『　ヒルダ…闇の中　』


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第三話


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【　悲哀　】


「お兄ちゃん…その手の噛み傷…」
　自分の頭を撫でてくれる、お兄ちゃんの手に見出してしまった噛み傷の痕、それは自分を犯した男に対して刻み込んだのを思い起こさせた。
　言葉に出しながらも、心の中で必死に否定しながら見上げたお兄ちゃんの顔が、今までに見た記憶が無いほど、恐ろしく醜く歪んでいくのが分かった。

「気がつかなければ、お前の優しい兄でいられたのに…お前が悪いんだよヒルダ、僕の掌にこんな噛傷を残して、それに気がついたヒルダが…」
　何を言っているのだろう？
　お兄ちゃんが言っている意味が分からない、冗談を言っているのだろうか？
　心の中では、冗談だといって笑ってくれるお兄ちゃんの姿を想像するが、それはすぐに掻き消えてしまう。お兄ちゃんは悲しそうに笑いながら、私の上に覆い被さってきた。
　私が着ているパジャマにお兄ちゃんの手が掛かる、お兄ちゃんが着せてくれたパジャマ…それが、お兄ちゃんの手で再び脱がされて行く、手でパジャマを押えようとするけど、その手に力が入らない、そして優しい笑顔を見せるお兄ちゃんに　パジャマの上を脱がされてしまった。
「かわいそうに…痛かったろ？」
　そう言いながら、お兄ちゃんは私の胸を舐める、あの時に噛まれた傷痕に舌が触れた。その瞬間に記憶が蘇る、何も見えない闇の中で犯された時の記憶が！
「いやっ！お兄ちゃん！離して、やだぁぁ――――！！」
　私の口から精一杯に声が出る、胸を舐めているお兄ちゃんを何とかしようと、必死に暴れながら声を出して抵抗するが、覆い被さっているお兄ちゃんビクともしない
「いくら大きな声を出しても、外へは聞えないよ…でも、それでヒルダが満足するのなら、いくらでも大きな声を出すといい、その方が僕も楽しめるからね」
　胸を舐めているお兄ちゃんが、胸を舐めながら言う…涙がポロポロよ出てくる、嘘だ！こんな事は嘘なんだ！
　泣きながら必死に声を出す私…でも、胸に走る激痛が嘘では無い事を、私に思い知らせた。
「ひぃぃ―――！！」
　あの時と同じように再び胸を噛まれる、その痛みに悲鳴を上げ続ける私の口を、お兄ちゃんの口がふさいだ、お兄ちゃんの舌が唇を割って入り込んでくる、熱くて柔らかなお兄ちゃんの舌の感触、それが口の中に溢れて私の舌と絡まった。
それは、お兄ちゃんとの初めてのキス…私の口の中に流れ込んでくるお兄ちゃんの涎、嫌じゃなかった…汚いとかそんな事は思わなかった。
　でも、哀しかった…こんな形でキスなんかされたくなかった。
　私は、お兄ちゃんの舌を吸う…そして私の舌を重ねるようにして、一緒に舌を絡める…お兄ちゃんの舌がわたしの舌を吸う、そして私の涎と、お兄ちゃんの涎が交互に行きかいながら互いの口の中に満ちて行き、それを互いに飲み込みあった。
　私の唇から放されて行く、お兄ちゃんの唇…涎が糸のようになって、私とお兄ちゃんの唇を繋いでいたけど、それも唇が離れて行くに従い切れて行った。
「お兄ちゃん…痛いのは、もういや…おねがいだから、痛い事しないで…おねがい…」
　痛いのは嫌だった。
　お兄ちゃんを見上げる私…涙のせいだろうか、お兄ちゃんの顔が歪んで見えた。
「駄目…」
　お兄ちゃんは、そう一言だけ言うとパジャマのズボンを下着と一緒にズルッ！と脱がし、私の両足を掴んで大きく広げた。
「ひっ！」
　突然の事に、小さな悲鳴を上げるだけしか出来ない、グイッ！と下半身を持ち上げられる、そして押し広げられ剥き出しにされた自分の股間が目の前に突きつけられた。
「いやぁぁ―――！」
　突きつけられた自分のアソコ、まだ無理やりに入れられた痕が見える、血がアソコから滲み出しているのも見える、私が犯されたという事を見せ付けられるのは耐え切れない、両手で顔を覆っても突きつけられた私のアソコが眼に焼きついている。
　顔を両手で隠した次の瞬間に、何かがアソコに触れたのを感じた。
「あふっ！」
　口から声が漏れる、まだ疼くような痛みが残るアソコ…その部分を、なにか柔らかくて湿って生暖かいモノが触れてくる…その感触は、さっきまで私の口の中にあった感触と同じだった。
　お兄ちゃんの舌が私のアソコを舐めている、ペチャペチャと言う音も聞こえるくらいに、何回も何回もアソコを舐めてくる、そしてアソコの中にも入ってきた。
「いやぁ…やだよ、やだ…やめて、お兄ちゃん…おねがい、いやぁぁ…」
　嫌だ！恥かしい…なのに何だか、アソコの部分がピクピクと動いてしまう、自分で動かしているわけではなくて、お兄ちゃんの舌がアソコの触れるたびに痙攣するようにアソコが、身体が動いてしまう。
　いやだ…こんなの私じゃない！
　アソコを舐めているお兄ちゃんに、やめてと言ってもやめてくれない…言葉も出せなくなってくる…私は眼をつむって、すすり泣く事しか出来なくなってしまった。
　アソコにあった舌の感触がなくなっている…私が眼を開いたその先に、お兄ちゃんの顔があった。
　近づいてきたその顔が近づき、私が流した涙を舌で優しくすくい取る…
　私は、お兄ちゃんにもう一度だけ言おうと思った…やめてと…だけど、それを言葉にする前に、激しい痛みが身体を貫く！
「ひぎぃぃぃーーーーー！」
　微かな希望とも言うべき、哀願の声を発する前に私の身体を何か熱く大きな物が、アソコから侵入して身体を引き裂く、発しかけた言葉が凄まじい悲鳴に変わって口から吐き出されていく、侵入してきたモノを押し出そうと足掻いても、それはドンドンと身体の中へと入ってくる。
「ひぐぅうっ！痛い！！痛いよぉお兄ちゃん！ぎゅぅうぅ！やだぁぁーーー！！」
　泣き叫んでいる私を見ながらお兄ちゃんは笑っていた…
「くくく…はははぁぁ…ひゃーはぁはぁはぁーーー！！」
　私の悲鳴とお兄ちゃんの狂ったような笑い声…それを聞きながら、私の胎内に広がって行く感覚…最初に犯された時と同じように広がっていく恐ろしい感覚を再び感じた…


