろう…犯され切ったその身体は、既に自分の物とは思えない…自分は誰だろう…そう…自分は恵子姉さんだったんだ…男達に犯されてしまったのは、恵子姉さんなんだ…
 混乱…錯乱…恐怖…姉への思慕…凌辱…憎悪…快感…服従…それらが狂気により攪拌され混ぜ合わされて行く
「姉さん…」
 焦点の定まらない表情が、急速に纏まりながら、一つの表情を作りだし顔に刻み込んで行く…それは狂気に彩られた歓喜の表情……
 その口元から笑いが漏れ始める…そして、その笑いは尽きる事無く、低く長く闇の中に染み込んで行った……


                         「 たのみごと 」


 街中で声をかけられ、振り向いた先に奴がいた。
「こんちわ…しばらね」
 そいつは、数週間前に俺が犯した奴だった…女の服を着ていたせいで、女と間違えてしまい、その場の勢いで強姦した奴…男だ。
 そいつが、あの時と同じ様な服に身を包み俺の前に現れた。
「これを返そうとおもって…迷惑だった?」
 手には、あの時に投げ与えたジャンパーが入った紙袋を持っている、こいつは一体何を考えているのだろうか?
「お話をしたい事があるの、御時間空いてますか?」
 俺の方へと差し出された白い手…俺は猜疑心や驚きよりも、身体の芯から湧き上がって来るような欲望に従う事に決めた。
「ああ…時間は空いているよ…何処へ行く?」
 奴は笑みを浮べる…ぞっとするような妖しいと言うか、艶しい笑みを浮かべ俺を見る、そして差し出した手を俺の腕へと絡みつかせ、リードする様に歩き出した。

 逆転していた…あの時は、俺が奴を犯していた…だが、いまは奴が俺を弄びながら、犯されていやっていると言う具合に変っており、下手をすれば俺の方が犯されている様なものであった。
 しゃぶられているペニスが吸われ、絡みつく舌が亀頭部を包み込む、袋を口中一杯に含みながら、キョロキョロと袋の中の玉を弄び嬲る、そして射精された精液を一滴残らずに、吸い出すようにして飲乾す。
 尻の穴へと挿入したペニスも精液を搾り出すように締め上げられ、コントロールされてしまう…立場は完全に逆転していた。

 疲れ果て、ベッドの上で身体を休める俺に、奴は一枚の写真を見せた。
「この娘を…私みたいに輪姦してくれない…」
 差し出された写真には、奴と瓜二つの少女が奴と一緒に写し出されていた。
「お礼は…何回してもいいから…」
 別途の中に潜り込み、俺の股間へと舌を伸ばし、ペニスをしゃぶり出す奴…俺は、その快感の前に理由を問う事無く、呻くように言う…
「解った…犯してやるよ、何回でも…お前の気の済むまで…何度でもな…」
 俺の返事に満足したのか、奴のペニスをしゃぶりあげる速度が増して行く…そして、俺は三度目の絶頂を迎える事になった。



                                                つづく・・・?



                                                成人向け書庫へ戻る