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【　バスルームにて　】


「やだ…やだよお兄ちゃん…なんで…いやぁぁ…」
　ベッドの上で私は泣きながら言う…小さな頃、初めてお兄ちゃんに会った時を思い出す。

　初めて会ったお兄ちゃん、お母さんの後に隠れながら見たその姿は、優しそうな人だった。ドキドキしながら、隠れていたお母さんの後から出て、昨日から一生懸命に考えていた挨拶をしようとしたけど、頭が一杯になってしまって考えた言葉が出てこない…でも、お兄ちゃんの優しそうな顔を見ながら、必死になった言った。
「えと……おにいちゃん、なかよくしてくださいね」
それだけ言って自分の手を差し出す…少し不安になる、差し出した手を拒絶されてしまうのではないかと、でもお兄ちゃんは私の手をそっと握って言ってくれた。
「僕の方こそ、よろしくねヒルダちゃん」
　私は神様に感謝した。こんなステキなおにいちゃんを与えてくれた神様に！
　そのまま私はお兄ちゃんに飛び込む、飛び込んだ私をお兄ちゃんは、抱きとめてくれた。
　嬉しくて嬉しく！私はそのままお兄ちゃんのほっぺたにキスをした。

　なのに、なんでこんな酷い事をするんだろう…私を嫌いになったのだろうか、だとしたらこんな酷い事をされた事よりも、そちらの方がずっと哀しく思う。
　だから、全てが終った後…私はベッドの上で泣き続けるしかなかった。
　そんな私にお兄ちゃんは言う。
「ヒルダ…本番はこれからだよ」
　その言葉を聞いた時に気がつく、まだ酷い事が終っていないのを…
「ひいやっ！」
　悲鳴をあげて、ベッドの上から逃げ出そうとした私をお兄ちゃんは、ベッドの上に押さえ行けながら優しい口調で言った。
「可哀そうなヒルダ…これからもっと可哀そうな事をしてあげるよ…ヒルダ…」
　そしてお兄ちゃんの顔が、どんどんと恐ろしく怖い顔になっていく、私は押え付けられて身動きが出来ないままで、必死になって顔を左右に振りまわし続ける、嫌だった…こんな顔をしているお兄ちゃんがとても嫌だったから…

　そんな私を、お兄ちゃんはひょいと抱きかかえ、そしてバスルームの方へと連れて行こうとする。手足をばたつかせて何とかお兄ちゃんの腕の中から逃げ出そうとするけど、抱きかかえられた身体は、思うように力は入が入らなくい…
バスルームへと連れ込まれた私の眼に、少し前にお兄ちゃんが身体を洗ってくれたままで、お湯がそのままになっているバスタブがうつる、そして次の瞬間に、そのバスタブへと私は放り込まれた。
　放り込まれた瞬間、お湯が口や鼻から入ってくる、息が止まり必死になって浮かび上がろうと足掻く
「げふっ、げほっ！」
　何とか浮かび上がって飲み込んだお湯を吐き出して、バスタブの縁につかまってゲホゲホと息をしていると、バスタブの中に落とした私の眼鏡を拾い上げたお兄ちゃんが、その眼鏡を私にかけながら言った。
「後ろを向いて、お尻を僕の方へ向けるんだ…ヒルダ」
　次々に行なわれるショックな出来事と、お湯をたくさん飲んだからなのか、気持ちが悪いし頭も身体もフラフラする…もうこれ以上…いやだ、だからお兄ちゃんにお願いする…
「いや…もう、やめてお兄ちゃん、元の優しかったお兄ちゃんに戻って…おねがい」
　それは、私の中にいる優しいお兄ちゃんに対する最後のお願いだったのかもしれない、考えて見れば私はいろんなお願いをお兄ちゃんにしてきた。そして、お兄ちゃんは何時も私のお願いを聞いてくれた…でも、このお願いは聞いてくれなかった。
　身体を?まれて、強引に後ろを向かされる、お尻をお兄ちゃんに見られているのが恥かしい…そして、お兄ちゃんの手がお尻に触触ったと思ったら、お尻の穴に何かを突きこまれる。
「ひうっ！」
　小さな声を出して、ビクンと身体を強張らせたけど、差し込まれたそれから何かがお腹の中へと入ってくるのが分かった。
　お腹の中へと広がっていく感じ…何がこれからおこるのか怖くなってくるけど、何をされたのかが判るまで、一分とかからなかった。
（お腹が変だ…）
　グルグルとお腹が鳴る音がする、そしてお腹が痛くなってきて…
「ひっ！あうぅぅ…ふぐぅっ！」
　私はバスタブの中で身悶える、私のお腹の中で動き出した、もう一つの私の意思を止める事が出来なくなってくる…
「どうしたんだい、ヒルダ？」
　お兄ちゃんが、私に聞いてくる…それは以前と同じ優しい口調だった。
　一瞬の躊躇いがある、言いたい事を言うのがとても恥かしい…でも、我慢しきれない…私は、とうとうお兄ちゃんに頼んだ。
「お兄ちゃん、おねがい…おトイレに…おトイレにいかせて！」
　そして、バスタブから出ようとした時に、お兄ちゃんは私の肩を掴んでバスタブから出ようとした私を押えた。
　どんどんお腹が痛くなり、我慢できなくなってくる！
「離して、お兄ちゃん！お願い、お願いだからおトイレにいかせて、お願い！」
　バスタブの中から、必死になってでようとするけど、お兄ちゃんは肩を掴んだまま私を出してくれない、最初は出ようとして暴れたけど、動けなくなってくる…動いたら、我慢できなくなりそうだから…私は、押さえ込まれたバスタブの中で身体を縮込ませて、強烈な…自分の意思では我慢できなくなってきている衝動に耐えながら言う。
「お兄ちゃん…お願い…おトイレに…おねが…あっああ…！」
　最後まで言えなかった…お腹の中から、何かが漏れ出していくのがわかる、下半身へと落とした視線の先には、お尻から漏れ出してくる茶色い物がバスタブの透明なお湯を染めて行き、それが私の身体を覆っていくのを見た。
「あっ…ああぁぁ…やだぁぁ…やあぁぁーー！」
　止める事が出来ない、私のお尻から出し続けられる茶色い本流…私の出したウンコにで茶色く濁っているバスタブの中で、私は恥かしさのあまり悲鳴を出し続けた。

　完全にお腹の中にあるウンコを出し切り、茶色く染まったバスタブの中から、お兄ちゃんは私を引き出す。
そしてウンコ塗れになった私の身体を念入りに洗いだした…身体は勿論、髪も含めて全身を念入りに洗った後で、私に命令をした。
「ヒルダ、お尻をこちらに向けて」
　もうどうでも良くなっていた…あの優しかったお兄ちゃんは、どこにも居なくなったんだと諦める事が出来てしまった。
だから、私は言われた通りに尻をお兄ちゃんだった人へと向ける…さっきと同じように、何かがお腹の中に入れられて、またお腹が痛くなってくる、我慢できなくなりすぐに出そうとしたら、お尻の穴に指を入れられて栓をされ…少しして、その指が抜かれたとき、私はお腹の中に残っていた残りのウンコを出した。
　そして、また身体を洗われる…
　抱きかかえられて、再びベッドのある部屋へと連れて行かれる…これから何を私にするんだろう、この人は…？
　でも、もうどうでもいい…ベッドの上へ放り出された時、私は心の中で小さく言う。
「さようなら…お兄ちゃん…」
　それが、私からお兄ちゃんへの最後の言葉だった。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく　



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